2009年07月31日
マレーのちょっといい話
この一週間は、フェデラー、ナダル、ジョコヴィッチについて近況を報告してきましたので、今日は3位のアンディ・マレーのちょっとしたいい話です。一週間前の話になりますが、草トーの親玉のようなイギリスの全国地区大会に突然出現して、世間をあっと驚かしたエピソードをご紹介したいと思います。
現在はアンディ・マレーはイギリスを離れ、マイアミでトレーニングを開始しています。彼は家をマイアミに買っていますので、自宅から通えるマイアミ大学の施設を使ってトレーニングをしているのですが、US Openシリーズに向けての特訓です。マイアミは毎日30度を超す猛暑。本当にご苦労さまです。(私などマイアミと聞いただけで頭がクラクラしてきます。)
さて話を一週間前のイギリスにもどしましょう。
LTA(Lawn Tennis Association)ローンテニス協会はイギリスの日本テニス協会に似た全国組織で、テニスの興隆をはかって毎年いろんなトーナメントを企画しています。その一つにエーゴン・サマーカップというトーナメントがあります。これはイギリスの44地区の代表チームが競う大会で、めずらしいことにシングルスのないダブルス大会です。
7月20日から24日までの5日間、44のチームを7つのグループにわけ、ラウンドロビンで試合が行われました。アンディが現れたのは、グループ1に属する北スコットランドチームです。開催地はエセックスのイーストボーン。ロンドンから車で約2時間もかかるイギリスの南端の海岸都市です。
初日の20日に北スコットランド・チームはランカシャー・チームに0-9で大敗。このベーグルの惨敗にチームはショックから立ち上がれず、翌日もワーウィックシャイアーに3-6で敗退。最悪の事態を招いてしまいました。「あかん!もうこうなったらマレーしかおれへん!」と関西弁で言ったかどうか知りませんが、チームは駄目もとでマレー兄弟にSOSを発信。やっと兄のジェレミーに連絡がとれ、来てくれるかもしれないという答えが返ってきました。しかしチームは半信半疑。トーナメント第3日目を迎えます。
22日の朝11時。小さな車がデヴォンシャイアー公園に到着しました。窮屈な車の中からでてきたのは、ジェイミー、母のジュディー、そして何とアンディだったのです!まさか? 誰もアンディが出場してくれるなんて思いません。アンディは運転免許をとったばかりで、運転練習のために立ち寄ったにちがいない・・・でも本気で出る様子です。ウッソー!
もう会場は大変な騒ぎです。
さっそくアンディとジェイミーはチームのユニフォームを借りてウォームアップを始めました。マレー兄弟の突然の出現に、ど肝を抜かれた対戦チームのハードフォードシャイアーは「そんなアホな!ルール違反やでェ!」と慌てて抗議。しかしルールブックには、その地区の出身であれば誰がでてもよいというかなりいい加減なルールで違反はみつかりません。(右端がアンディ)
考えてもみてください。錦織選手がある日突然予告なしで、全国地区大会で島根代表で出場したとしたら? それはビックリ仰天で大変な騒ぎになりますね。でも実際に起こればステキなことですね。
マレー兄弟の母親は元テニス選手で、この北スコットランドチームで昔何度か戦ったことがあります。母親思いの兄弟は、故郷と母のために人肌を脱いだのです。なかなかいい話ですね。この気軽さが実にすばらしい。
アンディとジェイミーは、ペアを組むのはもったいないので、兄弟は別々のペアで出場。しかし兄弟の勝利にもかかわらず、北スコットランドはその日は4-5で負けてしまいました。結局北スコットランド・チームは19勝26敗と成績はふるいませんでしたが、このマレー兄弟の参加は、スコットランドだけでなく、イギリスのテニス界の賞賛を浴びたことは言うまでもありません。最近は自分の利益のためだけしか行動しないアスリートが多いなかで、このようなコミュニティーに貢献するマレー兄弟の行為は、とても新鮮で嬉しく思いました。
現在日本でリハビリ中の錦織選手ですが、今は日本にいて比較的時間に余裕があるようですので、ふだんは試合でいそがしくてできないようなことを気軽にやってくれれば最高です。例えばふらっとジュニアの試合に足を運ぶとか。彼にしては些細な行為でも、テニスを目指す子供たちに、計り知れない刺激と影響を与えることっていろいろあると思います。彼をアイドルとして敬愛している子供たちとの接触は、彼にとっても気分転換になるでしょうし、モチヴェーションにもなって一挙両得だと思うのですが。いかがでしょう。圭くん? 美容院でのイメチェンついでに行動の幅を一歩広げてみませんか?
現在はアンディ・マレーはイギリスを離れ、マイアミでトレーニングを開始しています。彼は家をマイアミに買っていますので、自宅から通えるマイアミ大学の施設を使ってトレーニングをしているのですが、US Openシリーズに向けての特訓です。マイアミは毎日30度を超す猛暑。本当にご苦労さまです。(私などマイアミと聞いただけで頭がクラクラしてきます。)
さて話を一週間前のイギリスにもどしましょう。
LTA(Lawn Tennis Association)ローンテニス協会はイギリスの日本テニス協会に似た全国組織で、テニスの興隆をはかって毎年いろんなトーナメントを企画しています。その一つにエーゴン・サマーカップというトーナメントがあります。これはイギリスの44地区の代表チームが競う大会で、めずらしいことにシングルスのないダブルス大会です。
7月20日から24日までの5日間、44のチームを7つのグループにわけ、ラウンドロビンで試合が行われました。アンディが現れたのは、グループ1に属する北スコットランドチームです。開催地はエセックスのイーストボーン。ロンドンから車で約2時間もかかるイギリスの南端の海岸都市です。
初日の20日に北スコットランド・チームはランカシャー・チームに0-9で大敗。このベーグルの惨敗にチームはショックから立ち上がれず、翌日もワーウィックシャイアーに3-6で敗退。最悪の事態を招いてしまいました。「あかん!もうこうなったらマレーしかおれへん!」と関西弁で言ったかどうか知りませんが、チームは駄目もとでマレー兄弟にSOSを発信。やっと兄のジェレミーに連絡がとれ、来てくれるかもしれないという答えが返ってきました。しかしチームは半信半疑。トーナメント第3日目を迎えます。
22日の朝11時。小さな車がデヴォンシャイアー公園に到着しました。窮屈な車の中からでてきたのは、ジェイミー、母のジュディー、そして何とアンディだったのです!まさか? 誰もアンディが出場してくれるなんて思いません。アンディは運転免許をとったばかりで、運転練習のために立ち寄ったにちがいない・・・でも本気で出る様子です。ウッソー!
もう会場は大変な騒ぎです。
さっそくアンディとジェイミーはチームのユニフォームを借りてウォームアップを始めました。マレー兄弟の突然の出現に、ど肝を抜かれた対戦チームのハードフォードシャイアーは「そんなアホな!ルール違反やでェ!」と慌てて抗議。しかしルールブックには、その地区の出身であれば誰がでてもよいというかなりいい加減なルールで違反はみつかりません。(右端がアンディ)
考えてもみてください。錦織選手がある日突然予告なしで、全国地区大会で島根代表で出場したとしたら? それはビックリ仰天で大変な騒ぎになりますね。でも実際に起こればステキなことですね。
マレー兄弟の母親は元テニス選手で、この北スコットランドチームで昔何度か戦ったことがあります。母親思いの兄弟は、故郷と母のために人肌を脱いだのです。なかなかいい話ですね。この気軽さが実にすばらしい。
アンディとジェイミーは、ペアを組むのはもったいないので、兄弟は別々のペアで出場。しかし兄弟の勝利にもかかわらず、北スコットランドはその日は4-5で負けてしまいました。結局北スコットランド・チームは19勝26敗と成績はふるいませんでしたが、このマレー兄弟の参加は、スコットランドだけでなく、イギリスのテニス界の賞賛を浴びたことは言うまでもありません。最近は自分の利益のためだけしか行動しないアスリートが多いなかで、このようなコミュニティーに貢献するマレー兄弟の行為は、とても新鮮で嬉しく思いました。
現在日本でリハビリ中の錦織選手ですが、今は日本にいて比較的時間に余裕があるようですので、ふだんは試合でいそがしくてできないようなことを気軽にやってくれれば最高です。例えばふらっとジュニアの試合に足を運ぶとか。彼にしては些細な行為でも、テニスを目指す子供たちに、計り知れない刺激と影響を与えることっていろいろあると思います。彼をアイドルとして敬愛している子供たちとの接触は、彼にとっても気分転換になるでしょうし、モチヴェーションにもなって一挙両得だと思うのですが。いかがでしょう。圭くん? 美容院でのイメチェンついでに行動の幅を一歩広げてみませんか?