2008年10月15日
グルビスが強い!
(最後の*が更新したあたらしいサブジェクトです)
グルビスは残念ながら、6-7, 6-3, 3-6のスコアでナダルに負けてしまいましたが、第1セットはタイブレークまで迫り、第2セットはナダルに勝ったグルビス選手について感想を述べてみたいと思います。
アーネスツ・グルビスはランキング54位の20才になったばかりの190cmのラトヴィア青年です。小さいときはジョコヴィッチと同じドイツのテニスアカデミーでトレーニングを受けています。ジョコヴィッチがグルビスのことを、「とても上手い選手だけれどエラーが多い」といっていたのを覚えています。つまりエラーが少なくなれば恐ろしい選手になる!そんな予感をさせる今日のグルビスの試合でした。
大きなへッドフォンをつけてコートの入り口まできたナダルはやっとヘッドフォンを取り外しました。面持ちは真剣そのもの。対照的なのが対戦相手の20才のグルビスです。ナダルより2才若いだけですが、何かまだ高校生のような初々しいところがあって、コートに入る準備の仕方が丸で違いました。ナダルはリングにのぼるボクサーのようです。ジャブのフットワークを開始しました。頭の中は100%リング場つまりコートです。反面グルビスはあのソフトなマスクで飄々として、あまり緊張感が感じられません。(これは案外手強いかも。私の直感でした。)
ナダルはいつも初戦に一番緊張するようで、なかなか調子がでないようです。彼のショットがサーヴィスライン近くに短く落ちることが多く、今日も危険信号です。調子のよいときはベースライン近くに深く打つ事ができますが、固くなるとラケットの面をかすっていくような感じで回転ばかりかかった短いショットになるのです。やっと第1セットをタイブレークでナダルは勝ち取りましたが、ナダルがもがいているような感じです。
グルビスはよくナダルの弱点を研究して攻めてきました。第2セットは以下の作戦でナダルを6-3で倒してしまったのです。
(1)ナダルがドロップショットに弱いのは知られています。何度もドロップショットでナダルをネットにおびき寄せ、甘いボールを打たせて叩きました。ドロップショットはそれだけで成功する場合もありますが、相手に甘い球を打たせるという目的もあります。グルビスはそれをフルに活用しました。
(2)ナダルの足下を狙う。これはグルビスの得意の技で、ベースライン近くのナダルの足下をめがて打ちます。ボディーに球がくるだけでなく、足下近くにくるのでどうしても球をすくってしまい球を上げてしまいます。
(3)ナダルがクロスを好きなことを逆手にとって、グルビスはバックハンドのdown-the-lineで何度もウィナーをとりました。ナダルはグルビスもきっとクロスに返してくると予期していただけに、ナダルのバックハンド側のサイドラインぎりぎりに打ち込まれたdown-the-lineの球には意表をつかれた形でした。このようにバックハンドの down-the-lineは相手が左利きであろうと、右利きであろうとウィナーになることが多くグルビすの強力な武器なのです。
(4)グルビスのサーヴは高さあり、スピードあり、深さあり、そして角度があるベスト10に入るほどすばらしいサーヴです。ナダルはリターンするのが精一杯で、ブレークする余裕がありませんでした。
しかし第3セットになると、やはり経験の差が出始めます。グルビスにエラーが目立ち始め、4ゲーム目で0-40でゲームをブレークされるなど、荒さが出てきました。ナダルは2セット目の直ぐ後に、右側の腰に異常を訴えトレーナーを呼びました。この腰痛は試合中に起こったものだと思いますが、痛そうに顔をしかめて、痛み止めも2錠口の中に入れました。このままナダルは落ちていくのでは?第3セットはこのような最悪のコンディションで行われましたが、エラーのすくないディフェンスでナダルは生き残りました。さすがチャンピオンです。グルビスは勝ち急ぎ、自爆して3-6で勝利を手放してしまったのです。
ナダルは記者会見でグルビスのことを以下のように語っています。
「この試合はすべてむずかしかった。彼はすごくアグレッシヴに攻めてきて、リズムを与えてくれなかった。彼のボールはものすごく速くて間に合わないんだ。セカンドサーヴもすごく速くて難しかったよ。」
グルビスのテニスには錦織に似た魅力があります。テニスが柔らかいのです。つまりいろんな状況に適応でき、タッチがソフトです。もちろん彼のフォアハンドはミサイル弾のような爆発力をもっていますが、さまざまなショットがこなせる柔軟なテニスが印象的でした。彼は将来、デルポの強敵、ネクストジェネレーションのリーダーになれると確信しました。
*ボレテリ氏から昨日さっそく#2の回答をいただいていますが、翻訳する時間がありません。やっぱり予想した通り、棄権とリタイアについてはやんわりとかわされましたので、今回の#2は別に急いでお知らせすることもないと判断して、数日中に更新することにしました。そのかわりにボレテリ氏から私にオファーがあったりとか、別のところでいそがしくなってきました。この件については、彼の回答と同時にお話します。どうしようかと迷ってる段階ですので。
グルビスは残念ながら、6-7, 6-3, 3-6のスコアでナダルに負けてしまいましたが、第1セットはタイブレークまで迫り、第2セットはナダルに勝ったグルビス選手について感想を述べてみたいと思います。
〓tennisnakama.com
アーネスツ・グルビスはランキング54位の20才になったばかりの190cmのラトヴィア青年です。小さいときはジョコヴィッチと同じドイツのテニスアカデミーでトレーニングを受けています。ジョコヴィッチがグルビスのことを、「とても上手い選手だけれどエラーが多い」といっていたのを覚えています。つまりエラーが少なくなれば恐ろしい選手になる!そんな予感をさせる今日のグルビスの試合でした。
大きなへッドフォンをつけてコートの入り口まできたナダルはやっとヘッドフォンを取り外しました。面持ちは真剣そのもの。対照的なのが対戦相手の20才のグルビスです。ナダルより2才若いだけですが、何かまだ高校生のような初々しいところがあって、コートに入る準備の仕方が丸で違いました。ナダルはリングにのぼるボクサーのようです。ジャブのフットワークを開始しました。頭の中は100%リング場つまりコートです。反面グルビスはあのソフトなマスクで飄々として、あまり緊張感が感じられません。(これは案外手強いかも。私の直感でした。)
ナダルはいつも初戦に一番緊張するようで、なかなか調子がでないようです。彼のショットがサーヴィスライン近くに短く落ちることが多く、今日も危険信号です。調子のよいときはベースライン近くに深く打つ事ができますが、固くなるとラケットの面をかすっていくような感じで回転ばかりかかった短いショットになるのです。やっと第1セットをタイブレークでナダルは勝ち取りましたが、ナダルがもがいているような感じです。
グルビスはよくナダルの弱点を研究して攻めてきました。第2セットは以下の作戦でナダルを6-3で倒してしまったのです。
(1)ナダルがドロップショットに弱いのは知られています。何度もドロップショットでナダルをネットにおびき寄せ、甘いボールを打たせて叩きました。ドロップショットはそれだけで成功する場合もありますが、相手に甘い球を打たせるという目的もあります。グルビスはそれをフルに活用しました。
(2)ナダルの足下を狙う。これはグルビスの得意の技で、ベースライン近くのナダルの足下をめがて打ちます。ボディーに球がくるだけでなく、足下近くにくるのでどうしても球をすくってしまい球を上げてしまいます。
(3)ナダルがクロスを好きなことを逆手にとって、グルビスはバックハンドのdown-the-lineで何度もウィナーをとりました。ナダルはグルビスもきっとクロスに返してくると予期していただけに、ナダルのバックハンド側のサイドラインぎりぎりに打ち込まれたdown-the-lineの球には意表をつかれた形でした。このようにバックハンドの down-the-lineは相手が左利きであろうと、右利きであろうとウィナーになることが多くグルビすの強力な武器なのです。
(4)グルビスのサーヴは高さあり、スピードあり、深さあり、そして角度があるベスト10に入るほどすばらしいサーヴです。ナダルはリターンするのが精一杯で、ブレークする余裕がありませんでした。
しかし第3セットになると、やはり経験の差が出始めます。グルビスにエラーが目立ち始め、4ゲーム目で0-40でゲームをブレークされるなど、荒さが出てきました。ナダルは2セット目の直ぐ後に、右側の腰に異常を訴えトレーナーを呼びました。この腰痛は試合中に起こったものだと思いますが、痛そうに顔をしかめて、痛み止めも2錠口の中に入れました。このままナダルは落ちていくのでは?第3セットはこのような最悪のコンディションで行われましたが、エラーのすくないディフェンスでナダルは生き残りました。さすがチャンピオンです。グルビスは勝ち急ぎ、自爆して3-6で勝利を手放してしまったのです。
ナダルは記者会見でグルビスのことを以下のように語っています。
「この試合はすべてむずかしかった。彼はすごくアグレッシヴに攻めてきて、リズムを与えてくれなかった。彼のボールはものすごく速くて間に合わないんだ。セカンドサーヴもすごく速くて難しかったよ。」
グルビスのテニスには錦織に似た魅力があります。テニスが柔らかいのです。つまりいろんな状況に適応でき、タッチがソフトです。もちろん彼のフォアハンドはミサイル弾のような爆発力をもっていますが、さまざまなショットがこなせる柔軟なテニスが印象的でした。彼は将来、デルポの強敵、ネクストジェネレーションのリーダーになれると確信しました。
*ボレテリ氏から昨日さっそく#2の回答をいただいていますが、翻訳する時間がありません。やっぱり予想した通り、棄権とリタイアについてはやんわりとかわされましたので、今回の#2は別に急いでお知らせすることもないと判断して、数日中に更新することにしました。そのかわりにボレテリ氏から私にオファーがあったりとか、別のところでいそがしくなってきました。この件については、彼の回答と同時にお話します。どうしようかと迷ってる段階ですので。
2008年10月15日
記事は絶えず更新中です
原則には、一日一本の記事でいきたいと思いますが、大会中は途中でいろいろ情報が入ってきたり、最終試合を待たないで情報をアップしたいときのことを考えて、同じ記事のなかで常時更新し続けることにしました。新しい記事がアップされるまでは、記事は更新中の状態とご理解ください。*を付けて増やしていきますので。(この長たらしい文を要約します。「一度読まれても、また更新している場合があるので、*をチェックしてください」)
*「ボレテリ氏に聞く!」第2弾
今日、ニック・ボレテリ氏に第2弾の質問を送りました。あのWO(棄権)・リタイアの問題について聞いてみました。あのというのは、これを書くとインジャリータイムアウトと同じく、読者から異常な反応が返ってくるからです。つまりあのおそろしいテーマという意味です。
錦織選手のストックホルムでの準決勝で、あまりにもあっさり負けてしまったので、それほど膝が悪かったのなら(本人はそういう風には言っておりませんでしたが)あのときは、WO(Walk Over 試合が始まる前に試合を放棄する)もしくはリタイア(試合中に試合を放棄する)をするべきだったという声が日本でかなり上がりました。
私はWOやリタイアは原則には簡単にとるべきものではなく、特に準決勝や決勝の場合は相手にケチをつけることになるので、できる範囲で試合をつづけるべきだという意見は変わりません。(もちろん怪我の状況が悪化する場合はのぞきますが)ですから今回は貧しい結果に終わっても錦織選手は立派だったと思っています。
ここでごちゃごちゃと私たち第3者が、しかも錦織のコンディションをよく知らない私たちが、想像であれこれ言ってみても仕方がありませんので、思い切ってボレテリ氏に聞いてみようと思ったのです。もちろんプロジェクト45のヘッドですから、錦織批判はやらないでしょう。しかしこの WO とリタイアについて彼の個人的な意見を聞いてみたいと思い質問してみたした。楽しみにしてください。
*マリーが対戦相手のボレリのリタイアで勝利
今日のマリーはヘアカットにヒゲもそり、清潔な好青年というイメージでコートに現れました。イギリス全国民の悲願(イギリスを代表するクリーンボーイのイメージであってほしい)についに折れてしまいましたね。でも男前が上がって私も新しいマリーは好感がもてます。(写真)
スコアは6-0, 2-1でしたが、このスコアでは圧倒的な強さのように見えるマリーですが、手堅くあくまでも彼のおはこのディフェンステニスでした。ベースラインからかなり下がってしまい、自分からゲームをリードしていくということもなく、確実にボールをコートに入れての勝利ですが、はっきりいってこれでは次のシリッチ戦は大丈夫かな?という気がします。シリッチは198cmの長身で爆発力のあるフォアハンドで攻めてきますので、いくら足の速いマリーでも間に合いません。ヒゲを剃ったら攻撃闘志まで剃っちゃった?では困ります。
でもマリーは記者会見で「ファーストサーヴもよく入り、ミスもあまりなかったし、あれ以上よいテニスはできないと思うくらいだ。」(これには驚きました。ボレリは肩の調子が悪かったのでラッキーでした。シリッチ戦はもっと攻撃しないとヤバイですよ、アンディ君)
*水曜日の試合スケジュールが発表になりました。
http://www.mutuamad-mastersmadrid.com//pdf/ordendejuego/2008/15/OP.pdf
日本時間では、およそ次の通りです。(昼寝をしてがんばりましょう!)
ナルバンディアン vs バーディッチ: 水曜夜7時30分
ジョコヴィッチ vs ハネスク: 夜9時30分頃
ロペス vs フェレール: 夜中12時頃
フェデラー vs ステパネック:木曜午前3時
ロディック vs ロブレド: 木曜午前5時頃
*「ボレテリ氏に聞く!」第2弾
今日、ニック・ボレテリ氏に第2弾の質問を送りました。あのWO(棄権)・リタイアの問題について聞いてみました。あのというのは、これを書くとインジャリータイムアウトと同じく、読者から異常な反応が返ってくるからです。つまりあのおそろしいテーマという意味です。
錦織選手のストックホルムでの準決勝で、あまりにもあっさり負けてしまったので、それほど膝が悪かったのなら(本人はそういう風には言っておりませんでしたが)あのときは、WO(Walk Over 試合が始まる前に試合を放棄する)もしくはリタイア(試合中に試合を放棄する)をするべきだったという声が日本でかなり上がりました。
私はWOやリタイアは原則には簡単にとるべきものではなく、特に準決勝や決勝の場合は相手にケチをつけることになるので、できる範囲で試合をつづけるべきだという意見は変わりません。(もちろん怪我の状況が悪化する場合はのぞきますが)ですから今回は貧しい結果に終わっても錦織選手は立派だったと思っています。
ここでごちゃごちゃと私たち第3者が、しかも錦織のコンディションをよく知らない私たちが、想像であれこれ言ってみても仕方がありませんので、思い切ってボレテリ氏に聞いてみようと思ったのです。もちろんプロジェクト45のヘッドですから、錦織批判はやらないでしょう。しかしこの WO とリタイアについて彼の個人的な意見を聞いてみたいと思い質問してみたした。楽しみにしてください。
*マリーが対戦相手のボレリのリタイアで勝利
今日のマリーはヘアカットにヒゲもそり、清潔な好青年というイメージでコートに現れました。イギリス全国民の悲願(イギリスを代表するクリーンボーイのイメージであってほしい)についに折れてしまいましたね。でも男前が上がって私も新しいマリーは好感がもてます。(写真)
スコアは6-0, 2-1でしたが、このスコアでは圧倒的な強さのように見えるマリーですが、手堅くあくまでも彼のおはこのディフェンステニスでした。ベースラインからかなり下がってしまい、自分からゲームをリードしていくということもなく、確実にボールをコートに入れての勝利ですが、はっきりいってこれでは次のシリッチ戦は大丈夫かな?という気がします。シリッチは198cmの長身で爆発力のあるフォアハンドで攻めてきますので、いくら足の速いマリーでも間に合いません。ヒゲを剃ったら攻撃闘志まで剃っちゃった?では困ります。
でもマリーは記者会見で「ファーストサーヴもよく入り、ミスもあまりなかったし、あれ以上よいテニスはできないと思うくらいだ。」(これには驚きました。ボレリは肩の調子が悪かったのでラッキーでした。シリッチ戦はもっと攻撃しないとヤバイですよ、アンディ君)
*水曜日の試合スケジュールが発表になりました。
http://www.mutuamad-mastersmadrid.com//pdf/ordendejuego/2008/15/OP.pdf
日本時間では、およそ次の通りです。(昼寝をしてがんばりましょう!)
ナルバンディアン vs バーディッチ: 水曜夜7時30分
ジョコヴィッチ vs ハネスク: 夜9時30分頃
ロペス vs フェレール: 夜中12時頃
フェデラー vs ステパネック:木曜午前3時
ロディック vs ロブレド: 木曜午前5時頃