2009年06月29日
なぜ日曜に試合をしない?
せっかく盛り上がったウィンブルドンですが、日曜日に試合をやらないために、また明日の月曜からテニスマインドに切り替えなければなりません。毎年のこのMiddle Sundayについて疑問がなげかけられるのですが、今年もNo Middle Sundayということで試合は行われませんでした。
1877年から始まったウィンブルドンは、4つのグランドスラムのなかで、最も歴史の古く、最もプレスティージのあるトーナメントとして、広く世界のファンに親しまれています。
絶滅寸前の芝のサーフェス。一部の特権階級のクラブメンバーしか着用しない白のユニフォーム。そして莫大な放送権利を放棄してまで固執し続けるMiddle Sundayのお休み日。私は昔ロンドンに住んでおりましたので、彼らの理屈では理解しがたい伝統に固執しつづけるイギリス魂にノスタルジックな当惑と愛着を覚えるのです。
「どうしてMiddle Sundayにテニスの試合をやらないのか?」
Middle Sundayとはトーナメントの第1週の日曜日のことで、今年も例年と同じく試合はお休みとなりました。これは選手を休ませるために昔から守られてきた古いルールなのです。
しかし選手のためにつくられたこのNo Middle Sundayのポリシーは、意外にも選手の間から改正の声が上がっているのも事実です。
最悪の年は2007年でした。3回戦ナダルvsソダリングの試合は、Middle Sundayを休みにしてしまったため最悪のマッチとなりました。
土曜日:ウォーミングアップの段階で雨で延期
日曜日:快晴の天気にも拘らず、伝統のために試合なし。
月曜日:ナダルはマッチポイントを迎えるが、第3セットのタイブレークを落として雨で延期
火曜日:雨のため延期
水曜日:やっと土曜日から続いた試合に決着をつけることができ、ナダルは6-4, 6-4, 6-7(7), 4-6, 7-5の5セットで4回戦に進出
また3回戦のジョコヴィッチvsキーファー戦も同じく、土曜の試合が水曜まで繰り越し、結局ジョコヴィッチも5セットまでもつれ込み、7-6 (7-4), 6-7 (8-6), 6-2, 7-6 (7-5)でやっと4回戦へ。
もし日曜に試合を行っていれば、5日間にわたって一試合をこなすという異常事態を避けることができたはず。このNo Middle Sundayの被害者となったナダルとジョコヴィッチは「雨天候が予想されながら、なぜ晴天の日曜日に試合を行わなかったのか?」とごくあまり前の疑問を投げかけています。
雨の問題はウィンブルドンの最も深刻な問題です。今年はやっとセンターコートに屋根が完成し、センターコートの雨の対応が整いました。しかしこのメリットを受けるのはトップ選手のみ。大半の選手は相変わらず、雨のために押せ押せのスケジュールの下に試合をしなくてはなりません。
しかしかたくなに伝統という名のもとに、試合を拒否してきたウィンブルドンも、例外の年がありました。それは1991年、1994年、2004年で、試合の行われた日曜日を、People’s Sundayピープルズ・サンデイと呼び、高額の予約席のチケットを安価に一般公開して試合を行っています。
フレンチオープンは雨対策と日曜の収入源(チケット収入と放送権利)のために、2006年から一日早い日曜からトーナメントを始めることになりましたが、15日間スケジュールは長過ぎると選手にあまり快く受け入れられていません。
オーストラリアンオープンとUS Openのグランドスラムは、月曜に始まる14日間スケジュールです。私はこのスケジュールがもっとも選手にやさしいスケジュールだと思うのですが。
テニスファンとしては、週末に試合をやってくれるのが一番ありがたいのですが、ウィンブルドン主催者の全英ローン協会は、もっとも期間の少ない13日間スケジュールに変更のない意向を表明しています。頑固ですね。
ここで提案です。
どうしても選手のために中休みが必要なら、日曜のかわりに月曜日、つまりMiddle Mondayを休みにしてはどうでしょう? 平日の試合のため生放送が観れなかったテニスファンのためにも、やはり週末には試合を行ってほしいと思います。伝統主義も、テニスファンがあってこそトーナメントが成り立っているという基本事実を忘れないで、ほどほどにしてもらえると嬉しいのですが。
1877年から始まったウィンブルドンは、4つのグランドスラムのなかで、最も歴史の古く、最もプレスティージのあるトーナメントとして、広く世界のファンに親しまれています。
絶滅寸前の芝のサーフェス。一部の特権階級のクラブメンバーしか着用しない白のユニフォーム。そして莫大な放送権利を放棄してまで固執し続けるMiddle Sundayのお休み日。私は昔ロンドンに住んでおりましたので、彼らの理屈では理解しがたい伝統に固執しつづけるイギリス魂にノスタルジックな当惑と愛着を覚えるのです。
「どうしてMiddle Sundayにテニスの試合をやらないのか?」
Middle Sundayとはトーナメントの第1週の日曜日のことで、今年も例年と同じく試合はお休みとなりました。これは選手を休ませるために昔から守られてきた古いルールなのです。
しかし選手のためにつくられたこのNo Middle Sundayのポリシーは、意外にも選手の間から改正の声が上がっているのも事実です。
最悪の年は2007年でした。3回戦ナダルvsソダリングの試合は、Middle Sundayを休みにしてしまったため最悪のマッチとなりました。
土曜日:ウォーミングアップの段階で雨で延期
日曜日:快晴の天気にも拘らず、伝統のために試合なし。
月曜日:ナダルはマッチポイントを迎えるが、第3セットのタイブレークを落として雨で延期
火曜日:雨のため延期
水曜日:やっと土曜日から続いた試合に決着をつけることができ、ナダルは6-4, 6-4, 6-7(7), 4-6, 7-5の5セットで4回戦に進出
また3回戦のジョコヴィッチvsキーファー戦も同じく、土曜の試合が水曜まで繰り越し、結局ジョコヴィッチも5セットまでもつれ込み、7-6 (7-4), 6-7 (8-6), 6-2, 7-6 (7-5)でやっと4回戦へ。
もし日曜に試合を行っていれば、5日間にわたって一試合をこなすという異常事態を避けることができたはず。このNo Middle Sundayの被害者となったナダルとジョコヴィッチは「雨天候が予想されながら、なぜ晴天の日曜日に試合を行わなかったのか?」とごくあまり前の疑問を投げかけています。
雨の問題はウィンブルドンの最も深刻な問題です。今年はやっとセンターコートに屋根が完成し、センターコートの雨の対応が整いました。しかしこのメリットを受けるのはトップ選手のみ。大半の選手は相変わらず、雨のために押せ押せのスケジュールの下に試合をしなくてはなりません。
しかしかたくなに伝統という名のもとに、試合を拒否してきたウィンブルドンも、例外の年がありました。それは1991年、1994年、2004年で、試合の行われた日曜日を、People’s Sundayピープルズ・サンデイと呼び、高額の予約席のチケットを安価に一般公開して試合を行っています。
フレンチオープンは雨対策と日曜の収入源(チケット収入と放送権利)のために、2006年から一日早い日曜からトーナメントを始めることになりましたが、15日間スケジュールは長過ぎると選手にあまり快く受け入れられていません。
オーストラリアンオープンとUS Openのグランドスラムは、月曜に始まる14日間スケジュールです。私はこのスケジュールがもっとも選手にやさしいスケジュールだと思うのですが。
テニスファンとしては、週末に試合をやってくれるのが一番ありがたいのですが、ウィンブルドン主催者の全英ローン協会は、もっとも期間の少ない13日間スケジュールに変更のない意向を表明しています。頑固ですね。
ここで提案です。
どうしても選手のために中休みが必要なら、日曜のかわりに月曜日、つまりMiddle Mondayを休みにしてはどうでしょう? 平日の試合のため生放送が観れなかったテニスファンのためにも、やはり週末には試合を行ってほしいと思います。伝統主義も、テニスファンがあってこそトーナメントが成り立っているという基本事実を忘れないで、ほどほどにしてもらえると嬉しいのですが。
投稿者 Tennisnakama 15:22 | コメント(8)| トラックバック(0)
いただいたご質問「なぜ日曜日に試合がないのか?」は、多分皆さんも疑問に思っていらっしゃることと思います。わたしなりにまとめてみました。今年はラッキーにも雨がほとんど降りませんでしたが、天候に関係なくやっぱり日曜日はぜひ多くのテニスファンのためにも試合をやってほしいですね。
今年はせっかく屋根をつけたにもかかわらず、皮肉にも晴天が続いている状態では出番もありません。まあ順調に試合を消化してきているので、日曜日の休みも悪くないかなと思いました。2007年の時は臨機応変に対応して欲しかったですけどね。
土曜日にちょっとおもしろい一コマがあったのですが、ご覧になられましたか?
それは、No.1コートで激戦を繰り広げていたフェレーロとゴンザレスの試合途中で、突然アナウンスが響きました。センターコートで行われたいたマリーの試合が早く終了したので、センターコートに移ってもいいというような内容だったんですね。
まあ雨や日没を考えて、屋根を閉めたセンターコートで試合を行えるというアピールだったのですが、何もポイントの途中でそんなアナウンスを入れなくても思いました。
審判も選手も何が起こったのかと唖然としてました。ゴンザレスは拍手して皮肉ってましたけど。
今週前半も30度を越えるような晴れの予報が出ているロンドン、もしかして屋根を一度も使わないなんてことになるかも知れませんね。
後、Tennisnakamaさんはオーストラリアの日程が理想と述べていますが、深夜まで試合が行われている実態はどう思われるのですか?確かに日曜はやるかもしれませんが、朝の2、3時まで行われていた試合もありましたよね。
私自身はグランドスラムそれぞれにキャラクターがあっていいんじゃないかと思います。
イギリスに住んでるのでそう思わされているだけかも知れませんが…
他の大会もむしろ追随すべきことでしょう。。
★興行的に考えたらしごく当然の事が行われない!★&★白のウェアに固執する★
それこそがウィンブルドンの伝統なのだと思います!
【ウィンブルドンは特別】を失くすなら、グランドスラムさえも重みを失くすでしょう。
☆センターコートに屋根が付いた☆だけで充分だと、私は思います☆
今年のように休むことなく使用された場合特に・・・
後世にも継承しその国の個性となり魅力となるのではないでしょうか。あのきまぐれな天気の条件も、それを克服する強い精神力を試していると考える見方もあります。選手間では同等の条件で戦っているのですから。Wimbledonは毎年40億円ぐらいの純益があり、これが今はテニス協会への強化費にあてられ、Wimbledon現象は過去の言葉になろうとしています。もう一点、大会の主催者はもともと、テニスクラブであるAll England Lawn Tennis and Croquet Club の主催であったのが、何年か前からBritish Tennis Association(テニス協会)との共催になっているとの理解でおります。それゆえ、いまも、The Championshipsと呼んでいる由来と考えます。
遅い芝、重いボールなどいろいろ彼らなりに、時代の要求に合うよう努力していると思います。クィルテンが一時ボイコットなどして、批判をしたシードの付け方も改良されました。
ここで私がいいたいのは、2007年のウィンブルドンのかたくなな態度です。ナダルやジョコが5日間にわたって試合をしなければならないのは考えさせられます。選手のためにとったMiddle Sundayが選手を苦しめることになっては意味がないと思うのです。屋根が出来ても末端の選手には関係ありません。もし毎日雨が降るような状況であれば、「例外な年も認め、Middle Sundayもプレーする」という柔軟な態度をとってくれれば、選手にとってもどれだけ楽なことか(もちろんテニスファンにとってもですが)、という想いをこめて書きました。
最も伝統的な「ロイヤルファミリーボックスに向かって選手二人が並んで挨拶をして退場する」というのは、ロイヤルファミリーのリクエストによってなくなっています。ウィンブルドンの伝統はどんどん時代と共に変化してきています。
伊達さんが、引退されたころ放送された特集のなかで、伊達さんが、自分のウィンブルドンへの特別な憧れを綴った本が、紹介されていました。「私の女の子としての夢は、ウィンブルドンにいく事、そしてあそこには、編みこみの髪が似合うと思うから、髪を伸ばしてボールガールの子達まで無料で編みこみをしてくれるウィンブルドンの美容室で、編みこみをしてもらうこと、そして、もうひとつの憧れは、ロイヤルボックスにむかってcurtsyというお辞儀をすること」というような内容だったと思います。
curtsyが、無くなったようにこれからもいろいろ変わっていくでしょう。
tenniさんもおっしゃってますが、私も英国の偏屈なまでの伝統への拘りに多少の驚きと愛着をおぼえるひとりです。