tennis365.net テニス365ブログ 新着記事を読む ]    [ テニス365 ホームショッピングニュースログイン ]

Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

Tennisnakama 
最近の記事
さようなら!
12/30 21:24
伝説のパトリック・ラ…
12/28 01:07
伝説のパトリック・ラ…
12/27 01:46
チーズフォンデュをビ…
12/26 08:02
伝説のパトリック・ラ…
12/25 00:16
最新フェデラー・ファ…
12/23 11:27
セントラルパークの雪…
12/22 23:42
エナンがWCでシドニ…
12/21 23:54
ドローの仕組み
12/21 03:10
タイガーvsピューマ…
12/19 01:46
フェデラーもちょっと…
12/16 22:45
フェデラーのスイスで…
12/15 11:28
サフィンが語るサフィ…
12/11 11:37
サフィン「僕は奇跡だ…
12/10 10:21
さよならサフィン
12/08 01:45
カテゴリ別アーカイブ
このブログサービスは「テニス365 テニスブログ」で運営しています。テニス365会員なら無料でご利用・作成いただけます。






アメリカが愕然!シカゴが最下位

リオデジャネイロに2016年の開催地が決まりましたね。初めての南アメリカの開催地。遅すぎるくらいの感がありますが、ブラジルは2016年までには経済大国(世界5位)に成長すると予想されるだけに、リオの決定はしかるべき結果だったと思います。

NY時間の正午頃に2016年のオリンピック開催地が発表されるというので、昨日はCNNをつけっぱなしにしてシカゴ、東京、マドリッド、リオデジャネイロの現地サテライト放送と共に開票の経過を興味深く見ておりました。

オリンピック関係者の間では、最終ラウンドはリオとシカゴの対決、しかもタイトなレースと見られていただけに、シカゴが最下位となり第1ラウンドで消えてしまったことに、アメリカは大きなショックを受けています。

オバマ大統領とファーストレイディーまでが、エアーフォース1でコペンハーゲンに駆けつけるという努力をもっても、この惨憺たる結果でしたので、オバマの人気も地に落ちたなど、共和党派は「それみたことか!」といわんばかり。でもこれはいくらなんでもかわいそうです。オバマはコペンハーゲンに飛んで行けば、余計な事をするからだと叩かれる。飛ばなければ協力しないと叩かれる。リーダーとは何をしても叩かれるのですから、私は彼が故郷のため、アメリカのためにコペンに飛んだことは正しかったと思います。

しかしIOCの投票はsecret voteとも呼ばれ、いろんな噂がついてまわります。もっとも悪名高いのは、1980年冬期オリンピック開催地のレイク・プラシッド。IOCメンバーに現金や大学奨学金の確約などの賄賂行為で票を買収したことが明らかになりました。今回の選挙では、アメリカは約50億円を投資してキャンペーンを展開してきましたし、シカゴが最下位で落ちたということがどうしても信じられないというのが正直なアメリカの反応といってよいでしょう。

2016年の開催地決定投票は以下のように行われました。

投票日: 2009年10月2日
投票地: コペンハーゲン
立候補市: リオデジャネイロ、シカゴ、マドリッド、東京
IOCメンバー:106名
プレゼンテーションの順番:各立候補市は45分のプレゼンを行い、15分の質疑応答。
シカゴ(8時50分)、東京(10時30分)、リオ(12時10分)、マドリッド(2時50分)
投票時刻:コペンハーゲン時間午後5時10分5時40分
開票結果発表:午後6時半7時
選出方法:ラウンドごとに一候補市を除去していく。第3ラウンドで決定する。

このような方法で最終的に開催地が決定されるわけですが、今回の投票結果は以下となりました。

第1ラウンド: シカゴがOut/94名が投票(IOCのプレジデントと立候補国のメンバーは投票できない)
マドリッド(28)、リオ(26)、東京(22)、シカゴ(18)

第2ラウンド:東京が Out/95名が投票
リオ(46)、マドリッド(29)、東京(20)

第3最終ラウンド:マドリッドが Out/98名が投票
リオ(66)、マドリッド(32)

この投票結果をみてみると、リオが第1ラウンドではマドリッドに負けているのに、第3ラウンドでは圧倒的な支持を受けています。これらの投票の動きから、一体何が起こったのか? そのミステリーを解いてみるのも面白いですね。

いろんなアメリカのメディアの分析を読んで、私なりに最も可能性のありそうなセオリーを選んでみました。ここから以降は分析の遊びですのでそのつもりで読んでいただきたいと思います。それが不快な方はここでストップしてください。

東京
中国のすぐ後ということでアジアの2度連続の可能性は少なく、最弱候補とみなされていた東京がなぜシカゴを上まわったのか? 第1ラウンドの22票はアジアの団結票。このアジアの票は有力候補と見なされていたシカゴを第1ラウンドで落とし、リオを最終戦までもっていく目的もあった。

Senior Australian IOC member Kevan Gosper surmised that Asian voters may have banded together for Tokyo in the first round, at Chicago’s expense. “I’m shocked,” Gosper said. “The whole thing doesn’t make sense other than there has been a stupid bloc vote.”

http://www.vexnews.com/news/6585/bribes-ioc-corruption-rears-its-ugly-head-as-chicago-shunned-and-rio-parties/

マドリッド
2004 (アテネ) , 2006 (チューリン) , 2012 (ロンドン) , 2014 (ロシア) のヨーロッパの夏期冬期開催が続くにもかかわらず、スペインに票が集まったのは? 前IOCプレジデントでスペイン人のフアン・アントニオ・サマランチは89歳。「私はもうすぐこの世から去っていく身です。(だから最後のお願いを聞いてください)」予想されたことだが、彼への同情した票がかなりあったことは確か。

シカゴ
強力な立候補と見なされた一方、過去2年間にわたるIOCとUSOCのトラブル(放送権など金銭的な問題)がIOCのメンバーの中で、アンチ・アメリカのムードを生んでいた。新しく就任したUSOCのプレジデントのもとで、アメリカチームが交渉に慣れていなかったことも大きな原因。この第1ラウンドはアメリカに対するリヴェンジとみる見方がある。またシカゴの市民の半分が開催に興味がない/反対とスタンスでまとまりに欠けた点もマイナスに働いた。

リオデジャネイロ
「南アメリカに最初の開催地を」というスローガンは理屈をこした心情に訴えるものがあった。犯罪や財政問題(リオは水泳の世界大会を財政困難のためにキャンセルしたばかりとか)の山積する問題があるにもかかわらず、開催地としては魅力に溢れ、「私も行ってみたい」と夢を売るに十分だった。

あるジャーナリストが言っていましたが、マドリッド、東京、シカゴはHOWを強調、リオはWHYを強調した。これが勝利の原因だったと。

これは納得できる分析でした。どのようにしてオリンピックを開催するかではなくて、なぜリオにとってオリンピックが必要なのか? なぜ世界にとってリオが必要なのか?を訴えたというのです。

カーニヴァルの街リオ。すでに国中がサンバで明け方までパーティーを開いてお祝いをしました。これから南アメリカのブームが来ることは確か。南アといえばUS Openで優勝したアルジェンチンのデルポトロがいます。彼は7年後の2016年には2728歳。フェデラーの年ですね。彼がアルジェンチンに金メダルをもたらせば、サンバではなくてタンゴとステーキ、そして彼の好きなチーズケーキでお祝いです。

お祭りの好きなブラジル人は「2016年までお祭りだあ!」と、気勢をあげています。途中で息切れされると困りますが、でも楽しそう! 私も行こう! 2016年にむけてこれからサンバのレッスンだあ!

(追記)
リオの戦略についてはほとんど書いておりませんが、賄賂、キックバックが横行するお国柄では当然いろんな手段が使われたであろうと勘ぐる人たちも多いと思います。しかしアメリカのメディアは、今のところ具体的な買収行為については、私が知る限りどこも触れておりません。

勝利の大きな原因として、熟練したIOCのメンバーであるCarlos Nuzman のリーダーシップのもとに、リオのコミッティーの秘書Carlos Osorio、Luiz Inacio Lula da Silva大統領の三人四脚の積極的なアピール活動が成果を生んだとみるのが、勝利の主な原因ではないかと言われています。

Reference:
http://www.huffingtonpost.com/2009/09/27/2016-olympics-vote-schedu_n_301308.html

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/02/AR2009100203743_2.html?sid=ST2009100204362

http://www.reuters.com/article/olympicsNews/idUSL343109420091003


投稿者 Tennisnakama  23:43 | コメント(0)| トラックバック(0)
トラックバック
こちらの記事へのトラックバックは下のURLをコピーして行ってください。
コメント
この記事へのコメントはありません。