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フットフォルトでセリーナが爆発

セリーナがまたちょっとドラマを展開してしまいましたね。ラインジャッジのフットフォルトのコールに怒りが爆発。Code Violationコード・ヴァイオレーションに触れること2回。デフォルトになって、クライスターズが勝利を得るという、誰にとっても(クライスターズ、セリーナ、そして観戦している世界のテニスファン)後味の悪い試合の結果となってしまいました。

Kim Clijsters def Serena Williams: 6-4, 7-5

杉山愛選手に贈るビデオの編集をやっていましたので、私はこの試合を全部観たわけではありませんでしたが、試合の経過は以下のようでした。

今日の試合はCode Violationを知るよい機会になりますので、一緒に説明をしていきたいと思います。

このコード・ヴァイオレーションというのは、スポーツマンにふさわしくない行為と認められた場合、コードに違反するものとしてペナルティーが課せられます。

コード・ヴァイオレーションには、アンパイアやラインジャッジをののしったり、Fxxkやその他のはしたない言葉をつかったり、サーヴに時間がかかりすぎたり、ラケットを投げつけたり、とかいろいろあります。

(1)最初のコード・ヴァイオレーションはウォーニングです。

今日のセリーナはイライラしてラケットをコートに投げつけていますので、ウォーニングを受けています。

(2)2度目のコード・ヴァイオレーションに対して、1ポイントを失います。

第2セット56でセリーナのサーヴです。スコアは1530でクライスターズがリードしています。1stサーヴをセリーナがフォルトして、2ndサーヴとなりました。この2ndサーヴを行ったときに、ラインジャッジが「フットフォルト!」と叫び、セリーナのスコアはマッチポイントの1540になってしまいました。

これでカッときたセリーナはラインジャッジに詰め寄って、言ってはいけないF言葉をつかってののしったのです。(内容は明らかにされていませんが)このセリーナの態度を見てチェアアンパイアはラインジャッジを呼び寄せ、セリーナが何を言ったのか尋ね、彼女の言った言葉がコード・ヴァイオレーションとなることを、セリーナに言い渡しました。そしてセリーナは2度目のコードヴァイオレーションを受けることになり、1ポイントをうしなって、スコアは57でクライスターズの勝ちになってしまったのです。

(3)3度目のコード・ヴァイオレーションを犯すと、今度は1ゲームを失います。ですから、セリーナがマッチポイントでなくても、もう一度ラインジャッジをののしったりすると、それで1ゲームを失ってセリーナの負けとなります。

(4)では4度目のコード・ヴァイオレーションをおかすとどうなるのでしょうか? これは程度問題でチェアアンパイアの判断に任せられ、1ゲームを失うか、デフォルトで負けを言い渡されるかのどちらかになります。

いずれにしても、このコード・ヴァイオレーションの解釈は、チェアアンパイアによってあいまいでよく問題になっています。特にサーヴは20秒以内に行わなければならないのに、ほとんどのアンパイアはウォーニングを言い渡していません。昔、ときどきナダルはウォーニングを受けていましたが。

今日のようなかたちでクライスターズが後味の悪い勝ちかたをしてしまったのは残念でした。この試合はフットフォルトなどがなくても、クライスターズが勝てた試合だった思いますので。

それにしても、セリーナのプッツンはすごかったですね。せっかくいい子のイメージアップに努力してきたセリーナも、あの逆上の仕方はまずかった。

ラインジャッジを罵倒したセリーナの態度の悪さは、誰でも批判することができますので、私はこの記事では書きませんが、この機会にフットフォルトについて考えてみたいと思います。

明らかにフットフォルトと判別できないコールは、 私はマッチポイントのような試合を決定するような重要なときには、十分な配慮がされるべきだと思います。

フットフォルトはホークアイもなく、チェアアンパイアも離れすぎていて、オーヴァールールができないので、誰も覆すことができないコールです。それだけにマッチポイントなどの勝敗が決定してしまう状況にあっては、コールされた選手に反論する余地を与えない、いってみれば死刑宣告のようなものだということをご理解いただきたいのです。

ラインコールについては、チェアアンパイアがオーヴァールールできるにも拘らず、ホークアイの開発することによって、選手が納得できる解決法が生み出されました。しかしフットフォルトには選手はまだ抗議ができません。

ラインコールの微妙さとその重みは、サッカーと比較にならないのは、テニスの場合は、ライン上を狙ったショットが多く、わずか数ミリの違いで勝敗が決定されてしまうからです。

疑わしいコールのときは「なんでこんなときに、フットフォルトのコールをするのか?」とよく解説者が疑問を投げているときがあります。

私の言いたいのは、何もマッチポイントのときは目をつぶってコールをするな、などと言っているのではありません。しかしフットフォルトとは、反論できない一方的なコールであるだけに、コールのあり方についてもっと議論されてよいと思っています。

今回のフットフォルトはcontroversial callとしてこれから議論を呼んでいくと思いますが、フットフォルトのコールが正しいのか誤りであるというのは、ジャッジを行った本人しか分からない現存のシステムは改善されるべきだと思います。ビデオのリプレーで判定できるようなシステムができるとベストだと思いますが。

それにしても、セリーナはどんな態度で記者会見にのぞむのか興味がありましたが、昔は口惜しくて泣き顔だったセリーナは、ニコニコ顔で登場。終始記者の質問にも笑顔で応答していました。メディアからすでにこの事件を面白半分にとりあげられ、叩かれているというのに、彼女の強気は半端じゃなかったです。

ラインジャッジをののしっているときのセリーナの形相と罵声はあまりにもすごくて、ラインジャッジの彼女は「殺される」と思ったのかもしれませんね。I will kill you!と言ったとか、言わなかったとか。セリーナは否定していますが、あの怒り方には殺気がただよっていました。確かに。


投稿者 Tennisnakama  16:46 | コメント(58) | トラックバック(0)