2009年02月03日
スイス男は繊細
昨日のスーパーボウルのパーティで、ドイツ人の男性が苦笑して言いました。
「今日ドイツに住む母に電話していたら、オーストラリアンオープンの決勝戦の話になってね。彼女はフェデラーが泣き出したので恥ずかしかったといってたよ。」
バーゼル出身のフェデラーはドイツ語圏のスイス人。同じドイツ語系の男が泣くなんて、と彼女は思ったのでしょう。「男の涙は許せない」とてもドイツっぽくて笑ってしまいました。その話を側で聞いていたバーゼル出身の夫は、ニタッとしながらそのドイツの男性に言ったのです。
「スイス男は繊細なんだよ」
もちろん彼は同郷のフェデラーをかばって言ったのですが、この言葉にはいろんなニュアンスが含まれています。スイスとドイツ国民の感情は微妙なのです。ワールドカップでも、ドイツにだけは負けたくない国民感情。決して嫌っているわけではないのですが、このスイスのドイツに抱く微妙な感情は、カナダがアメリカに対する、スコットランドがイングランドに対するのに似たちょっとした感情なのです。これをわざと出して、冗談を言ってのけた夫に座布団一枚あげたいと思います。
I am sorry for Roger by Tony Nadal
ESPNの記事でトニーコーチのコメントを見つけました。
第4セットでフェデラーに負けたので、ラファが勝つのは難しいかもしれないと思ったトニーナダルでしたが、フェデラーの第5セットは彼にとっても不思議なセットだったようです。
「第5セットのフェデラーがよくないので驚いた。集中力の欠如なのか、14GSのタイトルのプレッシャーなのか、何が彼に起こったのかわからないが、I am sorry for Roger.」
いいですねェ。ラファといいトニーおじさんといい、人間性の深さを感じます。
I was mad by Roger Federer
「オーストラリアンオープンの本命がマレー」ということに対して、フェデラーは一度もGSのタイトルをとってないマレーが本命なんておかしい、と発言したものですから、いろいろ批判されましたが、その発言の真意を同記事に以下のように語っています。
「ラファは僕とフレンチオープンでよく対戦し勝ってきた。その自信がウィンブルドンの優勝につながった。そしてハードコートのオリンピックでも優勝しているんだ。そのラファが全豪の本命でないから腹がたったんだ。」
いいですねェ。フェデラーは率直で。ますます気に入りました。
「今日ドイツに住む母に電話していたら、オーストラリアンオープンの決勝戦の話になってね。彼女はフェデラーが泣き出したので恥ずかしかったといってたよ。」
バーゼル出身のフェデラーはドイツ語圏のスイス人。同じドイツ語系の男が泣くなんて、と彼女は思ったのでしょう。「男の涙は許せない」とてもドイツっぽくて笑ってしまいました。その話を側で聞いていたバーゼル出身の夫は、ニタッとしながらそのドイツの男性に言ったのです。
「スイス男は繊細なんだよ」
もちろん彼は同郷のフェデラーをかばって言ったのですが、この言葉にはいろんなニュアンスが含まれています。スイスとドイツ国民の感情は微妙なのです。ワールドカップでも、ドイツにだけは負けたくない国民感情。決して嫌っているわけではないのですが、このスイスのドイツに抱く微妙な感情は、カナダがアメリカに対する、スコットランドがイングランドに対するのに似たちょっとした感情なのです。これをわざと出して、冗談を言ってのけた夫に座布団一枚あげたいと思います。
I am sorry for Roger by Tony Nadal
ESPNの記事でトニーコーチのコメントを見つけました。
第4セットでフェデラーに負けたので、ラファが勝つのは難しいかもしれないと思ったトニーナダルでしたが、フェデラーの第5セットは彼にとっても不思議なセットだったようです。
「第5セットのフェデラーがよくないので驚いた。集中力の欠如なのか、14GSのタイトルのプレッシャーなのか、何が彼に起こったのかわからないが、I am sorry for Roger.」
いいですねェ。ラファといいトニーおじさんといい、人間性の深さを感じます。
I was mad by Roger Federer
「オーストラリアンオープンの本命がマレー」ということに対して、フェデラーは一度もGSのタイトルをとってないマレーが本命なんておかしい、と発言したものですから、いろいろ批判されましたが、その発言の真意を同記事に以下のように語っています。
「ラファは僕とフレンチオープンでよく対戦し勝ってきた。その自信がウィンブルドンの優勝につながった。そしてハードコートのオリンピックでも優勝しているんだ。そのラファが全豪の本命でないから腹がたったんだ。」
いいですねェ。フェデラーは率直で。ますます気に入りました。
2009年02月03日
ナダルの言葉
今度は優勝者のナダルの言葉をご紹介したいと思います。彼は一生懸命に苦手な英語で答えています。世界のスーパースターになっても、謙遜の気持を忘れず、日々の努力を怠らず、限界という言葉を拒否し続ける男・・・どうしたらあのような息子に育てられるのか? つい親の立場から感嘆してしまうのです。
優勝後の記者会見より(これは要約したものです)
Q:6個目のGSのタイトル獲得はスペシャルな気持ですか?
「すごくスペシャルだよ。ハードコートのGSのタイトルは僕の夢だったからね。ものすごく嬉しい。No? コートではいろんな気持があって気持が高ぶっていた。ベストプレーヤーのロジャーと戦うのだから。
トニーおじさんはロッド・レイヴァーが史上ベストのテニス選手だといっていた。一年で4つのGSのタイトルをとることをグランドスラムと言っているが、レイヴァーは2度もそのグランドスラムをとっている。その本人の前で試合をするのだから。すべてがスペシャルだった。」
Q:第3セットでトレーナーのマッサージを受けたのは?
「べルダスコの試合が終わったあと、右足がタイトになった。3セットでは、すごく固くなってきたんだ。こむらがえりじゃないけど心配だった。でもあのときはインジャリータイムを取らなかったんだ。(注:チェンジオーヴァーの時間にマッサージを受ければインジャリータイムとはならない。)あの試合が長くなると思ったから、3分間のMTO (Medical Time-out) はいざというときにとっておきたかった。」
Q:このハードコートの最初の優勝は、フレンチ(クレー)やウィンブルドン(芝)の最初の優勝とくらべてどう違いますか?
「試合の後はもう疲れてしまってその喜びを実感としてまだ感じてられてないんだ。ロッカールームへ行ったとき、目眩がしそうになったくらいだから。」
Q:サンプラスの記録を誰が破るか話題になっています。22才ですべてのサーフェスで優勝したことになりますが、今後どこまでいけると思いますか?
「今は6個のタイトルをとったことになるけれど、6個もとれたことは嬉しい。もちろんこれからも向上できるよう毎日努力をしていくつもりだ。毎回優勝することはとても大変なことだ。でも僕はトライしつづけていきたい。」
Q:最後に勝利をもたらしたのは、フィジカルだったと思いますか、それともメンタル?
「僕には分からない。でも第5セットはロジャーは僕よりミスが多かった。僕の方がソリッドだった。だから僕が勝ったと思う。最初のブレークポイントのとき、ロジャーはバックハンドで重大なミスを犯してしまった。このブレークはとても大きな意味をもった。」
(注:第5セット:4ゲーム目2-1でフェデラーのサーヴ。フェデラーは30-30でダブルフォルトをしたあと、二つのエラーをおかしてブレークされる)
Q:金曜の長い試合の後、決勝戦に対して自分がまだフィットしていると思いましたか?
「僕は疲れていたことは確かで、少し心配だったのも確かだ。プラクティスしたときになかなか集中できなかったからね。試合が始まる前、トニーコーチの言った 「勝利を信じていつも全力で戦え」という言葉通りにやったんだ。」
Q:新しい服で勝てると思いましたか?
「僕は本当に心配だったよ。(笑)新しいウェアでパワーを失ってしまうかもしれないとね。(爆笑)
C’mon(ここでのカモーンは「まさか」という意味です)
最後の冗談はラファらしい茶目っ気がでています。お疲れさまでした。じっくりと優勝の喜びを噛み締めたあとは、オランダロッテルダムのABN AMRO WORLD TENNISが2月9日が待っています。ナダルの他に、ツォンガ、モンフィスが出場する予定です。ナダルは昨年の10月に主催者側と契約を行いましたが、この大会は一週間後に迫っていて、これは私の勘ですが、ひょっとすればナダルは欠場するかもしれませんね。昨年もオーストラリアンオープンで準決勝までいき、疲れが残ったのか、このロッテルダムでは、2回戦でセッピに敗退しています。
ロッテルダムの後は2月23日から始まるドバイです。このドバイにフェデラーも出場します。再びナダルvsフェデラー戦が観戦できますかどうか、あと3週間に迫ってきました。
優勝後の記者会見より(これは要約したものです)
Q:6個目のGSのタイトル獲得はスペシャルな気持ですか?
「すごくスペシャルだよ。ハードコートのGSのタイトルは僕の夢だったからね。ものすごく嬉しい。No? コートではいろんな気持があって気持が高ぶっていた。ベストプレーヤーのロジャーと戦うのだから。
トニーおじさんはロッド・レイヴァーが史上ベストのテニス選手だといっていた。一年で4つのGSのタイトルをとることをグランドスラムと言っているが、レイヴァーは2度もそのグランドスラムをとっている。その本人の前で試合をするのだから。すべてがスペシャルだった。」
Q:第3セットでトレーナーのマッサージを受けたのは?
「べルダスコの試合が終わったあと、右足がタイトになった。3セットでは、すごく固くなってきたんだ。こむらがえりじゃないけど心配だった。でもあのときはインジャリータイムを取らなかったんだ。(注:チェンジオーヴァーの時間にマッサージを受ければインジャリータイムとはならない。)あの試合が長くなると思ったから、3分間のMTO (Medical Time-out) はいざというときにとっておきたかった。」
Q:このハードコートの最初の優勝は、フレンチ(クレー)やウィンブルドン(芝)の最初の優勝とくらべてどう違いますか?
「試合の後はもう疲れてしまってその喜びを実感としてまだ感じてられてないんだ。ロッカールームへ行ったとき、目眩がしそうになったくらいだから。」
Q:サンプラスの記録を誰が破るか話題になっています。22才ですべてのサーフェスで優勝したことになりますが、今後どこまでいけると思いますか?
「今は6個のタイトルをとったことになるけれど、6個もとれたことは嬉しい。もちろんこれからも向上できるよう毎日努力をしていくつもりだ。毎回優勝することはとても大変なことだ。でも僕はトライしつづけていきたい。」
Q:最後に勝利をもたらしたのは、フィジカルだったと思いますか、それともメンタル?
「僕には分からない。でも第5セットはロジャーは僕よりミスが多かった。僕の方がソリッドだった。だから僕が勝ったと思う。最初のブレークポイントのとき、ロジャーはバックハンドで重大なミスを犯してしまった。このブレークはとても大きな意味をもった。」
(注:第5セット:4ゲーム目2-1でフェデラーのサーヴ。フェデラーは30-30でダブルフォルトをしたあと、二つのエラーをおかしてブレークされる)
Q:金曜の長い試合の後、決勝戦に対して自分がまだフィットしていると思いましたか?
「僕は疲れていたことは確かで、少し心配だったのも確かだ。プラクティスしたときになかなか集中できなかったからね。試合が始まる前、トニーコーチの言った 「勝利を信じていつも全力で戦え」という言葉通りにやったんだ。」
Q:新しい服で勝てると思いましたか?
「僕は本当に心配だったよ。(笑)新しいウェアでパワーを失ってしまうかもしれないとね。(爆笑)
C’mon(ここでのカモーンは「まさか」という意味です)
最後の冗談はラファらしい茶目っ気がでています。お疲れさまでした。じっくりと優勝の喜びを噛み締めたあとは、オランダロッテルダムのABN AMRO WORLD TENNISが2月9日が待っています。ナダルの他に、ツォンガ、モンフィスが出場する予定です。ナダルは昨年の10月に主催者側と契約を行いましたが、この大会は一週間後に迫っていて、これは私の勘ですが、ひょっとすればナダルは欠場するかもしれませんね。昨年もオーストラリアンオープンで準決勝までいき、疲れが残ったのか、このロッテルダムでは、2回戦でセッピに敗退しています。
ロッテルダムの後は2月23日から始まるドバイです。このドバイにフェデラーも出場します。再びナダルvsフェデラー戦が観戦できますかどうか、あと3週間に迫ってきました。