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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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スポーツ観戦にみる日本

信じられないことを平気でやるのが、ネットワークという怪物放送局。NBCはかたくなにフェデラーの試合にこだわり、ついに生放送をやらずに録画を流したのです。ちょっと考えられないことですが、ライヴで母国選手のロディックが戦っているというのに、NBCはもうすでに終わってしまっているフェデラーvsカーロヴィッチを放送しました。あの試合はサーヴィスゲームのつまらないゲームで、フェデラーの熱狂的なファンならまだしも、今日の試合のハイライトであるロディックvsヒューイット戦を全く無視するなんて! 

ロディックでは視聴率は稼げない。フェデラーナダルでなくては!」
 
多分テニスのわからぬプログラミングの担当者のアイデアなのでしょう。全くテニスファンをバカにした放送に激怒しながら、仕方なくストリーミングを探していると、でてきました。WOWOWの放送が出てきたのです。

という訳で以下の3試合を同時に観戦することにしました。
TV:アメリカ解説でフェデラーvsカーロヴィッチ戦 (録画)
WOWOW:日本語解説でロディックvsヒューイット戦(ライヴ)
BBC:イギリス解説でマレーvsフェレロ戦(ライヴ)

しかし画面は観れても音は3試合など同時に聞けるわけがなく、適当にオンにしたりオフにしたりしながら観戦していましたが、3カ国放送を観ていて面白いことに気づきました。アメリカとイギリスとの違いはほとんどなく、解説のスタイルも似ていますが、日本語解説は全く異質なのです。

アメリカとイギリスの解説は、マッケンロー、ナヴラティロヴァ、ヘンマン、ベッカーなどの往年の伝説的な選手が解説していますので、お国柄というより、彼らの経験に基づいた話が聞き所となります。つまり語り手の豊富な知識とパーソナリティで視聴者を惹き付けていくのです。試合の面白さを倍増するための解説なのですから、当時の話、選手のエピソード、作戦の分析などをたくみにブレンドしながら解説してくれます。冗談をとばしながら試合の邪魔にならないように、タイミングよくコメントが付け加えられます。マッケンローなどは脱線のエキスパートで、あっちこっちに話が飛びますが、それがかえってトーナメントを身近にしてくれるのです。

日本では解説者にGSや世界のトップで活躍した経験が欠けるため、どうしても感覚が私たちに近くなっていると感じました。つまりインサイダーではないので、立場が私たちと同じ観客になってしまっているのです。それは解説というよりも感想に近い感覚です。それに感嘆詞がやたらと多いことに気づきました。

「今のはすごいかったですね!」
「いや見事でした!」
「さすがです!」

傑作だったのは、ロディックのエースの度に、「入ったア!」の歓声。(誰がみても入ったのは分かります)

またヒューイットに対して、「今日はヒューイットはワーッといいませんね」(ワーってカモーンのこと?)

この前のロディックvsメルツァー戦でも面白い会話をやってました。

アナウンサー:ロディックのボールを判定するラインマンは大変でしょうね。
解説者:そうですね。ボールが速くてよくみえないでしょうね。(こんな当たり前のことは私でも言わない)

しかし、他の解説者は、別の試合で丁寧に作戦や技術を説明してくれていたように記憶していますので、一概にこのスタイルの実況放送ばかりとは言えないようですが、それにしても固い。ワイワイと言いたい放題で、ジョークをはさみながら、楽しませることに徹して編成されたテニス番組を見慣れている私にとっては、ちょっと息苦しいのです。

解説の話から外れますが、日本をよく知るあるアメリカ人から質問されたことがあります。

「野球などはものすごく楽しく応援団と一緒に観戦するのに、テニスの応援はなぜあんなにおとなしくなってしまうのか?」

私はこのように答えました。
「日本は組織社会ですので、組織されたものに乗っかってやればどんな応援だってできます。大声をあげることなんて平チャラです。でも他の誰もがやらなかったら、恥ずかしくてできない。つまり個人単位の任意行動はむずかしいです。」

面白いエピソードをご紹介しますね。もう4年ほど前の話ですが、ヤンキーズの観戦に来た日本の観光客グループの隣に座ったことがありました。びっくりしたのが全員がゆかた姿。子供も赤ちゃんも家族全員がまるで盆踊りのようにゆかた姿なのです。そしてアルファベットでM、A、T、S、U、Iと書いた団扇をそれぞれふりながら、黄色い声でま・つ・いと応援しています。周りもすざましい彼らの応援ぶりにあっけにとられていました。まさに「皆で一緒にやると怖くない!」

かと思うと毎年おとなしい日本人がたくさんUS Openにやってきます。特に昨年は錦織選手の出場に、日本人がどっと観戦に押しかけました。でも圭君がせっかく戦っているのに、皆シーンとしています。これはいかん!さっそく応援団長を買って出て、周りに座っていた観客を総動員して、Let’s go NISHIKORI! の音頭をとりました。そうするとどうでしょう。結構皆のってきてくれます。対フェレール戦で5セットまでもつれ込んだときは、もう絶叫にちかい必死の応援で、恥や外聞を書き捨てて盛り上がりました。誰かが音頭をとってくれれば、熱狂しちゃうこともできるのです。でも一人じゃできない。

「あの応援があったから勝てたんです。」嬉しいことを圭君が記者会見で言ってくれました。私もスポーツ観戦の醍醐味を圭君のおかげで味わうことができました。ありがとう!今年も圭君を精一杯応援しますよう!


話がいろいろ飛んでしまいましたが、今日のTwitterの一部をお届けします。

【Dog Fight】
乱戦模様の泥試合のことをDog Fightといいますが、レイトン犬とアンディー犬は最後まで諦めず、彼らが本当の犬だったら、血を流して息を絶えるまで戦うんでしょうね。5セットは今44で2犬どちらも譲らず。

【タッチは母親から】
マレーはスペインに行くまでは、母親のコーチのもとで女性テニス(ソフトなタッチ)を習得。これが彼の武器となっていることは明らかで、今日のパワーテニスへのアンチテーゼとして面白い。「勝利の陰に女あり」アンディーvsアンディーの勝敗は?ヒューイットの予想はAMの勝利

【避暑を選んだイギリス人?】
不思議なことに、フェデラーの試合は超満員だったセンターコートがマレーのときには3分の2くらいに減ってしまいました。考えられないことですが、イギリス人は熱くて蒸し暑いのに弱いのだそうで、とても2試合を続けてみてられないとか。それにしても意外に冷たい。

【マレー def フェレロ
第2セットの2度目のブレークで完全にモメンタムがマレーにシフト。そこから立ち上がれなかったフェレロにストレートで快勝したマレーは、「今日は昨日の屋根つきのコートのときと違って、サーフェスが速かったので助かったよ。サーヴがよく決まったからね。」

【敗者の言葉】
ハースに負けたジョコヴィッチ:ハースがもの凄くアグレッシヴにくるのは分かっていたけど、大切なときにステップアップして攻められなかった。固くなってしまったんだ。もしハースのサーヴがよければ、SFのフェデラー戦もいい線いけると思うよ。ハースは芝ではパーフェクトな選手だよ

ハース def ジョコヴィッチ】体のほとんどを故障させ、辛い長い期間テニスができなかったハース。特に2002年の肩はカムバックが危ぶまれるほどのケガだっただけに、ハースへの激励の応援は熱いものがありました。ハーレですでにジョコを破っているだけに自信はあったとか。31歳であっぱれ

【敗者の言葉】
フェデラーに負けたカーロヴィッチ:フェデラーのリターンは信じられないくらいすごかった。いくら僕が作戦を変えるとかして頑張ったとしても駄目だね。彼は誰よりもうまい。それだけのことなんだ。

フェデラー def カーロヴィッチ】
「彼はつまらない選手じゃない?」(パターンが同じカーロヴィッチをさして)「そんなことないよ。彼のヴォレーとの組み合わせのテニスは観戦するのはエキサイティングだよ。今日は実によい試合だった。」とフェデラーは3セットストレート勝ちで大満足。




投稿者 Tennisnakama  12:23 | コメント(22) | トラックバック(0)