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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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日本テニス、今後の課題

「果たして、日本は世界に通用する選手を生み出すことができるだろうか?」

海外を拠点にする錦織選手の活躍で、新たに浮上してきたのがこのテーマ。この古くて新しい議題について、改めて皆さんと共に考えてみたいと思います。

日本では、体格のハンディや、国民性をもってテニスが論じられることがありますが、それ以前に論議されなければならない、根本的な問題があると思います。それは日本のおかれているテニスの環境です。世界に通用する選手を日本で育成するためには、「選手層の厚さ、レベルの高さ、競争の機会が絶対条件」になると思います。残念ながら今の日本はこの3条件に欠けています。世界の選手と切磋琢磨できる機会をコンスタントに持てない選手は、ランキング100位以内に入るのはむずかしいでしょう。その意味では、現在日本を拠点として活躍する添田選手(ランキング115位)のこれからの活躍が注目されます。

まず最初の問いは、世界に飛躍するためには、皆錦織選手のように、拠点を海外に移さなくてはならないのか? 
(残念ながら今の段階ではYes 。日本はエリート選手育成のための全国プログラム、選手の厚い層、サポートシステムが十分でない。)

では、短期的に海外に滞在して、いろんな大会に出ることに対しては?
( 一時的な効果はYes。長期的な効果としては あまり期待できず、No。) 

ジョン・イズナーやサム・クェリーのような新しい世代が、アメリカで育ってきているのは、デ杯でロディックやブレイクのような世界トップ10のヒッティングパートナーとして、練習を積むことができる層の厚さが背景にあります。(ロディックとブレイクは、共にサンプラスとアガシのデ杯チームで育ってきました)残念ながら日本は、先輩たちが世界のトップレベルのテニスを、後輩たちに教えられる状況にありません。

「ではどうすればよいのか?」

まず今日本に必要なのは、錦織選手のように才能ある選手が、若い時期にアジアをでて世界のテニスを学ぶこと。自分たちで育てられなければ、よそ様に育ててもらうのです。現在どれだけの日本の子供たちがテニス留学、もしくは海外でテニスのトレーニングをうけているのか分かりませんが、彼らの成功が今後の日本のテニスのカギを握っているといっても過言ではないと思います。

ジョコヴィチはドイツで、イヴァノヴィッチはスイスで、ヤンコヴィッチはアメリカでテニスの修行をしています。彼らは今やセルビアの国民のヒーローとなりました。彼らの成功で、テニスの設備がどんどん新しく建設され、充実したプログラムがつくられ、テニスがセルビアの国民スポーツになりつつあります。

日本はテニスの公共施設の点から言えばまだまだ後進国。子供たちが十分にテニスができる環境ではありません。発展国になるためには、政府、民間企業、そして私たちのような市民のテニスファンのサポートが不可欠です。その3者をひっぱてくれるのが、世界に活躍してくれる選手です。日本の未来のリーダーをまず育てあげるのが、早急な課題ではないかと思うのですがいかがでしょう?

後記:
この記事を書くきっかけは、先日takolinさんのコメントで、『伊藤龍馬の全ATP成績』の3連作について意見を求められたことから始まります。このシリーズのなかで、takolinさんは、伊藤選手(日本に拠点をおく選手)の過去の記録を追いながら、錦織選手(海外に拠点をおく選手)と比較することによって、「日本の選手が世界に羽ばたくことができるのか?」という、日本のテニス界が抱える深刻な問題に挑戦しています。力作ですので、ぜひご覧になってください。
(1)http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-27-3 
(2)http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-27-4 
(3)http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-28-1




投稿者 Tennisnakama  10:06 | コメント(6)| トラックバック(0)
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コメント
先日GAORAでロシア女子躍進の秘密というタイトルの番組をやってました。超要約すると、小さいときに基礎をつける。そのコーチはロシアにいる。外に出す。テニスだけに集中する(勉強などもほっぽらかし)。ロシアの男子より女子のほうが強い選手が多いのはロシアの男子と(より強い人たちと)練習できる環境があるから。強い回りと一緒にツアーし切磋琢磨するから。。。といった感じでした。
他の国の人はテニスだけに集中させることは難しいかもしれないけどこの国では可能。勉強だってツアーして回るのは机に座っているよりよっぽど良い勉強になるわってズベレワだっけ?が言ってました。
おそらくイギリスのTV局が作ったものだと思われますが、誰かがその中で「イギリスのやり方は間違っている。強くなってきた人だけをPICKUPしてそれを強化しようとしてもだめだ」といっていたのが印象的でした。半分寝ぼけ眼で見ていたので間違ってたらすいません。
投稿者 旦那in八丁堀 2008/06/01 13:23
あっ、スゴイ記事になっている。びっくり饅頭。
まだ、竜馬と錦織しかATPの全成績調べていないんですが、(実は添田のデータはもう調べてありますが)比較してみると本当に違いが分かるんですよね。特に思ったのは対戦相手のランキング平均でした。統計的にだけ見ては間違えるでしょうが、やはりランキングの上昇と対戦相手の平均ランキングには相関があるだろうと言うのが僕の仮説です。あと日本中心に回るとハードコート中心になるというサーフェスの問題があるとも思っています。
僕の仮説が日本のテニス会の隆盛にほんの少しでもつながる議論になってくれれば幸いです。
錦織の全成績も僕のブログの記事にしてありますんで、併読いただき比較していただけるとよろしいかとも思います。
http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-04-29-1
http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-01
http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-01-1
http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-02-1
http://takolin.blog.so-net.ne.jp/2008-05-08
投稿者 takolin 2008/06/01 16:04
近々、記事にしようと思っていますが、添田は01年から参戦してますが、01,02、03,04と4年間はほとんどFU中心、たまに出るCHもほとんどアジア。05年にアメリカのFU、中米のCH、06年も似た傾向が続きます。07年になるとようやくCH中心に、08年CHで3勝し100位以内が見えてきています。金銭の問題も大きく関係するでしょうが、5年間もFU中心というのはやはりかなり辛いんではないでしょうか?
この問題は議論というより、色々な意見が出て来ることが大事だと思っています。そもそも議論できない問題も多いでしょうから。
個人的にはもっと色々な選手を調べて見ることが僕の大事な役割かもとも思っています。
データ調べるのは結構力作業ですが面白いんでやってみようという人がいらっしゃれば助かります。
投稿者 takolin 2008/06/01 16:18
暇だったので今回全仏にジュニアで出ている子達を国別に見てみました。
Boysは31カ国の選手が64名枠に参加しており、一番多いのはやはり地元フランスで10名、イギリスとオーストラリアが5名、アメリカがそれに続いて4名といったところになります。
アジアからはタイから2名のほか中国、台湾、韓国、インドネシアそして日本からはロンギ君の1名。
Girlsは32カ国から出ていてやはりフランスがトップで10名ロシア6名ときてその次がルーマニアと日本の4名。(奈良が8シードのほか土居、山外、井上)
不思議に思ったのはスペインが男女ともゼロ、スイスが男ゼロ女1名しかいません。(見落としじゃないと思うけど)
投稿者 旦那in八丁堀 2008/06/01 16:37
分析細かいですね。
あのー個人的にはスポーツバーのノリで発言したいので大雑把な意見も大目に見て欲しいです。
伊藤竜馬選手は今期すでにフューチャーズ2勝してましたよね?
早くグランプリの予選に果敢にチャレンジして欲しいなあと思ってたんですが。
ツアーのレベルに早く慣れた方がいんじゃないかなあって。
松岡さんがそうでしたから。
投稿者 ダン 2008/06/01 20:04
ジュニアトーナメントへの参加ですが、ナダルやウィリアムズ姉妹はジュニアには出ませんでしたよね。確かどこかで読んだ記憶があるのですが、ジュニアに出ないで、フューチャーズからチャレンジしていく子供が多くなったとか。多分スペインなどもジュニアサーキットを重要視していないので、そういう結果になったのでは?

投稿者 maria 2008/06/01 21:32
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