2009年02月19日
フェデラーに新コーチ?
フェデラーの身辺が慌ただしくなってきました。まず腰の故障を理由にドバイ大会(2月23日)とデイヴィスカップ(対アメリカ:3月6日)の欠場を発表しました。
このスケジュールは前から不思議に思っていました。ドバイのすぐ後がデ杯です。そしてデ杯の後に3月中旬からインディアンウェルズのマスターズが控えています。前からグランドスラムを優先したいと言っていましたので、この過密なスケジュールはきっとどこかをキャンセルすると予想していました。デ杯ではロディックとブレイクの2タイをこなさなければならず、グランドスラムと同じく3セットを勝たねばなりません。下手をするとアメリカのホームゲームですから5セットになる可能性もあります。しかも今ヴァヴリンカが不調で、アメリカ戦はフェデラーの肩にかかっていていました。
夫はバーゼル出身ですので、実は二人でフェデラーの応援にわざわざアラバマ州のバーミンガムまで行く予定をたてていたのです。しかし(ラッキーにも)発売2時間でチケットが完売してしまったため、デ杯観戦の計画は流れてしまいました。マッケンローは、「フェデラーが来るというのでチケットが完売になったのに、大変残念なことだ。」と遺憾のコメントを発表しています。デ杯をキャンセルしたのにすぐドバイに出ると、母国を逆なでするようなことになるのでドバイもキャンセルしたのではないかと思います。腰のためにフェデラーは二つの試合をキャンセルしているにも拘らず、腰を心配する記事にお目にかからないのは、 腰の予防のためという認識が共通してあるからでしょう。
問題を残す ドバイ
ナダルもドバイを足の故障を理由に欠場を決めました。これでフェデラー、ナダルが抜けたドバイですが、今ごうごうたる非難にあっています。というのは今週から始まったドバイ大会(WTA女子)に出場予定だったイスラエルの選手、シャハールピアーの入国が拒否されてしまったのです。ドバイは アラブ首長国連邦の首長国の一つでイスラエルを認めておりませんが、政治をスポーツに持ち込むことに、世界の怒りが集中しました。WTAでは来年のドバイ大会(女子)の中止も考えられると発表しました。
テニスチャンネルはこの事態を深刻に受け止め、WTAのドバイ大会の放送をすべてキャンセルしました。テニスチャンネルの勇断に大きな拍手を送りたいと思います。
なおATP(男子)のドバイ大会は来週23日から始まりますが、問題はイスラエルのダブルス選手、アンディーラムのヴィザの問題です。彼の入国をも拒否すると、今後のドバイの大会がすべて消える大事件に発展する可能性もあります。アメリカの国会議員が介入して交渉し、ヴィザがおりることになったようですが、このように政治がスポーツに介入することに対して、断固として戦う姿勢を高く評価したいと思います。
フェデラーに新コーチの噂
http://www.tennisweek.com/news/fullstory.sps?inewsid=6627389
オーストラリアンオープンで見せた涙は、フェデラーのもろさを発露してしまいました。「フェデラーにはコーチが必要」は誰の目にも明らかで、コーチの発表は時間の問題と噂されてきましたが、ダレンケイヒル(Darren Cahill)の名が急浮上してきました。
ケイヒルはヒューイットを世界最年少のNo.1に、そしてアガシを最年長者のNo.1に仕立てた名コーチです。現在はESPNの解説者として活躍しておりますが、以前のコメントに、コーチ復活も考えていると述べたこともあります。ケイヒルは温厚で冷静で分析力にすぐれた名解説者で、フェデラーのコーチとしては適任者として長く噂にあった一人です。
ケイヒルの名が単なる噂のレベルではなく、可能性大いにありと浮上してきたのは、彼がオーストラリアのデ杯コーチを辞任したからです。理由はパーソナルな理由ということで明らかにしておりませんが、「フェデラーのコーチを引き受けることになったのでは?」との噂が一挙に現実味をおびてきたのです。
私も今のフェデラーをハンドルできるのは(彼は頑固で有名ですので)、ケイヒルくらいしかいないのではと思っておりました。フェデラーもケイヒルのことは尊敬しているようですので、この噂が実現するようフェデラーファンの皆さん、祈りのウェーヴをフェデラーとケイヒルに向けて送りましょう!
このスケジュールは前から不思議に思っていました。ドバイのすぐ後がデ杯です。そしてデ杯の後に3月中旬からインディアンウェルズのマスターズが控えています。前からグランドスラムを優先したいと言っていましたので、この過密なスケジュールはきっとどこかをキャンセルすると予想していました。デ杯ではロディックとブレイクの2タイをこなさなければならず、グランドスラムと同じく3セットを勝たねばなりません。下手をするとアメリカのホームゲームですから5セットになる可能性もあります。しかも今ヴァヴリンカが不調で、アメリカ戦はフェデラーの肩にかかっていていました。
夫はバーゼル出身ですので、実は二人でフェデラーの応援にわざわざアラバマ州のバーミンガムまで行く予定をたてていたのです。しかし(ラッキーにも)発売2時間でチケットが完売してしまったため、デ杯観戦の計画は流れてしまいました。マッケンローは、「フェデラーが来るというのでチケットが完売になったのに、大変残念なことだ。」と遺憾のコメントを発表しています。デ杯をキャンセルしたのにすぐドバイに出ると、母国を逆なでするようなことになるのでドバイもキャンセルしたのではないかと思います。腰のためにフェデラーは二つの試合をキャンセルしているにも拘らず、腰を心配する記事にお目にかからないのは、 腰の予防のためという認識が共通してあるからでしょう。
問題を残す ドバイ
ナダルもドバイを足の故障を理由に欠場を決めました。これでフェデラー、ナダルが抜けたドバイですが、今ごうごうたる非難にあっています。というのは今週から始まったドバイ大会(WTA女子)に出場予定だったイスラエルの選手、シャハールピアーの入国が拒否されてしまったのです。ドバイは アラブ首長国連邦の首長国の一つでイスラエルを認めておりませんが、政治をスポーツに持ち込むことに、世界の怒りが集中しました。WTAでは来年のドバイ大会(女子)の中止も考えられると発表しました。
テニスチャンネルはこの事態を深刻に受け止め、WTAのドバイ大会の放送をすべてキャンセルしました。テニスチャンネルの勇断に大きな拍手を送りたいと思います。
なおATP(男子)のドバイ大会は来週23日から始まりますが、問題はイスラエルのダブルス選手、アンディーラムのヴィザの問題です。彼の入国をも拒否すると、今後のドバイの大会がすべて消える大事件に発展する可能性もあります。アメリカの国会議員が介入して交渉し、ヴィザがおりることになったようですが、このように政治がスポーツに介入することに対して、断固として戦う姿勢を高く評価したいと思います。
フェデラーに新コーチの噂
http://www.tennisweek.com/news/fullstory.sps?inewsid=6627389
オーストラリアンオープンで見せた涙は、フェデラーのもろさを発露してしまいました。「フェデラーにはコーチが必要」は誰の目にも明らかで、コーチの発表は時間の問題と噂されてきましたが、ダレンケイヒル(Darren Cahill)の名が急浮上してきました。
ケイヒルはヒューイットを世界最年少のNo.1に、そしてアガシを最年長者のNo.1に仕立てた名コーチです。現在はESPNの解説者として活躍しておりますが、以前のコメントに、コーチ復活も考えていると述べたこともあります。ケイヒルは温厚で冷静で分析力にすぐれた名解説者で、フェデラーのコーチとしては適任者として長く噂にあった一人です。
ケイヒルの名が単なる噂のレベルではなく、可能性大いにありと浮上してきたのは、彼がオーストラリアのデ杯コーチを辞任したからです。理由はパーソナルな理由ということで明らかにしておりませんが、「フェデラーのコーチを引き受けることになったのでは?」との噂が一挙に現実味をおびてきたのです。
私も今のフェデラーをハンドルできるのは(彼は頑固で有名ですので)、ケイヒルくらいしかいないのではと思っておりました。フェデラーもケイヒルのことは尊敬しているようですので、この噂が実現するようフェデラーファンの皆さん、祈りのウェーヴをフェデラーとケイヒルに向けて送りましょう!
2009年02月19日
錦織スタッツ研究
2月17日のメンフィス大会では錦織選手がバグダティスと対戦、1回戦を5-7, 3-6で残念ながら敗退してしまいました。
昨日は一日中出かけていましたので、残念ながらライヴスコアで観戦できておりませんが、ライスコ分析をしてみたいと思います。
第1サーヴの確率だけではゲームを読めない:
フェデラーの平均1stサーヴは63%。今回のバグダティス戦の圭君は62%。
スタッツの上では二人の1stサーヴは変わりません。では二人の違いは?
サーヴィスゲームをキープするということはどういうことなのか?
よいサーヴを入れ、ゲームを自分のコントロール下におさめ、得点につなげるのがサーヴィスゲームです。ですからその大切な役割をしてくれる1stサーヴがまず入らなければお話になりません。しかし今回の圭君のように、バグダティスよりも15%も高い率で1stサーヴを入れているのに、なぜ負けてしまうか?(錦織は62%、バグダティスは47%)
サーヴには速度、回転、プレースメント、Disguise(サーヴが予測できない)の4つの勝つための要素があります。できればこの4要素すべてを総合したサーヴを打てればベストです。フェデラーのサーヴがなぜすばらしいのか? 毎回サーヴィスモーションが同じですので、レシーヴ側はどちらにやってくるのか予測できないのです。
確かに%が高ければ高いほど、リターンされにくいでしょうが、クウォリティーが低ければ、リターンを許してしまって相手に主導権を与えてしまいます。ここで重要になるのは、1stサーヴでどれだけポイントがとれたかという点です。以下はサーヴィスの確率と得点率です。
1stサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率55%(40本のうち22本を得点)
バグダティス: 得点率81%(27本のうち22本を得点)
1stサーヴの確率が悪くても、サーヴの質がよければ8割以上をバグダティスは得点に結びつけています。従って得点に結びついた1stサーヴは%に違いがあっても、結果的には二人とも同じ22ポイントとなっています。
2ndサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率44%(25本のうち11本を得点)
バグダティス: 得点率50%(30本のうち15本を得点)
ここで二人の得点差が4ポイントでてきます。2ndサーヴでも相手に得点を与えないためには、リターンされにくいサーヴを圭君はもっと打つ必要があります。
錦織のリターンの得点率:
バグダティスの1stサーヴ得点率が81%(22/27)ですので、彼のサーヴがよくてなかなかリターンできなかったことを示しています。圭君のリターンの得点率は従って19%のみで、5本のリターンしかポイントがとれていません。これではブレークするのは大変むずかしいことを物語っています。これは圭君に大きなプレッシャーとなります。
それではポイントの総合計算をしてみましょう
サーヴとリターンによるポイントを総合したものが総合得点となります。圭君の場合は以下のようになります。
錦織の総合ポイント:53ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 11
1stリターン:5
2ndリターン:15
バグダティスの総合ポイント: 69ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 15
1stリターン:18
2ndリターン:14
この二人のおおきな違いは、バグダティスの1stリターンが18ポイントもとっていることです。これはいかに圭君の1stサーヴがとりやすいかを物語っています。2ndサーヴで叩かれることがあっても、1stサーヴで相手に「たいしたことないな」とおもわせるのは絶対禁物。相手はブレークできると自信をもってリターンを打ってきますので、相手にアグレッシヴな展開を許してしまいます。
いくら圭君にリターン力があっても、ワイドやTを狙ったスピンサーヴはリターンができません。エースでも圭君は1本しかありませんが、バグダティスは7本打っています。
エースがなぜ大切なのか?
チープポイントとして簡単に得点になるだけでなく、相手に与えるプレッシャーがとても大きいのです。特にブレークポイントをとりながら、エースをされてブレークチャンスを逃してしまったときなど、ブレークすることの難しさを思い知らされますので効果は絶大です。
圭君のこれからの課題は一にもサーヴ、二にもサーヴだと思います。エースが打てなくても相手に気持ちよくリターンさせないサーヴが必要です。サーヴでゲームの主導権を握ってはじめて、彼のAir-Kや炸裂フォアハンドを打つことができるのですから。
息子が属していたクラブでは、US Openジュニアに出場する選手と混じって練習しておりましたが、ここで不思議に思ったのは、サーヴにかける時間の少なさです。最後の15分くらいです。長時間サーヴの練習はできないので仕方ないとは思いますが、一般にサーヴにかける練習量は少なすぎると思います。あとはほとんどグラウンドストークで、ヴォレー、オーヴァーヘッドも費やす時間は少なかったことを覚えています。
圭君は今度は大阪でのデ杯ですね。これは私は観戦できませんので、皆さんのコメントをお待ちしています。
昨日は一日中出かけていましたので、残念ながらライヴスコアで観戦できておりませんが、ライスコ分析をしてみたいと思います。
ライヴスコアのスタッツの見方
第1サーヴの確率だけではゲームを読めない:
フェデラーの平均1stサーヴは63%。今回のバグダティス戦の圭君は62%。
スタッツの上では二人の1stサーヴは変わりません。では二人の違いは?
サーヴィスゲームをキープするということはどういうことなのか?
よいサーヴを入れ、ゲームを自分のコントロール下におさめ、得点につなげるのがサーヴィスゲームです。ですからその大切な役割をしてくれる1stサーヴがまず入らなければお話になりません。しかし今回の圭君のように、バグダティスよりも15%も高い率で1stサーヴを入れているのに、なぜ負けてしまうか?(錦織は62%、バグダティスは47%)
サーヴには速度、回転、プレースメント、Disguise(サーヴが予測できない)の4つの勝つための要素があります。できればこの4要素すべてを総合したサーヴを打てればベストです。フェデラーのサーヴがなぜすばらしいのか? 毎回サーヴィスモーションが同じですので、レシーヴ側はどちらにやってくるのか予測できないのです。
確かに%が高ければ高いほど、リターンされにくいでしょうが、クウォリティーが低ければ、リターンを許してしまって相手に主導権を与えてしまいます。ここで重要になるのは、1stサーヴでどれだけポイントがとれたかという点です。以下はサーヴィスの確率と得点率です。
1stサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率55%(40本のうち22本を得点)
バグダティス: 得点率81%(27本のうち22本を得点)
1stサーヴの確率が悪くても、サーヴの質がよければ8割以上をバグダティスは得点に結びつけています。従って得点に結びついた1stサーヴは%に違いがあっても、結果的には二人とも同じ22ポイントとなっています。
2ndサーヴの得点率の意味するもの:
錦織: 得点率44%(25本のうち11本を得点)
バグダティス: 得点率50%(30本のうち15本を得点)
ここで二人の得点差が4ポイントでてきます。2ndサーヴでも相手に得点を与えないためには、リターンされにくいサーヴを圭君はもっと打つ必要があります。
錦織のリターンの得点率:
バグダティスの1stサーヴ得点率が81%(22/27)ですので、彼のサーヴがよくてなかなかリターンできなかったことを示しています。圭君のリターンの得点率は従って19%のみで、5本のリターンしかポイントがとれていません。これではブレークするのは大変むずかしいことを物語っています。これは圭君に大きなプレッシャーとなります。
それではポイントの総合計算をしてみましょう
サーヴとリターンによるポイントを総合したものが総合得点となります。圭君の場合は以下のようになります。
錦織の総合ポイント:53ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 11
1stリターン:5
2ndリターン:15
バグダティスの総合ポイント: 69ポイント
1stサーヴ: 22
2ndサーヴ: 15
1stリターン:18
2ndリターン:14
この二人のおおきな違いは、バグダティスの1stリターンが18ポイントもとっていることです。これはいかに圭君の1stサーヴがとりやすいかを物語っています。2ndサーヴで叩かれることがあっても、1stサーヴで相手に「たいしたことないな」とおもわせるのは絶対禁物。相手はブレークできると自信をもってリターンを打ってきますので、相手にアグレッシヴな展開を許してしまいます。
いくら圭君にリターン力があっても、ワイドやTを狙ったスピンサーヴはリターンができません。エースでも圭君は1本しかありませんが、バグダティスは7本打っています。
エースがなぜ大切なのか?
チープポイントとして簡単に得点になるだけでなく、相手に与えるプレッシャーがとても大きいのです。特にブレークポイントをとりながら、エースをされてブレークチャンスを逃してしまったときなど、ブレークすることの難しさを思い知らされますので効果は絶大です。
圭君のこれからの課題は一にもサーヴ、二にもサーヴだと思います。エースが打てなくても相手に気持ちよくリターンさせないサーヴが必要です。サーヴでゲームの主導権を握ってはじめて、彼のAir-Kや炸裂フォアハンドを打つことができるのですから。
息子が属していたクラブでは、US Openジュニアに出場する選手と混じって練習しておりましたが、ここで不思議に思ったのは、サーヴにかける時間の少なさです。最後の15分くらいです。長時間サーヴの練習はできないので仕方ないとは思いますが、一般にサーヴにかける練習量は少なすぎると思います。あとはほとんどグラウンドストークで、ヴォレー、オーヴァーヘッドも費やす時間は少なかったことを覚えています。
圭君は今度は大阪でのデ杯ですね。これは私は観戦できませんので、皆さんのコメントをお待ちしています。