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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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燃え尽きないためには

ウィンブルドンの女子決勝戦が決まりました。またあのウィリアムズ姉妹か! 確かにこういうネガティヴな反応もありますね。

もし、あの華奢で健気な(ウィンブルドンの賞金をすべて故郷と中国テニス協会に寄付すると宣言)ジェンジーが勝ったとしたら、北京オリンピックを前に世界にセンセーションを起こしたかもしれません。でも私はウィリアムズ姉妹の決勝戦は、テニス選手のバーンアウトについて考えるよい機会を与えてくれたと思っています。

ジュスティーン・エナンの突然の引退表明で、新たに問題になったのが、バーンアウトの問題です。燃え尽き症候群。この不名誉なパイオニアはビヨン・ボルグ。11のグランドスラムのタイトルを持つ彼は、24才のときにすでに試合に興味をなくし、26才で突如引退して世界を驚かせました。当時はバーンアウトなどの病名もなく、人々は理解に苦しむばかり。しかし、その後、アガシ、カプリアティ、ヒンギスなど、幼児のときからテニスの天才教育を強いられ、テニスしか知らない人生をおくってきた選手たちに共通する現象が見られるようになりました。 

「テニスに興味を失った」「他のことをやってみたい」

人間の貴重な成長過程をすべてテニスに注いできたのですから、それに対する弊害が出てきて当然だと思います。シャラポヴァやジョコヴィッチは若いときから、一家を背負って働き続けています。これは異常です。

では、フェデラーナダルはどうでしょうか? 彼らは裕福な家庭に育っていて、未来に選択の余地がありました。フェデラーがテニスのプロになりたいと言ったとき、父親は反対したくらいですから、テニスをしなくてもよかった環境にあります。サフィンは今だに、「サッカーをやりたかったのにやらせてもらえなかった」という思いが尾を引いています。ナダルは、テニスばかりやる危険性をよくわきまえていて、時間に余裕ができると、好きなフィッシングに出かけて、精神のバランスをとるように心がけています。

ではウィリアムズ姉妹の場合はどうでしょうか。コーチでもある父親のリチャードは賢明な選択を娘たちにさせました。試合の出場を最低限にとどめ、あとは趣味や仕事に精を出すことを勧めました。テニスが本職なのか、ファンッションが本職なのか、役者が本職なのか? 最初は「テニスを真面目にやれ」と非難されたこともありましたが、この余裕のある生活が、彼女たちに息の長い選手生活を可能にしているは明らか。反対にシャラポヴァ、イヴァノヴィッチ、ヤンコヴィッチには肉体だけではなく、精神的な「疲れ」が敗退の原因だとみる見方が主流を占めています。「いつ引退するか分からないわ」とうそぶきながら、着実にタイトルを獲得していく28才のヴィーナスと26才のセリーナからは、バーンアウトという言葉は存在しないのかもしれません。

今日の選手の最大の課題は肉体と精神管理です。錦織選手は13才からアメリカに単身留学をして5年になります。家族のいない毎日の生活は寂しくて辛いときもあるでしょう。テニスに明け暮れ、結果を出していかなければならない厳しい生活のなかで、圭くんがバーンアウトになってしまわないよう、プロジェクト45チームは、細心の配慮を行ってほしいと思います。

投稿者 Tennisnakama  14:43 | コメント(4)| トラックバック(0)
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コメント
「バーンアウト」ですか・・・

圭くんについては今は腹筋リタイアという肉体的になことだけに注目し精神管理のことは正直忘れていました。「13歳からの単身米国テニス留学そして18歳にしてそのその才能が大きく開花しつつある圭くんの現状」を考えると・・・確かに懸念材料はある意味揃っていますね。

ただ彼の場合、幼少時に父親から与えられたジュニア用のテニスラケットに歓喜し自宅前のコンクリート壁での壁打ちに熱中したことから彼のテニス人生はスタートしています。先日のNHKでの彼の特集で紹介されていましたがジュニア時代にコーチに怪我による休養を勧められた時も「テニスとテレビゲームが無い生活は考えられない」といった意味の発言をしていました。基本的に「テニスが純粋に大好きだ」というところが救いです。誰かに押し付けられたものではなく「好きだからやりたい」といことが今でも根本にあるようです。

彼がオリンピック出場を選択したことは「バーンアウト懸念」の意味からも良いのかもしれません。テニスだけでなくあらゆるスポーツ関係者との交友関係が広がることは彼の人生の大きな財産になるように思います。テニスの世界だけの井の中の蛙にならず彼の愛される人柄によって素晴らしい出会いが待っているように思います。

むしろ彼は「怪我などによる休養を我慢できない」のではないか・・・そちらの方の懸念が私には大きいです。休養すべき時は文字通り休養してほしいのですが・・・彼にそれができるでしょうか。。。。。
投稿者 hiroshi 2008/07/04 15:48
自殺をしそうになったあの伝説のボルグも、18才のときはテニスのない生活は考えられなかったほどテニスに熱中しています。多くの選手のパターンを見ていますと、25才くらいまでは情熱で突っ走っていますが、その後が問題。サンプラスのドキュメンタリーを観ましたが、彼が一皮、二皮むけて偉大な選手に成長していく過程をみて感動しました。スランプを乗り越え、悲劇を乗り越え(コーチの死)チャンピオンとして成長していく過程で、バーンアウトしてしまいそうな時期が何度もありました。これを超えていける選手と超えられなかった選手の違いはどこからくるのか、大変興味があります。強い精神力に、明確なヴィジョンがチャンピオンには必要です。ただ単に世界一になるとかではなく、「歴史に残る偉大な選手になる」という強い願望です。私はこの願望がバーンアウトから救ってくれる唯一の処方箋だと思っています。個人的な欲望、例えばタイトルをいくつ取るとか、そういった浅薄なゴールでは真のチャンピオンにはなれないと思います。そういった意味でも、いろんな人生経験をしてほしいですね。そうしてチャンピオンにふさわしい偉大な人間に成長していってほしいと願って止みません。
投稿者 Tennisnakama 2008/07/04 16:32
フェデラーはユニセフの大使としてUSオープンの直前にインタビューに答えていました。
あの大事な時期にととても驚いた物です。
人間としても素晴らしいフェデラーのようなチャンピオンがいてテニス界は恵まれています。
圭君や若い選手にとって素晴らしい目標があるので誇りを持って進んでいけると思います。
ナダルにとってのフィッシングのように圭君も自分を解放できる何かがあると良いですね。
以前圭君の特集番組(NHKのではなくてBirthdayだと思いますが)で厳しい練習やトレーニングを済ませて自分の部屋に帰った圭君が通信制の高校のお勉強をしているところが映りました。 圭君、以前はお勉強はあまり好きではなかったけど 今は日本語を書くのが楽しい
と言ってました。その時そうやって精神のバランスを取ってるのかな!?とふと思いました。
あのサンプラスでさえ何度かバーンアウトしそうになった事も納得できるほどテニス界は
過酷です。どんなスポーツも過酷でしょうが、ほかのプロスポーツと比べてもテニスは精神的にも肉体的にもとてもタフさが要求される様に思えます。
圭君にとってご両親の存在もとてもリラックスできるありがたい存在のようです。
いつもは離れているからご両親へ、故郷へ、祖国への思いも強い物があるのでしょうね。
オリンピックで日本を代表するテニス選手としてたくさんの素晴らしい経験を積んで来て下さいね、圭君。
投稿者 Akemi 2008/07/04 21:02
Tennisnakamaさんは錦織圭選手が偉大なるChampionとして成功するために、そして素晴らしい人生を過ごすために・・・という彼の人生全体を見据えた極めて長い観点からみたコメントなんですね。「情熱で突っ走っていける」25歳以降のことまで今から配慮してプロジェクトチームには臨んでほしいということだと思いますし私も同感です。

多くの方が予感されているでしょうが、「彼にはテニスというスポーツを変えてしまうほどのパワーがあるのではないか」と私は考えています。ベースラインから放つノータッチエース、AirK、ショートクロスに落とすフォアのドロップショット、ここというタイミングでのサーブ&ボレー・・・。「次はどんなショットを魅せてくれるだろうか」とワクワクします。おそらく彼の中でも「次はどのショットを選択しようか・・・」と瞬間的な判断を楽しんでいるような余裕ある感覚を観ていて感じるのです。

「全く新しい『魅せるプロテニス』を表現できるプレイヤーが日本人の中から生まれようとしている」・・・と強く感じます。「今までにない新たなテニスの世界を作り上げる」・・・もしかしたらこのことを彼は自身のGOALとしてすでに見据えているように感じています。そのためにも怪我をしない基本的な体力を作り上げることを何よりも優先してほしいと思います。怪我さえ克服できれば彼は偉大なるChampionとして成功できる世界でも一握りの選手どと思います。
投稿者 hiroshi 2008/07/04 23:21
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