2009年10月26日
フェデラーの600試合の特典とは?
今日はマスターズシリーズについてなぞなぞです。上海マスターズを欠場してしまったフェデラーとマリーですが、「フェデラーに与えられて、マリーには与えられないものはなんでしょうか?」
答えは全額のボーナスです。「フェデラーは全額のボーナスが与えられますが、マリーは半額しか与えられないのです。」ではどうしてこのような差がつくのでしょうか?ここでマスターズのボーナスについて説明したいと思います。
ATPでは今年からルールの全面的改善を行いましたが、その一つにマスターズのボーナスシステムがあります。トップ30選手には8つのマスターズに出場する義務がありますが、このボーナスは皆勤賞のようなもので、全部出場した選手に与えられる報酬システムです。しかし1回欠場すればボーナス金は半額され、2回以上欠場すればボーナス無しとなります。(マスターズは全部で9つありますが、モンテカルロは出場義務が免除されています。)
もし11月30日までランキングが変化がなく、全員が最後のマスターズのパリに出場した場合、トップ10の選手のボーナスは以下のようになります。
1位 $2,000,000 フェデラー(全額)
2位 $1,000,000 ナダル(全額)
3位 $625,000 ジョコヴィッチ(全額)
4位 $500,000 マリー(上海欠場で半額の$250,000)
5位 $400,000 デルポトロ(シンシナティ欠場で半額の$200,000)
6位 $325,000 ダヴィデンコ(インディアンウェルズとマイアミの欠場でボーナス無し)
7位 $275,000 ロディック(ローマ欠場で半額の$137,500)
8位 $225,000 ツォンガ(全額)
9位 $200,000 べルダスコ(全額)
10位 $175,000 ソダーリング(カナダ欠場で半額の$87,500)
フェデラーは2億円のボーナスです。すごいですね。本当なら上海をスキップしていますので、半額となり1億円を失っているところですが、全額の2億円のボーナスを受ける資格があるのです。その理由は600試合の条件をフェデラーが満たしているからです。
600試合の特典とは?
マスターズにはベテラン選手に与えられる3つの特典があります。以下の3条件のうち、どれか一つを満たせば、マスターズを1回欠場しても全額のボーナスがもらえるのです。
マスターズのボーナス・ルールとは?
(1)600以上の試合に出場していること(フェデラーは今までに829試合に出ています)
(2)12年以上選手活動を続けていること(フェデラーはまだ11年)
(3)31歳以上であること(フェデラーは28歳)
高くついたマリーの手首
残念ながら若いマリーは上記の3条件のどれも満たしませんので、1回マスターズを欠場するとボーナスが半額となります。今週4位に落ちてしまったマリーはこのままだと、ボーナス5000万円の半額2500万円となります。もしマリーに怪我がなければ・・・と仮定すると、上海も出場して3位のランキングもキープすることができたでしょうし、そうなるとボーナスは3位の全額となり、マリーはこの左手首の故障で約3700万円をもらい損なったことになります。
ナダルは膝や腹筋の故障がありましたが、マスターズは今のところすべて出場していますので、このまま順調にいけば、2位の1億円が入ってきます。
さてここで心配になってくるのは、600試合の特典をフェデラーが今後どのように生かして行くのか? つまり1回スキップしてもよいということになると、フェデラーは将来マスターズをスキップする可能性があります。
2009年のマスターズシリーズのスケジュールは以下の通りです
GSオーストラリアン・オープン 1月19日
インディアンウェルズ 3月12日
マイアミ 3月25日
モンテカルロ 4月12日(出場義務無し)
ローマ 4月27日
マドリッド 5月11日
GSフレンチ・オープン 5月24日
GSウィンブルドン 6月22日
モントリオール/トロント 8月8日
シンシナティ 8月16日
GSUS オープン 8月31日
上海 10月11日
パリ 11月8日
フェデラーが上海がスキップをする可能性が高い理由を書いてみました。tennisnakamaの分析ですので軽く読み流してください。
(1)GSの準備の必要なし
マスターズはGSの準備として重要な役割を果たしますが、US オープンも終わってしまった上海では、来年の全豪までGSはありません。
(2)ディフェンドするポイント無し
もし今年活躍して多くのポイントを得てしまっていると、そのポイントを来年は失ってしまいますので、来年は上海でポイント稼ぎをしなくてはなりません。しかしフェデラーの場合はポイント0ですのでそのプレッシャーはありません。
(3)怪我が多すぎる上海
4つのグランドスラムが終わってしまった10月、11月のトーナメントは、選手にとっては肉体を酷使する辛いシーズン最後の2ヶ月となります。事実今年の上海はすでに9人が試合中にリタイアしてしまうという残酷な結果となってしまいました。
(4)遠すぎる上海
アジアは遠く、過酷な時差と闘わねばなりません。しかも風俗習慣も違った異国では、赤ちゃんを連れた滞在は大きなチャレンジとなります。
(5)長い休暇がとれる
もしフェデラーがアジアをスキップすると、9月のデ杯の後11月のバーゼルまで1ヶ月余の休養がとれることになります。この時期に休養をとることは、フェデラーにとって健康な体を維持していくカギとなります。
という訳で上海をスキップする可能性が高いのですが、こうなると日本もスキップされてしまい、アジアのフェデラーファンにとっては辛い冬時代を迎えることになります。しかしフェデラーは毎年アジアを無視することはできないでしょうから、いつかは来てくれると思いますが、それにしてもベテランのトップ選手にとっては、アジアはますます遠い存在になってしまいそうです。
(注)この記事では1ドル=100円で換算しています
ATPのルールはATPのホームページに掲載されています。
http://www.atpworldtour.com/
答えは全額のボーナスです。「フェデラーは全額のボーナスが与えられますが、マリーは半額しか与えられないのです。」ではどうしてこのような差がつくのでしょうか?ここでマスターズのボーナスについて説明したいと思います。
ATPでは今年からルールの全面的改善を行いましたが、その一つにマスターズのボーナスシステムがあります。トップ30選手には8つのマスターズに出場する義務がありますが、このボーナスは皆勤賞のようなもので、全部出場した選手に与えられる報酬システムです。しかし1回欠場すればボーナス金は半額され、2回以上欠場すればボーナス無しとなります。(マスターズは全部で9つありますが、モンテカルロは出場義務が免除されています。)
もし11月30日までランキングが変化がなく、全員が最後のマスターズのパリに出場した場合、トップ10の選手のボーナスは以下のようになります。
1位 $2,000,000 フェデラー(全額)
2位 $1,000,000 ナダル(全額)
3位 $625,000 ジョコヴィッチ(全額)
4位 $500,000 マリー(上海欠場で半額の$250,000)
5位 $400,000 デルポトロ(シンシナティ欠場で半額の$200,000)
6位 $325,000 ダヴィデンコ(インディアンウェルズとマイアミの欠場でボーナス無し)
7位 $275,000 ロディック(ローマ欠場で半額の$137,500)
8位 $225,000 ツォンガ(全額)
9位 $200,000 べルダスコ(全額)
10位 $175,000 ソダーリング(カナダ欠場で半額の$87,500)
フェデラーは2億円のボーナスです。すごいですね。本当なら上海をスキップしていますので、半額となり1億円を失っているところですが、全額の2億円のボーナスを受ける資格があるのです。その理由は600試合の条件をフェデラーが満たしているからです。
600試合の特典とは?
マスターズにはベテラン選手に与えられる3つの特典があります。以下の3条件のうち、どれか一つを満たせば、マスターズを1回欠場しても全額のボーナスがもらえるのです。
マスターズのボーナス・ルールとは?
(1)600以上の試合に出場していること(フェデラーは今までに829試合に出ています)
(2)12年以上選手活動を続けていること(フェデラーはまだ11年)
(3)31歳以上であること(フェデラーは28歳)
高くついたマリーの手首
残念ながら若いマリーは上記の3条件のどれも満たしませんので、1回マスターズを欠場するとボーナスが半額となります。今週4位に落ちてしまったマリーはこのままだと、ボーナス5000万円の半額2500万円となります。もしマリーに怪我がなければ・・・と仮定すると、上海も出場して3位のランキングもキープすることができたでしょうし、そうなるとボーナスは3位の全額となり、マリーはこの左手首の故障で約3700万円をもらい損なったことになります。
ナダルは膝や腹筋の故障がありましたが、マスターズは今のところすべて出場していますので、このまま順調にいけば、2位の1億円が入ってきます。
さてここで心配になってくるのは、600試合の特典をフェデラーが今後どのように生かして行くのか? つまり1回スキップしてもよいということになると、フェデラーは将来マスターズをスキップする可能性があります。
2009年のマスターズシリーズのスケジュールは以下の通りです
GSオーストラリアン・オープン 1月19日
インディアンウェルズ 3月12日
マイアミ 3月25日
モンテカルロ 4月12日(出場義務無し)
ローマ 4月27日
マドリッド 5月11日
GSフレンチ・オープン 5月24日
GSウィンブルドン 6月22日
モントリオール/トロント 8月8日
シンシナティ 8月16日
GSUS オープン 8月31日
上海 10月11日
パリ 11月8日
フェデラーが上海がスキップをする可能性が高い理由を書いてみました。tennisnakamaの分析ですので軽く読み流してください。
(1)GSの準備の必要なし
マスターズはGSの準備として重要な役割を果たしますが、US オープンも終わってしまった上海では、来年の全豪までGSはありません。
(2)ディフェンドするポイント無し
もし今年活躍して多くのポイントを得てしまっていると、そのポイントを来年は失ってしまいますので、来年は上海でポイント稼ぎをしなくてはなりません。しかしフェデラーの場合はポイント0ですのでそのプレッシャーはありません。
(3)怪我が多すぎる上海
4つのグランドスラムが終わってしまった10月、11月のトーナメントは、選手にとっては肉体を酷使する辛いシーズン最後の2ヶ月となります。事実今年の上海はすでに9人が試合中にリタイアしてしまうという残酷な結果となってしまいました。
(4)遠すぎる上海
アジアは遠く、過酷な時差と闘わねばなりません。しかも風俗習慣も違った異国では、赤ちゃんを連れた滞在は大きなチャレンジとなります。
(5)長い休暇がとれる
もしフェデラーがアジアをスキップすると、9月のデ杯の後11月のバーゼルまで1ヶ月余の休養がとれることになります。この時期に休養をとることは、フェデラーにとって健康な体を維持していくカギとなります。
という訳で上海をスキップする可能性が高いのですが、こうなると日本もスキップされてしまい、アジアのフェデラーファンにとっては辛い冬時代を迎えることになります。しかしフェデラーは毎年アジアを無視することはできないでしょうから、いつかは来てくれると思いますが、それにしてもベテランのトップ選手にとっては、アジアはますます遠い存在になってしまいそうです。
(注)この記事では1ドル=100円で換算しています
ATPのルールはATPのホームページに掲載されています。
http://www.atpworldtour.com/
投稿者 Tennisnakama 03:40 | コメント(0)| トラックバック(0)
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