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なぜ日曜に試合をしない?

せっかく盛り上がったウィンブルドンですが、日曜日に試合をやらないために、また明日の月曜からテニスマインドに切り替えなければなりません。毎年のこのMiddle Sundayについて疑問がなげかけられるのですが、今年もNo Middle Sundayということで試合は行われませんでした。

1877年から始まったウィンブルドンは、4つのグランドスラムのなかで、最も歴史の古く、最もプレスティージのあるトーナメントとして、広く世界のファンに親しまれています。

絶滅寸前の芝のサーフェス。一部の特権階級のクラブメンバーしか着用しない白のユニフォーム。そして莫大な放送権利を放棄してまで固執し続けるMiddle Sundayのお休み日。私は昔ロンドンに住んでおりましたので、彼らの理屈では理解しがたい伝統に固執しつづけるイギリス魂にノスタルジックな当惑と愛着を覚えるのです。

「どうしてMiddle Sundayにテニスの試合をやらないのか?」

Middle Sundayとはトーナメントの第1週の日曜日のことで、今年も例年と同じく試合はお休みとなりました。これは選手を休ませるために昔から守られてきた古いルールなのです。

しかし選手のためにつくられたこのNo Middle Sundayのポリシーは、意外にも選手の間から改正の声が上がっているのも事実です。

最悪の年は2007年でした。3回戦ナダルvsソダリングの試合は、Middle Sundayを休みにしてしまったため最悪のマッチとなりました。

土曜日:ウォーミングアップの段階で雨で延期
日曜日:快晴の天気にも拘らず、伝統のために試合なし。
月曜日:ナダルはマッチポイントを迎えるが、第3セットのタイブレークを落として雨で延期
火曜日:雨のため延期
水曜日:やっと土曜日から続いた試合に決着をつけることができ、ナダルは6-4, 6-4, 6-7(7), 4-6, 7-5の5セットで4回戦に進出

また3回戦のジョコヴィッチvsキーファー戦も同じく、土曜の試合が水曜まで繰り越し、結局ジョコヴィッチも5セットまでもつれ込み、7-6 (7-4), 6-7 (8-6), 6-2, 7-6 (7-5)でやっと4回戦へ。

もし日曜に試合を行っていれば、5日間にわたって一試合をこなすという異常事態を避けることができたはず。このNo Middle Sundayの被害者となったナダルとジョコヴィッチは「雨天候が予想されながら、なぜ晴天の日曜日に試合を行わなかったのか?」とごくあまり前の疑問を投げかけています。

雨の問題はウィンブルドンの最も深刻な問題です。今年はやっとセンターコートに屋根が完成し、センターコートの雨の対応が整いました。しかしこのメリットを受けるのはトップ選手のみ。大半の選手は相変わらず、雨のために押せ押せのスケジュールの下に試合をしなくてはなりません。

しかしかたくなに伝統という名のもとに、試合を拒否してきたウィンブルドンも、例外の年がありました。それは1991年、1994年、2004年で、試合の行われた日曜日を、People’s Sundayピープルズ・サンデイと呼び、高額の予約席のチケットを安価に一般公開して試合を行っています。

フレンチオープンは雨対策と日曜の収入源(チケット収入と放送権利)のために、2006年から一日早い日曜からトーナメントを始めることになりましたが、15日間スケジュールは長過ぎると選手にあまり快く受け入れられていません。

オーストラリアンオープンとUS Openのグランドスラムは、月曜に始まる14日間スケジュールです。私はこのスケジュールがもっとも選手にやさしいスケジュールだと思うのですが。

テニスファンとしては、週末に試合をやってくれるのが一番ありがたいのですが、ウィンブルドン主催者の全英ローン協会は、もっとも期間の少ない13日間スケジュールに変更のない意向を表明しています。頑固ですね。

ここで提案です。

どうしても選手のために中休みが必要なら、日曜のかわりに月曜日、つまりMiddle Mondayを休みにしてはどうでしょう? 平日の試合のため生放送が観れなかったテニスファンのためにも、やはり週末には試合を行ってほしいと思います。伝統主義も、テニスファンがあってこそトーナメントが成り立っているという基本事実を忘れないで、ほどほどにしてもらえると嬉しいのですが。




投稿者 Tennisnakama  15:22 | コメント(8) | トラックバック(0)

オールドテニスが蘇った!

ナダルのいないウィンブルドンで寂しい想いをしていましたが、トーナメントがだんだん面白くなってきました。ベテラン連中がこれだけ16強に残ったのはめずらしい。ナダルでテニスに興味をもつようになった新しいテニスファンのためにも、今年のウィンブルドンは古くて新しいテニスを学ぶよい機会かもしれません。

伊達公子選手のテニス
私はテニスをやり始めたのがアメリカですので、日本のテニス選手はほとんど知りませんでした。当時のアメリカではアメリカの選手の放送が主で、伊達選手は放送されませんでしたし、彼女の試合を初めて観たのは、テニスチャンネルのクラシックシリーズで最近放送されたシュテフィ・グラフとの試合のみでした。

この試合は、1996年に有明コロシアムで行われたドイツ対日本のFed Cupで、伊達選手が勝利をあげた歴史的な試合でしたが、正直いって彼女のフォームがあまりにも旧式で、ほとんどテイクバックのない、いわゆる現代では悪い見本のようなテニスにびっくり。ですから他のことには全く注意がまわらず、ひたすら「よくあんなフォームで打てるワ」と感心しながら録画をみていました。

今年のウィンブルドンに、伊達選手がWCをもらって出場というニュースは、私をドキドキさせる嬉しいニュースでした。

「彼女のオールドテニスが現代のテニスにどれだけ通用するのか」

ウォズニアキとの第1回戦は私の好奇心を満足させるに十分なすばらしい試合でした。伊達選手の38歳という高齢もさることながら、私はすっかり彼女のテニスに魅入られたのです。解説者もさかんにGreat gameと賞賛していました。何がgreatであったか? 

それは芝という速いサーフェスによって、現代の主流であるベースラインからのストロークに釘をさし、いわゆるold schoolのテニスを蘇させたこと。オールドスクールのテニスとは、ネットプレー、スライス、プレースメントなどを基本に組み立てられたテニスです。ヴァラエティに富んだショットの組み立てで、ランキング9位の18歳から見事に第1セットを奪いました。

オールドスクールでは、何がなんでもウィナーを狙っていく打ち方ではなく、相手にカウンターショットをやり辛くさせるセットアップのやり方を学びました。パワーに頼ったフォアハンドテニスだけでなく、プレースメントと球質を変えたショットメイキングも学びました。しかし息子などのジュニアのテニスをみてますと、こういうことはほとんど教えられていない。ですからアプローチショットができない。ヴォレーができない。ネット前に立つポジションが分からない。スライスショットが打てない。もう打てるのはサーヴとトップスピンのグラウンドストロークだけ。これではテニスはつまらなくなります。

なぜ、フェデラーが絶大な人気を維持することができるのか?今年のウィンブルドンを観れば、彼の魅力が何であるのかよくわかります。あらゆるショットが彼のマジックボックスから飛び出してきます。奥が深くてエレガント。しかもパワフルでダイナミックです。

オールドスクールのテニスを観戦
今年のウィンブルドンは多くのベテラン選手が生き残り、オールドスクールのテニスを堪能できるまたとないチャンスとなりました。
残った16強のメンバーを年齢順からいくと、ハース(31歳)、ステパネック(30歳)、カーロヴィッチ(30歳)、フェレロ(29歳)、ヒューイット(28歳)、ロディック(27歳)、フェデラー(27歳)

普段はもうピークをすぎた年齢のように感じる27歳のフェデラーは、まだまだこのグループでは若くすら感じるのは嬉しいですね。それぞれ個性豊かなベテラン選手の健闘を祈って、また月曜からふんどしを引き締めて(女性の場合はブラジャーをしっかり持ち上げて)観戦していきたいと思います。


投稿者 Tennisnakama  00:45 | コメント(8) | トラックバック(0)