2009年04月21日
Twitterを始めませんか?
今アメリカにTwitter旋風が起こっています。私はtennisnakamaで自分のページをもちました。誰でも3分で手続きが完了です。本名もいりません。必要なのはメールアドレスのみ。しかしこれは公表されませんので漏れる心配はありません。ユーザー名を今使っていらっしゃるコメント名にしてtennisnakamaとTwitterをやってみませんか?
Twitterって何?
Twitterでお互いの近況を知ることができます。お互いを追っかけることができるのがTwitter.
アメリカでは有名な俳優、アシュトン・クッチャーが1億のヒットを超しました。彼自身がtwitしているので、生々しい彼の日常生活が覗き見することができます。彼の追っかけさんになることもできるのです。
Twitterについて詳しいことが説明されていますので、ご存知ない方はまずここを開いてください。ビデオは日本語訳がついています。
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20348053,00.htm
これはtennisnakamaのTwitterのホームページです。
昨日のメーッセージですが、今日も雨。今からテニス(インドア)に出かけますが、帰ってきたら、この続きを書きたいと思います。もしすでにご自分のホームページを開くことに成功された方は、『友達を探す』のところに、tennisnakamaを記入してください。私のホームページがでてきます。そして「フォローする」のところをクリックすると、新しく開かれたあなたのTwitterにtennisnakamaがお邪魔することになります。
ここまでは一応宿題としておきます。面白そうですからトライしてみましょう。tennisnakama-Twitter仲間ができれば楽しいでしょうね。
Twitterって何?
Twitterでお互いの近況を知ることができます。お互いを追っかけることができるのがTwitter.
アメリカでは有名な俳優、アシュトン・クッチャーが1億のヒットを超しました。彼自身がtwitしているので、生々しい彼の日常生活が覗き見することができます。彼の追っかけさんになることもできるのです。
Twitterについて詳しいことが説明されていますので、ご存知ない方はまずここを開いてください。ビデオは日本語訳がついています。
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20348053,00.htm
これはtennisnakamaのTwitterのホームページです。
昨日のメーッセージですが、今日も雨。今からテニス(インドア)に出かけますが、帰ってきたら、この続きを書きたいと思います。もしすでにご自分のホームページを開くことに成功された方は、『友達を探す』のところに、tennisnakamaを記入してください。私のホームページがでてきます。そして「フォローする」のところをクリックすると、新しく開かれたあなたのTwitterにtennisnakamaがお邪魔することになります。
ここまでは一応宿題としておきます。面白そうですからトライしてみましょう。tennisnakama-Twitter仲間ができれば楽しいでしょうね。
2009年04月21日
フェデラー&ロディック結婚フォト
(前号にモンテカルロ決勝、ナダルvsジョコヴィッチの記事を掲載しています。)
Roddick's Wedding
ロディックが週末に故郷のテキサスでスーパモデルのブルックリン・デッカーと結婚式をあげました。この結婚式にアガシ、グラフ夫妻、ブレイク、フィッシュなどが参加。噂によるとエルトンジョンがパーティーで演奏したとか。豪華ですね。モデルの奥さんは職業柄まるでカタログから抜け出たよう。
近くのカントリークラブで式をあげたそうで、この写真集は多分隠しとりだと思いますが、ロディックはゴルフのクラブを振ってます。多分式の前だと思うのですが、緊張をほぐすためでしょうか。
アンディは美女でグラマーな(水着モデル)奥さんをもらって嬉しそう。この喜びをエネルギーに今年はぜひともGSのタイトルむけてがんばってほしいものです。結婚おめでとう!
ロディックの結婚式の写真(42枚)
http://photos.tmz.com/galleries/andy_roddick_wedding#40662
Federer's Wedding
スイスの雑誌、schweizer-illustrierteがフェデラーの結婚式の写真の掲載権を買い取りました。この掲載料はすべてロジャー・フェデラー基金に寄付されることになります。オンラインでは2枚しかみれませんが、ロディックたちのセレブな結婚式とちがってとても普通な感じ。清楚でつつましやか。やっぱりスイスって感じがします。微笑ましく幸せそうな二人にあらためておめでとう!
フェデラーの結婚写真
Photo by schweizer-illustrierte
ロジャーとミルカ:
http://www.hcfoo.com/2009/04/finally-roger-federers-wedding-photos.html
Roddick's Wedding
ロディックが週末に故郷のテキサスでスーパモデルのブルックリン・デッカーと結婚式をあげました。この結婚式にアガシ、グラフ夫妻、ブレイク、フィッシュなどが参加。噂によるとエルトンジョンがパーティーで演奏したとか。豪華ですね。モデルの奥さんは職業柄まるでカタログから抜け出たよう。
近くのカントリークラブで式をあげたそうで、この写真集は多分隠しとりだと思いますが、ロディックはゴルフのクラブを振ってます。多分式の前だと思うのですが、緊張をほぐすためでしょうか。
アンディは美女でグラマーな(水着モデル)奥さんをもらって嬉しそう。この喜びをエネルギーに今年はぜひともGSのタイトルむけてがんばってほしいものです。結婚おめでとう!
ロディックの結婚式の写真(42枚)
http://photos.tmz.com/galleries/andy_roddick_wedding#40662
Federer's Wedding
スイスの雑誌、schweizer-illustrierteがフェデラーの結婚式の写真の掲載権を買い取りました。この掲載料はすべてロジャー・フェデラー基金に寄付されることになります。オンラインでは2枚しかみれませんが、ロディックたちのセレブな結婚式とちがってとても普通な感じ。清楚でつつましやか。やっぱりスイスって感じがします。微笑ましく幸せそうな二人にあらためておめでとう!
フェデラーの結婚写真
Photo by schweizer-illustrierte
ロジャーとミルカ:
http://www.hcfoo.com/2009/04/finally-roger-federers-wedding-photos.html
2009年04月21日
ナダル5年連続優勝
やはりナダルが優勝しましたね!
これでモンテカルロは5年連続優勝となります。そしてナダルのクレーのタイトルは実に23となり、クレーの決勝で負けたのは1回だけ。フェデラーにまけた2007年ハンブルグの決勝のみという信じられない強さです。
ジョコヴィッチは負けましたが最高のプレーをしました。特に第2セットのアグレッシヴな攻撃テニスはすざましく、ナダルはたじたじと守りのテニスに終始。ジョコは「クレーでは僕はベストのプレーをした」と言っています。しかしマレーもそうですが、ナダルに勝つには、彼らの最高のテニスを最後まで維持しなければなりません。1球たりとも甘いショットを打てば自殺行為となり、それはとても非人間的なことで不可能にすら見えます。ジョコは彼のベストなテニスをプレーし続けることができずナダルに破れてしまいました。
Nadal def Djokovic: 6-3, 2-6, 6-1
第1セット
第1セットはブレークにはじまりブレークに終わる不思議なセットでした。第3ゲームでお互いがブレークし合ってスコアはイーヴンの1-1。ジョコのサーヴです。1stサーヴにラインマンがFaultの判定を下しました。ナダルはひょっとしたらInかもしれないと思ったのでしょう。ジョコが頼みもしないのに、ナダルは球跡をしらべるために、自分のコートのサーヴィスラインまで行きました。そしてアンパイアを呼んで、確認してほしいとリクエストしたのです。結局アンパイアは、Outと判定しましたが、こんなことは大変めずらしいことです。普通は相手のサーヴが入っているかもしれないと思っても、相手が頼みもしないのに自ら不利になるようなことはしないものです。このような行為がナダルを真のスポーツマンとして尊敬される要因となっているのでしょうね。
第3ゲームはジョコがサーヴィスゲームをホールドすることができましたが、第4ゲームで再びナダルがブレークされてしまいます。ナダルの立っている平均位置が解説者によるとベースラインから2.1m。ジョコは1.4m。ナダルはジョコに比べてベースラインから下がりすぎています。これではウィナーが決まらない。ジョコも下がり過ぎのナダルに気がついたのでしょう。さかんにドロップショットをしかけてきます。
1-3とブレークされてしまったナダルは猛烈な反撃をしかけ始めました。他の選手ですと、ブレークされてしまうとプレッシャーが高まり固くなったり焦ったりしてプレーに影響が出てきます。つまり力み現象です。ここでナダルのすごいのは、ネガティヴ・エネルギーを「僕は絶対勝ってみせる!」のポジティヴ・エネルギーに転換できること。集中力を100%アップして攻撃モードにスウィッチ・オンがかかり40-0と圧倒的な強さでジョコをブレークし直してしまいました。
ジョコも負けていません。「僕だって負けるもんか!」第6ゲームに猛然と攻撃をしかけてきます。両選手一歩も攻撃の手を緩めず、ウィナー狙いのきわどいショットが両サイドに決まっていきます。こうなるとテニス観戦の醍醐味です。相手のエラーで得点するテニスはつまらないものがありますが、お互いがウィナーを決め合って競り合うゲームは迫力そのもの。40-30でナダルは神業的なバックハンドクロスがコーナーに突き刺さってサーヴィスゲームをホールドしました。
第5・第6ゲームを連続勝ち取ったナダルの勢いはもう止められません。第7ゲームは40-15ですでにブレークポイントです。しかしジョコも粘りもすばらしく、ドロップショットで決め、フォアのダウンザラインのウィナーで挽回。デュースに戻しますが、ベースラインをオーヴァーしたショットを打った瞬間、ジョコは背中の下部に手を当てて顔をゆがめました。どうやら腰を痛めた模様。痛さのせいかジョコは、ブレークポイントで大きくワイドにはずれるバックハンドを打ってブレークされてしまいました。スコアは4-3でナダルのリードです。
ここでジョコはメディカル・タイムアウトをとります。トレーナーがジョコの右側の背中の下部をマッサージしています。背中が気になるのか、ジョコはブレークされてしまって、第1セットは6-3でナダルの勝利に終わりました。
しかし、ジョコに故障がなくても、ナダルはこのセットは勝っていたと思います。後半のナダルは試合を支配しジョコに付け入る隙を与えませんでした。
第2セット
第2セットはジョコの執念のセットでした。猛然と立ち向かったジョコは、サーヴィスが75%の高率で、アグレッシヴな攻撃を続けます。ハイライトは第1ゲームのブレークポイントです。ジョコは何度もウィナーを狙いますが、ナダルのカウンターショットで決まらず、最後にドロップショットを試みます。しかしナダルがネットに届きロブ返し。34のストロークの後、やっとジョコはスマッシュでナダルをブレークしました。
第1ゲームですでにナダルをブレークしたジョコは、まさに恐れを知らずのアグレッシヴ・テニスを展開。圧倒的なジョコ・テニス「両サイドに振り回してオープンコートにウィナーを決める」の強さを披露してくれました。5-2の第8ゲームでは、最後にサーヴィスエースを立て続けに2本とってナダルをブレークして、第2セットを快勝しました。
第2セットをナダルが2-6で完敗しましたが、私にはナダルが第3セットを落とすことは考えられませんでした。長年ナダルの試合を見てきた経験からくる直感とでもいいましょうか。まずジョコのフィジカルと集中力の問題です。ナダルのスピンボールは相手を2倍以上疲れさす威力があり、試合が長引けば長引くほどナダルの有利になるからです。ジョコが第2セットでみせたのは彼のベストなテニスです。このレベルを第3セットまで持ち続けるのは不可能に近いと感じたのです。
第3セット
第1ゲームはナダルの真の強さを見せたゲームでした。ジョコは勝った勢いでナダルをブレークしようと、またもやアタックモード全開で40-30のブレークチャンスを迎えます。ナダルはここで落としてしまうと第2セットの二の舞になり、ジョコの勢いを止められなくなります。絶対落としてはならないゲームなのです。
ジョコのパーフェクトなドロップショットにベースラインから猛然ダッシュしたナダルは、超アングルのヴォレーでウィナーを。エッ? まさか!? 考えられないナダルのスーパショットに、呆然としたジョコは膝まずいてうなだれてしまいました。
I don’t believe it!! 解説者が叫びます。興奮して席から飛び上がって叫ぶ様子が目に浮かびます。This is sensational!!何度も解説者が叫びました。
人間の限界に挑戦する二人。彼らが繰り広げる壮絶なドラマに会場は拍手が鳴り止みません。
3度のブレークポイントを逃れたナダルは、「バモース!」と拳を握りしめ大声で叫びました。ライオンの王者、ナダル獅子が吠えたのです。危ないのはジョコです。この「バモース!」でナダルのギアは全開です。一瞬たりとも狙った獲物は逃がさない。ナダルの目は獰猛な獣の目となってジョコを追いつめ、ブレークしてしまいました。
しかしジョコもしぶとくあきらめません。第3ゲームではナダルのバックサイドを攻撃、ワイドに振ってオープンコートにウィナーを決めていきます。このパターンは効果的で何度もジョコは成功しています。ナダルはジョコの浮いた球をネットダッシュせず、ベースラインに留まっています。そしてやがてはジョコにウィナーをとられてブレークされ、これでスコアは元通りのイーヴンになってしまいました。もったいない!
第3セットの勝敗を決定したのは第4ゲーム(2-1)だと思います。ジョコのサーヴです。ジョコが勝ち急いでしまいました。ミスが目立ち15-40とブレークポイントを迎え、最後はワイルドなミスでブレークされてしまいます。これはジョコも記者会見で言っているように「もっと辛抱強くプレーするべきだった。」
ジョコのエラーは試合を通して47もおかしています。ナダルの24の2倍です。これはリスクを犯さなければ勝てないジョコのプレッシャーを大きさを物語っています。
第5ゲームではスコアは3-1、ナダルのリードとなってしまい、ジョコは心身ともに疲れが出てきました。ドロップショットも甘く、フットワークにもたつきが出てきました。今までウィナーが打てたショットも決まらなくなって、0-40でナダルに完敗。
ジョコのファイトもここまでが限界でした。第6ゲーム(4-1)でジョコは試合を投げ出しました。もうどう攻めてよいのか分からず、一か八かの一発勝負です。結果は当然のごとく、15-40, 0-40で第3セットは1-6の惨敗となってしまいました。
Federerはトップ4に勝てるか?
マレーの準決勝、ジョコの決勝を観てまず思ったのは、このハイレベルの試合を果たして今のフェデラーが出来るかどうか? ライン上にウィナーを打ち込まなければ勝てなくなってきている今日のテニスにあって、昔のスイス時計のような正確さは、今のフェデラーにはありません。クレーではサーヴがよくてもリターンされてしまうので、サーヴ&ヴォレーは武器とはなりませんし、ネットダッシュも相手の球を浮かせるだけのショット力がなければ、パッシングショットで逆襲されます。クレーでは球のスピンや速さが殺されてしまうため、マレーのペースを変えるテニスはそれほど効果はなく、今までマレーはクレーは不振でした。
エミリオ・サンチェスが言った「Correct Playerでなければクレーは勝てない」という意味がだんだん分かってきたような気がします。あらゆる技術を正確に身につけた、正確なテニスをする選手でなければならない。ナダル、ジョコ、マレーに勝つには、果たしてどれだけフェデラーが正確な選手でありうることができるでしょうか?
今後のNadalの課題:
ナダルは怪我をしないかぎりクレーは勝っていくと思いますが、しかし疲れが最大の敵となるでしょうね。今週はバルセロナ、来週はローマと3週間立て続けにトーナメントが続きます。それにマドリッドのマスターズも控え、フレンチまで十分に体を休めることができるかどうか?
当然フレンチは優勝するものとして、彼の最大ゴールはウィンブルドンとUS Openのグランドスラムの記録だと思います。速い芝とハードでは、浮いた球をネットで決めないと勝てません。ダヴィデンコが準決勝で見せた見事なネットダッシュです。疑問なのは、ナダルはなぜ相手の球が浮いているのに、もっとネットダッシュしてヴォレーで決めてしまわないのか? あれほどネットプレーはうまいのに。リスクは負いたくないためについ自分の居心地のよい場所(ベースライン)から打ってしまうのでしょうが、これでは速いサーフェスで勝つのはむずかしい。ジョコヴィッチは決勝では31ネットダッシュしています。ナダルはそれでも15回していますが、もっとできるチャンスはありました。後はサーヴのプレースメント。この二つが向上すればナダルのブランドスラム達成も夢でないと思っています。
(後記)
ナダルのトニーコーチは、「ナダルはこの試合はもっとちゃんとやれるはずだったのでちょっと自信を失っている。サーヴが弱すぎた。」という厳しいコメントを残しています。勝ったことは褒めてあげるが、試合の内容がもう一つといいたげなコーチ。
ナダルはクレーでは1セットも負けてはならない宿命にあるようで、いやはや彼のプレッシャーは想像を絶するものがありますね。
(追記:2007年のハンブルグでフェデラーに負けた試合について)
このハンブルグのマスターズは観戦しましたが、フェデラーも調子はよかったのですが、ナダルが疲れすぎていました。彼は以下のクレーのトーナメントをすべて優勝して休む暇がなく、メンタル的にも限界がきていたと思います。とてもナダルらしくないミスの多い試合で、ナダル自身疲れすぎたと認めていましたから。フェデラーの優勝にケチをつける気はありませんが、通常の状態であれば、フェデラーが勝てたかどうかわからないトーナメントでした。
2007年ナダル優勝の経歴
4月15日モンテカルロ・マスターズ
4月23日バルセロナ
5月7日ローマ・マスターズ
5月14日ハンブルグ・マスターズ
これでモンテカルロは5年連続優勝となります。そしてナダルのクレーのタイトルは実に23となり、クレーの決勝で負けたのは1回だけ。フェデラーにまけた2007年ハンブルグの決勝のみという信じられない強さです。
ジョコヴィッチは負けましたが最高のプレーをしました。特に第2セットのアグレッシヴな攻撃テニスはすざましく、ナダルはたじたじと守りのテニスに終始。ジョコは「クレーでは僕はベストのプレーをした」と言っています。しかしマレーもそうですが、ナダルに勝つには、彼らの最高のテニスを最後まで維持しなければなりません。1球たりとも甘いショットを打てば自殺行為となり、それはとても非人間的なことで不可能にすら見えます。ジョコは彼のベストなテニスをプレーし続けることができずナダルに破れてしまいました。
Nadal def Djokovic: 6-3, 2-6, 6-1
第1セット
第1セットはブレークにはじまりブレークに終わる不思議なセットでした。第3ゲームでお互いがブレークし合ってスコアはイーヴンの1-1。ジョコのサーヴです。1stサーヴにラインマンがFaultの判定を下しました。ナダルはひょっとしたらInかもしれないと思ったのでしょう。ジョコが頼みもしないのに、ナダルは球跡をしらべるために、自分のコートのサーヴィスラインまで行きました。そしてアンパイアを呼んで、確認してほしいとリクエストしたのです。結局アンパイアは、Outと判定しましたが、こんなことは大変めずらしいことです。普通は相手のサーヴが入っているかもしれないと思っても、相手が頼みもしないのに自ら不利になるようなことはしないものです。このような行為がナダルを真のスポーツマンとして尊敬される要因となっているのでしょうね。
第3ゲームはジョコがサーヴィスゲームをホールドすることができましたが、第4ゲームで再びナダルがブレークされてしまいます。ナダルの立っている平均位置が解説者によるとベースラインから2.1m。ジョコは1.4m。ナダルはジョコに比べてベースラインから下がりすぎています。これではウィナーが決まらない。ジョコも下がり過ぎのナダルに気がついたのでしょう。さかんにドロップショットをしかけてきます。
1-3とブレークされてしまったナダルは猛烈な反撃をしかけ始めました。他の選手ですと、ブレークされてしまうとプレッシャーが高まり固くなったり焦ったりしてプレーに影響が出てきます。つまり力み現象です。ここでナダルのすごいのは、ネガティヴ・エネルギーを「僕は絶対勝ってみせる!」のポジティヴ・エネルギーに転換できること。集中力を100%アップして攻撃モードにスウィッチ・オンがかかり40-0と圧倒的な強さでジョコをブレークし直してしまいました。
ジョコも負けていません。「僕だって負けるもんか!」第6ゲームに猛然と攻撃をしかけてきます。両選手一歩も攻撃の手を緩めず、ウィナー狙いのきわどいショットが両サイドに決まっていきます。こうなるとテニス観戦の醍醐味です。相手のエラーで得点するテニスはつまらないものがありますが、お互いがウィナーを決め合って競り合うゲームは迫力そのもの。40-30でナダルは神業的なバックハンドクロスがコーナーに突き刺さってサーヴィスゲームをホールドしました。
第5・第6ゲームを連続勝ち取ったナダルの勢いはもう止められません。第7ゲームは40-15ですでにブレークポイントです。しかしジョコも粘りもすばらしく、ドロップショットで決め、フォアのダウンザラインのウィナーで挽回。デュースに戻しますが、ベースラインをオーヴァーしたショットを打った瞬間、ジョコは背中の下部に手を当てて顔をゆがめました。どうやら腰を痛めた模様。痛さのせいかジョコは、ブレークポイントで大きくワイドにはずれるバックハンドを打ってブレークされてしまいました。スコアは4-3でナダルのリードです。
ここでジョコはメディカル・タイムアウトをとります。トレーナーがジョコの右側の背中の下部をマッサージしています。背中が気になるのか、ジョコはブレークされてしまって、第1セットは6-3でナダルの勝利に終わりました。
しかし、ジョコに故障がなくても、ナダルはこのセットは勝っていたと思います。後半のナダルは試合を支配しジョコに付け入る隙を与えませんでした。
第2セット
第2セットはジョコの執念のセットでした。猛然と立ち向かったジョコは、サーヴィスが75%の高率で、アグレッシヴな攻撃を続けます。ハイライトは第1ゲームのブレークポイントです。ジョコは何度もウィナーを狙いますが、ナダルのカウンターショットで決まらず、最後にドロップショットを試みます。しかしナダルがネットに届きロブ返し。34のストロークの後、やっとジョコはスマッシュでナダルをブレークしました。
第1ゲームですでにナダルをブレークしたジョコは、まさに恐れを知らずのアグレッシヴ・テニスを展開。圧倒的なジョコ・テニス「両サイドに振り回してオープンコートにウィナーを決める」の強さを披露してくれました。5-2の第8ゲームでは、最後にサーヴィスエースを立て続けに2本とってナダルをブレークして、第2セットを快勝しました。
第2セットをナダルが2-6で完敗しましたが、私にはナダルが第3セットを落とすことは考えられませんでした。長年ナダルの試合を見てきた経験からくる直感とでもいいましょうか。まずジョコのフィジカルと集中力の問題です。ナダルのスピンボールは相手を2倍以上疲れさす威力があり、試合が長引けば長引くほどナダルの有利になるからです。ジョコが第2セットでみせたのは彼のベストなテニスです。このレベルを第3セットまで持ち続けるのは不可能に近いと感じたのです。
第3セット
第1ゲームはナダルの真の強さを見せたゲームでした。ジョコは勝った勢いでナダルをブレークしようと、またもやアタックモード全開で40-30のブレークチャンスを迎えます。ナダルはここで落としてしまうと第2セットの二の舞になり、ジョコの勢いを止められなくなります。絶対落としてはならないゲームなのです。
ジョコのパーフェクトなドロップショットにベースラインから猛然ダッシュしたナダルは、超アングルのヴォレーでウィナーを。エッ? まさか!? 考えられないナダルのスーパショットに、呆然としたジョコは膝まずいてうなだれてしまいました。
I don’t believe it!! 解説者が叫びます。興奮して席から飛び上がって叫ぶ様子が目に浮かびます。This is sensational!!何度も解説者が叫びました。
人間の限界に挑戦する二人。彼らが繰り広げる壮絶なドラマに会場は拍手が鳴り止みません。
3度のブレークポイントを逃れたナダルは、「バモース!」と拳を握りしめ大声で叫びました。ライオンの王者、ナダル獅子が吠えたのです。危ないのはジョコです。この「バモース!」でナダルのギアは全開です。一瞬たりとも狙った獲物は逃がさない。ナダルの目は獰猛な獣の目となってジョコを追いつめ、ブレークしてしまいました。
しかしジョコもしぶとくあきらめません。第3ゲームではナダルのバックサイドを攻撃、ワイドに振ってオープンコートにウィナーを決めていきます。このパターンは効果的で何度もジョコは成功しています。ナダルはジョコの浮いた球をネットダッシュせず、ベースラインに留まっています。そしてやがてはジョコにウィナーをとられてブレークされ、これでスコアは元通りのイーヴンになってしまいました。もったいない!
第3セットの勝敗を決定したのは第4ゲーム(2-1)だと思います。ジョコのサーヴです。ジョコが勝ち急いでしまいました。ミスが目立ち15-40とブレークポイントを迎え、最後はワイルドなミスでブレークされてしまいます。これはジョコも記者会見で言っているように「もっと辛抱強くプレーするべきだった。」
ジョコのエラーは試合を通して47もおかしています。ナダルの24の2倍です。これはリスクを犯さなければ勝てないジョコのプレッシャーを大きさを物語っています。
第5ゲームではスコアは3-1、ナダルのリードとなってしまい、ジョコは心身ともに疲れが出てきました。ドロップショットも甘く、フットワークにもたつきが出てきました。今までウィナーが打てたショットも決まらなくなって、0-40でナダルに完敗。
ジョコのファイトもここまでが限界でした。第6ゲーム(4-1)でジョコは試合を投げ出しました。もうどう攻めてよいのか分からず、一か八かの一発勝負です。結果は当然のごとく、15-40, 0-40で第3セットは1-6の惨敗となってしまいました。
Federerはトップ4に勝てるか?
マレーの準決勝、ジョコの決勝を観てまず思ったのは、このハイレベルの試合を果たして今のフェデラーが出来るかどうか? ライン上にウィナーを打ち込まなければ勝てなくなってきている今日のテニスにあって、昔のスイス時計のような正確さは、今のフェデラーにはありません。クレーではサーヴがよくてもリターンされてしまうので、サーヴ&ヴォレーは武器とはなりませんし、ネットダッシュも相手の球を浮かせるだけのショット力がなければ、パッシングショットで逆襲されます。クレーでは球のスピンや速さが殺されてしまうため、マレーのペースを変えるテニスはそれほど効果はなく、今までマレーはクレーは不振でした。
エミリオ・サンチェスが言った「Correct Playerでなければクレーは勝てない」という意味がだんだん分かってきたような気がします。あらゆる技術を正確に身につけた、正確なテニスをする選手でなければならない。ナダル、ジョコ、マレーに勝つには、果たしてどれだけフェデラーが正確な選手でありうることができるでしょうか?
今後のNadalの課題:
ナダルは怪我をしないかぎりクレーは勝っていくと思いますが、しかし疲れが最大の敵となるでしょうね。今週はバルセロナ、来週はローマと3週間立て続けにトーナメントが続きます。それにマドリッドのマスターズも控え、フレンチまで十分に体を休めることができるかどうか?
当然フレンチは優勝するものとして、彼の最大ゴールはウィンブルドンとUS Openのグランドスラムの記録だと思います。速い芝とハードでは、浮いた球をネットで決めないと勝てません。ダヴィデンコが準決勝で見せた見事なネットダッシュです。疑問なのは、ナダルはなぜ相手の球が浮いているのに、もっとネットダッシュしてヴォレーで決めてしまわないのか? あれほどネットプレーはうまいのに。リスクは負いたくないためについ自分の居心地のよい場所(ベースライン)から打ってしまうのでしょうが、これでは速いサーフェスで勝つのはむずかしい。ジョコヴィッチは決勝では31ネットダッシュしています。ナダルはそれでも15回していますが、もっとできるチャンスはありました。後はサーヴのプレースメント。この二つが向上すればナダルのブランドスラム達成も夢でないと思っています。
(後記)
ナダルのトニーコーチは、「ナダルはこの試合はもっとちゃんとやれるはずだったのでちょっと自信を失っている。サーヴが弱すぎた。」という厳しいコメントを残しています。勝ったことは褒めてあげるが、試合の内容がもう一つといいたげなコーチ。
ナダルはクレーでは1セットも負けてはならない宿命にあるようで、いやはや彼のプレッシャーは想像を絶するものがありますね。
(追記:2007年のハンブルグでフェデラーに負けた試合について)
このハンブルグのマスターズは観戦しましたが、フェデラーも調子はよかったのですが、ナダルが疲れすぎていました。彼は以下のクレーのトーナメントをすべて優勝して休む暇がなく、メンタル的にも限界がきていたと思います。とてもナダルらしくないミスの多い試合で、ナダル自身疲れすぎたと認めていましたから。フェデラーの優勝にケチをつける気はありませんが、通常の状態であれば、フェデラーが勝てたかどうかわからないトーナメントでした。
2007年ナダル優勝の経歴
4月15日モンテカルロ・マスターズ
4月23日バルセロナ
5月7日ローマ・マスターズ
5月14日ハンブルグ・マスターズ