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ナダルの勝つことへの執念

いよいよマイアミ(ソニーエリックソン)大会はQF準々決勝をむかえます。

今年の3大試合、オーストラリアン・オープン、インディアンウェルズ、マイアミの8強のメンバーをみてみると、3トーナメントすべてに残ったのは、トップ3のナダルフェデラー、ジョコヴィッチ, トップ10ではロディック、デルポトロ、べルダスコです。このようにトップ選手が残るトーナメントについてナダルは「とてもよいことだと思う。いつもベスト同士の戦いが観れるのはエキサイティングなことだから。」と述べていますが、全くその通りですね。

オーストラリアン・オープン
ナダル def シモン:6-2, 7-5, 7-5
フェデラー def デルポトロ:6-3, 6-0, 6-0
ロディック def ジョコヴィッチ:6-7, 6-4, 6-2, 2-1(retired)
べルダスコ def ツォンガ:7-6, 6-3, 3-6, 6-2

インディアンウェルズ
ナダル def デルポトロ:6-2, 6-4
ロディック def ジョコヴィッチ: 6-3, 6-2
マレー def リュービチッチ:7-5, 7-6
フェデラー def べルダスコ:6-3, 7-6

そして今日から始まるマイアミQFのドローです。このような贅沢な試合が毎回観戦できるのは、テニスファンにとっては実にラッキーなことですね。
ナダル vs デルポトロ
フェデラー vs ロディック
ジョコヴィッチ vs ツォンガ
マレー vs べルダスコ

さて、ナダルの勝つことに対する執念を観たのが対ヴァヴリンカ戦でした。

今日の試合についてどう思うかとの質問に、「勝つことが大切なんだ。ブレークポイントを多く得ながら得点に結びつけられなかったけれど、とにかく勝つことができたんだ。よい試合だったと思う。」と、ナダルはいつも限りなくポジティヴな態度です。

Nadal def Wawrinka: 7-6, 7-6
ヴァヴリンカとの試合は、徐々に両選手のギアがアップして最後は決勝に値するハイクウォリティーな試合となりました。ナダルが3回戦のギルとの戦いでは、リズムを得ることができなくて苦戦しましたので、彼もほっとしたところでしょう。記者会見で、前の試合がよくなかったことがバネとなってよい試合ができたのか?という質問に「ひどい試合をやると何もよいことはない。自信を失うだけで何の利点もない。」と答えています。そうですよね。前試合が悪かったので、モチベーションをあげて今回こそは頑張るぞ、というわけにはいかないようです。ですから、どんなにまずい勝ち方をしても、試合に何が何でも勝つことが本当に大切なのでしょう。

4回戦のヴァヴリンカは今まで観たなかで、ベストなテニスを披露してくれました。特に第2セットでは、3ゲーム目であっという間に40-15でナダルをブレーク。しかしヴァヴリンカの本領が発揮したのは、10ゲーム目(4-5)。0-40の絶体絶命、3マッチポイントを迎えたときです。ヴァヴリンカは緊張で固くなることなく、サーヴ力でナダルのリターンを浮かして、すべてネットダッシュで決めるアグレッシヴな攻撃でデュースに。 第1セットでは26のエラーのうち18と多かったファオのエラーは少なくなって、ウィナーも決まるようになり、ヴァヴリンカのスウィングはリラックスしてどんどん調子をあげていきます。そしてタイブレークへ。

ナダルのすごいのは、この上がり調子のヴァヴリンカに対等に自分の調子を上げていく力があることです。サーヴ、フォア、バック、そして抜群のネットプレーをみせるヴァヴリンカに弱点はないように見えます。しかもナダルにおとらぬ俊足でナダルのウィナーも拾ってしまう。ナダルにとって自分の調子がまだ十分とはいえないコンディションのなかで、大変なプレッシャーだったと思います。ナダルは12のブレークポイントを得ながら、1ポイントしか得点できず、めずらしくイライラする場面もありましたが、それでも最後はマインドコントロールで勝ってしまう。「勝つことへの執念」が生んだ勝利だったように思います。

QFではデルポトロと対戦です。デルポは1セットも落とすことなく快調そのもので危険な相手です。ナダルのサーヴがよければ、ネットダッシュして決めるオフェンステニス。サーヴがよくなければラリーでチャンスを待つテニス。いずれにしても過去の二人の対戦成績は、ナダルの4勝0敗ですので、彼の執念でSFに進出してほしいですね。




投稿者 Tennisnakama  23:56 | コメント(6) | トラックバック(0)

マイアミ大会トップハーフの4回戦にむけて

いよいよマイアミも終盤戦をむかえました。トップハーフの4回戦、R16の予想を行ってみたいと思います。

Nadal
3回戦:Nadal def Gil: 7-5, 6-3
「いつもベストな試合ができるわけではない。毎試合に対するモチベーションは変わらないけれど、今日のような試合の日もあるんだ。」
ポルトガル選手、73位のギルとの初対戦で、辛うじて第1セットを7-5で勝ち取ったナダルのコメントです。ギルのアグレッシヴなテニスに終始押され気味なナダルは、それでも第3ゲーム(1-1)でギルをブレークしましたが、問題は第6ゲーム(3-2)です。ナダルの2ndサーヴをリターンエースに成功したギルは、ネットダッシュしたナダルのボディーめがけて直撃。あれよあれよという間に0-40のブレークポイントを許してしまったのです。ナダルはサーヴィスウィナーなどで30-40まで挽回しましたが、何とダブルフォルト。鉄のメンタル人、ナダルにもこういうことがあるのですね。

このブレークでスコアはイーヴンになり、ギルはますます過激な攻撃を加えてきます。ナダルはベースラインから下がってディフェンステニスを強いられますが、両選手はサーヴィスゲームをホールドして5-5。しかしここまでがギルの限界でした。多くの選手にみられるように、彼らのベストなテニスを展開しても、エネルギーを維持していくことができず、エラーがふえていきます。ナダルの強烈なスピンに対抗するには、2倍以上のエネルギーを使うそうで、結局は体力負け、ガス欠で負けてしまいます。

第11ゲーム(5-5)がターニングポイントです。ギルに疲れが見えたとき、眠っていたナダル獅子が牙をむき出し始めました。ギルの浮いた球をジャンピングスマッシュで叩き付けたナダルはブレークに成功。大きく握り拳を振り上げナダルが吠えました。もうこれで試合はいつものシナリオ通り。第2セットは完全にナダルのペースになって対戦者は敗北してしまうのです。

さて、アンドレーヴと3セットを行って勝ったヴァヴリンカですが、スコアの上では4-6, 6-3, 6-3ですが、勝敗がどちらに転んでもおかしくない試合でした。アンドレーヴは、アグレッシヴなフォアでヴァヴリンカを攻め続けましたが、最後はブレークポイントの取り方の違いが勝敗を決定しました。ヴァヴリンカは9回もブレークポイントを許しましたが、8回もセーヴしています。アンドレーヴは、ここぞというチャンスをものにできなかった。これもメンタルの領域でしょうね。

4回戦:Nadal vs Wawrinka
この二人の過去の対戦成績はナダルの3勝です。ナダルフェデラーのような片手バックハンドの選手に対しては、執拗にバックハンドめがけて強烈なスピンのフォアで攻めてきますが、ヴァヴリンカも片手バックハンド。しかし彼の武器はフェデラーと違ってバックハンドです。果たしてナダルがどのような作戦で彼を攻めるか? 

Del Potro
4回戦:Del Potro vs Ferrer
残念ながらこの二人の今までのマイアミの試合を観ておりませんので、統計からの分析となりますが、過去の対戦成績はデルポトロの1勝2敗。最も最近の試合は、ジャパン・オープンでの準々決勝で、デルポはフェレールに7-5, 6-1で勝っています。デルポはマイアミでは、2試合ともストレートで圧勝してきていますので絶好調のはず。一方フェレールは2試合とも3セットで、彼のいつもの粘りで勝ち越しています。しかしフェレールはいつものようにベースラインにばかりいては、2mの巨人から炸裂するフォアのストロークに打ち勝つことはできないでしょうね。デルポもベースラインが好きですので、ドロップショットやネットプレーをふんだんに使ってデルポを撹乱してほしいと思います。

Murray
3回戦:Murray def Massu 6-4, 6-4
オリンピックの単複ゴールドメダリストのマスーが見事にカムバックしました。同国のチリのゴンザレスとよく似たプレースタイルで、武器はフォアハンドのみ。
回り込んでファオでウィナーを狙い続けるマスーに、マレーはペースを与えない球で対応。相手のエラーを待つマレー得意のディフェンステニスでマレーが勝利を勝ち得ました。しかしマレーのテニスは賢いテニスですが、チンタラしていてこちらがイライラしてくるテニス。もう少しリスクを負ったウィナーを狙ったテニスをしてくれると観戦しがいがあるのですが。

4回戦:Murray vs Troicki
ナルバンディアンにストレート勝ちしたトロイッキは今ノリにのっています。サーヴが特にすばらしく3回戦の対パウ戦ではエース12本を記録しています。リターンもよいので、ディフェンスのテニスをすればマレーは苦戦するかもしれません。

Verdasco
4回戦: Verdasuco vs Stepanek

湿気の多いマイアミでは、あのモヒカンっぽいヘアスタイルをキープるすために、たっぷりジェルを使って気を使っているべルダスコ。3回戦ではデ杯のダブルスパートナーで親友であるロペスとの対戦で、やりづらそうでしたが、 3-6, 6-3, 6-4 で3回戦をクリアしました。べルダスコは暇をみつけてはラスベガスに飛び、アガシチーム(トレーナーのジル、元コーチのケイヒル)のもとでトレーニングを行っています。ケイヒルはフェデラーのコーチの話が流れてしまいましたが、アディダスのコーチングコンサルタントをしていて、べルダスコは彼からのアドヴァイスを受ける機会が多く恵まれていることも大きなプラスになっているようです。またラスベガスでは、アイドルのアガシに会って直接アドヴァイスも受けられるとか。
「特に役立つのは、やる必要のないこと、を指摘してもらえること。やるべきことと、やるべきでないことが明確になってきたこと」
ラスベガスで毎日4時間のフィジカルトレーニングを積んできたあのたのもしい肉体で、テクニシャンのステパネックを圧倒することができるか? ステパネックのトリックに惑わされないで、あの炸裂するミサイルフォアハンドをみせてほしいと思います。



投稿者 Tennisnakama  00:05 | コメント(5) | トラックバック(0)