2008年08月01日
フェデラーのメンタルバトル
今日はフェデラーとイヴォ・カルロヴィッチとの試合をライヴでTV観戦し、その後も録画でまた観戦しました。
「どうしてフェデラーが負けてしまったのか?」
「立て続けに負け続けるフェデラーに何が起こり始めているのか?」
コメントにも書きましたが、フェデラーの調子がわるいのではなく、メンタルで試合に勝てなくなってきていることが原因かと思われます。自分が最後まで闘い抜いていける自信と信念に欠けてきているのは明らかです。そして対戦相手も昔のようにフェデラーへの畏れはもっておりません。3セット目のタイブレークでみせた、確信のもてないショットが、今のフェデラーを象徴しているような気がします。
また今日の試合は、2メートル8センチもある大男、Dr. Ivo(カルロヴィッチのニックネーム)が対戦相手であることを忘れてはならないと思います。
もうフェデラーは終わった、というのは早すぎます。
Dr. Ivoのファーストサーヴは、爆弾が空から落ちてくるようなものですから誰にもとれない。彼の過去の試合は、ほとんどがタイブレークで終わっています。今年の37試合のうち、タイブレークは37回です。毎試合タイブレークをやっているようなものですから、タイブレークで破れば勝ってしまうというパターンです。
今日の試合を観て感じたのは、カルロヴィッチのヴォレーがすばらしく、全盛期のフェデラーであっても、今日のようなサーヴ&ヴォレーをされるとブレークするのがむずかしかったと思います。フェデラーはフットワークも上出来で、フォーカスもよく、決して調子が悪くはなかったのですから。
第1セットはタイブレークの6-6までお互いがサーヴをキープするという緊張した試合の展開でした。フェデラーのフォアハンドのアウトでミニブレークされ6-7、そしてカルロヴィッチのサーヴィスエースで6-8となり、第1セットをフェデラーが失ってしまいました。
カルロヴィッチとの試合がtrickyと言われるのは、このたったワンポイントの差がゲームの勝敗を決めてしまうことが多いからです。
第2セットでは、フェデラーのミスショットもありましたが、2-2でカルロヴィッチがめずらしくヴォレーのミスを犯し、続いてFHのエラーを犯してフェデラーがブレーク。カルロヴィッチに疲れが見え始めましたが、相変わらずサーヴィスゲームをお互いがキープして、6-4で第2セットをフェデラーが勝ち取りました。
おかしかったのは、9ゲーム目のときです。がんがんサーヴを打ちまくるカルロヴィッチがノコノコとアンパイアのところまでボールを持ってきて、このボールはデッドボールだといってペコペコにへこんだボールを渡しました。多分フェデラーファンなのでしょうが、カルロヴィッチに大声で叫びました。
「あんまりそんなに強く打たないでくれよ!」
会場が笑いに包まれて、今まで引きつった顔をしていたカルロヴィッチにも笑顔が浮かびました。これってまずい。カルロヴィッチをリラックスさせてしまったみたい。
第3セットに入りました。解説者は、あのブラッド・ギルバート(彼からまたメールをもらいました。機会があれば紹介します)とダレン・カヒールです。二人ともかつてはアガシのコーチだっただけあって、息もあって楽しい解説なのですが、すっかり野球の話に夢中になってテニスを忘れるという一幕もありました。これは、まさかフェデラーが負けるとは思っていなかったので、気楽に観戦していたのだと思います。しつこいようですが、フェデラーの調子は決して悪くはなかったのです。
フェデラーのサーヴもカルロヴィッチに負けずにすばらしく、6ゲームから11ゲームまで両選手とも、40-Loveでサーヴィスゲームをとるというサーヴィス合戦を展開しました。予想通りタイブレークになりました。
ここでフェデラーに不運な出来事が・・・タイブレークのスコアは0-1でフェデラーのサーヴです。ラリーが続きましたが、フェデラーのボールがテープに当たってアウトとなり、ミニブレークされてしまいました。そしてまたフェデラーのFHのミスで1-4の大ピンチです。フェデラーは固くなっています。あれほどタイブレークに強かった彼も余裕がありません。しかしフェデラーはミニブレークしなおして3-5まで挽回しました。しかしマッチポイントが迫っています。ミルカは両手で顔を隠してしまいました。とても観ていられないのでしょう。ナダルに世界一の座を譲ってしまう可能性がいよいよ現実化してきました。
カルロヴィッチがエースをとって3-6のマッチポイントです。
しかしカルロヴィッチの第1サーヴが入りません。彼のFHが大きくはずれてフェデラーがミニブレークしました。4-6でフェデラーのサーヴです。まだマッチポイントが続きます。再びカルロヴィッチがアウトボールで、フェデラーが5-6まで挽回しました。しかし今度はカルロヴィッチのサーヴです。彼がエースをとると試合終了です。
カルロヴィッチはフェデラーファンの願いが通じたのか、第1サーヴはロング。第2サーヴに入ります。これなら勝てるかもしれない!
しかし、カルロヴィッチは大胆にも、強烈なスピンをかけたキックサーヴをフェデラーのバックのサイドラインぎりぎりに叩き落としました。あれほど高く跳ね上がるサーヴはみたことがありません。タッチエースで試合終了。スコアは6-7(6), 6-4, 6-7(5)で惜しくもカルロヴィッチに敗れてしまいました。
Mental battle 今日の試合はこの言葉に尽きるようです。フェデラーはこれからこのやっかいなメンタルの問題をどうやって解決していくのでしょうか?
「マカオで呑気に遊んでいる場合じゃない」という気がするんですが・・・
「どうしてフェデラーが負けてしまったのか?」
「立て続けに負け続けるフェデラーに何が起こり始めているのか?」
コメントにも書きましたが、フェデラーの調子がわるいのではなく、メンタルで試合に勝てなくなってきていることが原因かと思われます。自分が最後まで闘い抜いていける自信と信念に欠けてきているのは明らかです。そして対戦相手も昔のようにフェデラーへの畏れはもっておりません。3セット目のタイブレークでみせた、確信のもてないショットが、今のフェデラーを象徴しているような気がします。
また今日の試合は、2メートル8センチもある大男、Dr. Ivo(カルロヴィッチのニックネーム)が対戦相手であることを忘れてはならないと思います。
もうフェデラーは終わった、というのは早すぎます。
Dr. Ivoのファーストサーヴは、爆弾が空から落ちてくるようなものですから誰にもとれない。彼の過去の試合は、ほとんどがタイブレークで終わっています。今年の37試合のうち、タイブレークは37回です。毎試合タイブレークをやっているようなものですから、タイブレークで破れば勝ってしまうというパターンです。
今日の試合を観て感じたのは、カルロヴィッチのヴォレーがすばらしく、全盛期のフェデラーであっても、今日のようなサーヴ&ヴォレーをされるとブレークするのがむずかしかったと思います。フェデラーはフットワークも上出来で、フォーカスもよく、決して調子が悪くはなかったのですから。
第1セットはタイブレークの6-6までお互いがサーヴをキープするという緊張した試合の展開でした。フェデラーのフォアハンドのアウトでミニブレークされ6-7、そしてカルロヴィッチのサーヴィスエースで6-8となり、第1セットをフェデラーが失ってしまいました。
カルロヴィッチとの試合がtrickyと言われるのは、このたったワンポイントの差がゲームの勝敗を決めてしまうことが多いからです。
第2セットでは、フェデラーのミスショットもありましたが、2-2でカルロヴィッチがめずらしくヴォレーのミスを犯し、続いてFHのエラーを犯してフェデラーがブレーク。カルロヴィッチに疲れが見え始めましたが、相変わらずサーヴィスゲームをお互いがキープして、6-4で第2セットをフェデラーが勝ち取りました。
おかしかったのは、9ゲーム目のときです。がんがんサーヴを打ちまくるカルロヴィッチがノコノコとアンパイアのところまでボールを持ってきて、このボールはデッドボールだといってペコペコにへこんだボールを渡しました。多分フェデラーファンなのでしょうが、カルロヴィッチに大声で叫びました。
「あんまりそんなに強く打たないでくれよ!」
会場が笑いに包まれて、今まで引きつった顔をしていたカルロヴィッチにも笑顔が浮かびました。これってまずい。カルロヴィッチをリラックスさせてしまったみたい。
第3セットに入りました。解説者は、あのブラッド・ギルバート(彼からまたメールをもらいました。機会があれば紹介します)とダレン・カヒールです。二人ともかつてはアガシのコーチだっただけあって、息もあって楽しい解説なのですが、すっかり野球の話に夢中になってテニスを忘れるという一幕もありました。これは、まさかフェデラーが負けるとは思っていなかったので、気楽に観戦していたのだと思います。しつこいようですが、フェデラーの調子は決して悪くはなかったのです。
フェデラーのサーヴもカルロヴィッチに負けずにすばらしく、6ゲームから11ゲームまで両選手とも、40-Loveでサーヴィスゲームをとるというサーヴィス合戦を展開しました。予想通りタイブレークになりました。
ここでフェデラーに不運な出来事が・・・タイブレークのスコアは0-1でフェデラーのサーヴです。ラリーが続きましたが、フェデラーのボールがテープに当たってアウトとなり、ミニブレークされてしまいました。そしてまたフェデラーのFHのミスで1-4の大ピンチです。フェデラーは固くなっています。あれほどタイブレークに強かった彼も余裕がありません。しかしフェデラーはミニブレークしなおして3-5まで挽回しました。しかしマッチポイントが迫っています。ミルカは両手で顔を隠してしまいました。とても観ていられないのでしょう。ナダルに世界一の座を譲ってしまう可能性がいよいよ現実化してきました。
カルロヴィッチがエースをとって3-6のマッチポイントです。
しかしカルロヴィッチの第1サーヴが入りません。彼のFHが大きくはずれてフェデラーがミニブレークしました。4-6でフェデラーのサーヴです。まだマッチポイントが続きます。再びカルロヴィッチがアウトボールで、フェデラーが5-6まで挽回しました。しかし今度はカルロヴィッチのサーヴです。彼がエースをとると試合終了です。
カルロヴィッチはフェデラーファンの願いが通じたのか、第1サーヴはロング。第2サーヴに入ります。これなら勝てるかもしれない!
しかし、カルロヴィッチは大胆にも、強烈なスピンをかけたキックサーヴをフェデラーのバックのサイドラインぎりぎりに叩き落としました。あれほど高く跳ね上がるサーヴはみたことがありません。タッチエースで試合終了。スコアは6-7(6), 6-4, 6-7(5)で惜しくもカルロヴィッチに敗れてしまいました。
Mental battle 今日の試合はこの言葉に尽きるようです。フェデラーはこれからこのやっかいなメンタルの問題をどうやって解決していくのでしょうか?
「マカオで呑気に遊んでいる場合じゃない」という気がするんですが・・・
投稿者 Tennisnakama 14:31 | コメント(12)| トラックバック(0)
敗戦を知ってから映像をみたもので 調子を見る余裕もなく、ついハァ~とため息が・・・。
オーラは減ってますよね、今。あと自信ですよね。素人の私でも理解できます。なんか試合中にうつむいている(目線が下がる)事が多いような気がするのですが・・気のせいでしょうか。
ナダルのコメントを見るとNo.1が近づいてきたら それを維持する難しさも感じているように思います。そりゃそうだ。いままではフェデラーを目標にすればよかったわけですもん。
やっぱり フェデラーにコーチをつけませんか!アガシでしょう!(勝手ながら) アガシ! もれなくグラフもついてきます。2人なら今のフェデラーの気持ちが理解できると思うけどな~・・・。
フェデラーみたいな人にコーチできる人 誰かいますか? お勧めな人募集します!(勝手ながら)
でも本来なら ここまでの成績、
AUS.OPENで B4、 F.OPEN準優勝、 Wimbldon 準優勝 の成績は
立派 なんですよね。
AMS が 未勝利 と、まだ今年の勝星が 2大会 に対して
ナダルは GS 2勝、AMS 3勝、その他 2勝 ですから
フェデラー としても 未だに NO,1 で 居るのは ツライ のではないかと・・・。
これで US,OPEN は No,2 シード でしょうから
気楽 (!? なワケないか・・) に のびのび と 闘って、
以前の 力の抜けた多彩なショット を 思い出して欲しいですね。
ナダル の GS No,1シード という プレッシャーを どう 捌くか にも
注目 したいですね。
ふぅ、 ここまで カキコ するのにも しんどかった・・・やはり・・ショックです・・・。
ガク━━( ̄- ̄)━━(-_-)━━(_ _)━━━リ
彼はオリンピックでスイスの国旗の旗手に選ばれましたね。世界のエリート選手に出会って、彼らのエネルギーを吸収して、自分のためではなく国のために戦うことは、今の彼にとって必要なことだと思います。歴史に残る偉大な人間になるには、個人の目標だけでは限界があるからです。これは私の勘ですが、オリンピックがフェデラーの転機になるような気がします。
ナダル選手のファンとしても複雑な状況です。150週にも渡ってNo.2であり続けたナダル選手がNo.1になって、色んなバランスが崩れないものか。おそらく本人も想像以上に早いタイミングで王座奪回のチャンスが巡ってきたのではと思いますし、今まではP.Compose さんが仰るとおり上を見ていれば良かったわけですからね。ましてやその「上」は歴史的な絶対王者ですから尚更です。
何にしても、このままフェードアウトしてしまうような選手ではないと思います。時間はかかるかもしれませんが、いい意味で吹っ切れた強いフェデラー選手の復活を待ちたいですね。
私は特にフェデラーのファンではないけれど(すみません・・・)彼には本当に頑張ってもらいたい。
誰にだってスランプはあると思うけれど、そこで立ち直れるかどうか・・・頑張りどころだと思います。
オリンピックでは他のスポーツのトップアスリートたちがいるので、刺激を受けるはず。
ハンマー投げの室伏広治という選手、ご存知です?
たまたま見ていたサイトにその人の言葉があって、これだな!と。
http://number.goo.ne.jp/others/708/20080724-4-1.html
今のナダルは逆に「勝つ」ということにはそんなにこだわっていない気がします。
自分らしい試合をする・・・これかな!?
フェデラーのこれからに期待します。
ここの所、練習は流してるんですよね?がむしゃらになってやんないとカムバック難しいんじゃないかな。ナダルはまだまだ成長してるんだし。ナダルに勝てなくなるような気がします。
錦織選手のオリンピックでの試合が見たいけど・・・放送あるんだろうか。
メダルの可能性は極めて低いので放送なし!というのが放送局の判断かな。
ダンさん、フェデラーはトロントの前は、ドバイに帰って猛練習をしたのです。それで足が少し痛くなったようです。多分そのためにウォームアップはナダルのように激しくはやらなかったのかもしれません。でも現在は足の調子もよくなって問題はないそうですが。
ナダルが7-6, 6-1で快勝しました。第2セットはナダルらしいダイナミックなテニスで観客は大喜び。オーラがすでにナンバーワンで、自信にあふれてました。フェデラーは余程気合いを入れないと・・・明日のジョコヴィッチとの試合はハイライトです。
とても不思議なことを発見しました!
日本では、同じ日に放送されるのに、なぜ以下のように違うのですか?
08月02日(土)深夜 1:58深夜4:00 (マレーvsカルロヴィッチ)
08月03日(日) 7:5810:00 (ナダルvsジョコヴィッチ)
実際は放送は3日なのですが、深夜とつけば前日の2日になるのですか???
Gaoraのサイトに出ています。
http://www.gaora.co.jp/tennis/atp/index.html#masters
時間の件は不思議ですね。GAORAは午前5時で切っているようです。
http://www.gaora.co.jp/program/weekly.html
おそらく番組を放送していない日がある時間帯といえば深夜もしくは早朝なのでそこで区切るようにしてるんでしょうけど、どちらがわかりやすいのか・・・
こんにちは。皆さんのコメントを拝見しつつ考えました。
やはりジミー・コナーズの生き方(負ける日もあるさ!)という方針変更がいいような気がしてます。これ以上完璧なテニスを求めることは、フェデラーにとって消耗し理想(芸術的で完璧なテニス)とのギャップに苦しむ日々になってしまうことが心配です。長く続けて欲しい・・・
私は今年のウィンブルドンだけでも完璧なテニスを何回も見ることができました。完璧なテニスなんて今まで見たことなかったですから。
*アガシがコーチ、いいですね もれなくグラフがついてくる、最高です。