2009年08月12日
Day 2 ロジャーズカップ
Day2 ( 8月11日)モントリオール・ロジャーズカップ
これからビデオを観ながら試合の感想を述べていきたいと思います。ビデオでは翻訳するほどの内容ではないので、これからは翻訳を省くことにします。
フェレーロ def ヒューイット: 6-1, 6-4
フェレーロ29歳、ヒューイット28歳。 元No.1同士の懐かしい戦いです。二人の過去の対戦成績はフェレーロ3勝ヒューイット6勝。最後の対戦は2年前の同じモントリオール。この試合はヒューイットが勝っていますので、フェレーロとしては、何としても打ち負かしたい旧来のライヴァルのヒューイット戦です。
テニスファンならぜひ観てみたいのがこの二人の戦い。観客もエピックの戦いとして相当期待していたと思います。しかしここ5年間怪我の連続のヒューイットは、先週のワシントン大会でも、デルポトロとの対戦時に足を痛めてしまい、完全に回復しないままの対戦でしたので、6-1, 6-4でフェレーロの楽勝となりました。それにしても最近のフェレーロはすごい。サフィンもバーンアウトにならないで彼くらいのタフさで、もう少し長く戦ってほしかったです。
予選のメリット
ヒューイットは大会主催者にWCをリクエストしていましたが、大量の欠場者が出たためオータネイトの最後の選手としてエントリーすることができました。しかしフェレーロはもっとランキングが下でしたので、彼は予選からの参加となったわけですが、「予選から出る」というのは、シーズン始めでは利点と考えてよいと思います。
今回は特にハードコートのシーズン開けですので、サーフェスになれ、しかも大会のコートに慣れる(ハードコートは会場によっていろいろ違いますので)という点で予選から出るというのは、それほど不利ではないのです。コートに慣れるため、ナダル、ジョコヴィッチ、マレーはダブルスに出ています。
ダブルスが危ない
一体何人のシングルス・エントリー選手がダブルスに出場しているのでしょうか?
ざっと数えただけでも約18人です。ダブルスには32人のエントリーですので、ダブルス専門の選手は、半数以下の14人しか出場できないことになります。最近はシングルス選手のウォームアップに使われてしまっていて、ますます狭き門となってしまっているのが現状。もしこのような現象が続けば、多くのダブルス選手は生活ができなくなっていくでしょう。
ラケットとストリングの進歩と、シングルス選手のダブルス試合への参加によって、ダブルスゲームは大きく変わりつつあります。昔の平行陣は姿を消しつつあり、最近はほとんどが雁行陣です。アングルヴォレーやロブの妙技もすたれつつあり、単純なパワーゲームに変化してきています。ですからダブルス愛好者の私の嘆きは大きいのです。
マレー def シャルディ: 6-4, 6-2
イギリスの新聞、タイムズではMasterful Andy Murrayとベタぼめでした。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/tennis/article6792654.ece
しかし1stサーヴは64%でシャルディの75%に劣り、セーヴはしましたが、10回もブレークポイントに直面しています。それほどマスターなテニスにはみえませんでしたが、やはりトップ3だけあって、マレーはシャルディにプレッシャーを与え続け、第2セットはシャルディはエラーが続いて自滅でした。
「僕の今日の試合には満足している。シャルディのサーヴは第1セットと第2セットの前半まではすばらしかった。しかし後半はビッグなショットを狙いすぎた。今日の試合は僕にとってはよいテストだった。どんなストロークが打てるかみてみたかったから。よいスタートをきれて嬉しいよ。」
べルダスコ def Fロペス: 6-1, 6-7(5), 6-1
二人のイケメン・サウスポーのマタドールの戦いで、観客席の女性はどちらを応援してよいのか。結局黄色い声をあげて両方を応援していました。べルダスコはやはり強いですね。最初からガンガン飛ばしてロペスを圧倒。しかし第2セットではロペスが切り返しましたが、べルダスコはお得意のフォアのクロスだけでなく、ダウンザラインがサイドラインぎりぎりに決まって勝利をあげました。
ジョコヴィッチ def ポランスキー: 6-4, 7-6(6)
ジョコヴィッチは、ダブルスではちょこっとクロアチアのUmagに弟のマルコとダブルスに出ましたが、シングルスでは久々のウィンブルドン以来。そのせいか錆がテニスに出ていました。まずショットが安定せず、ロング、ワイド、ネットにかけるなどエラーが多く、225位の21歳に対等なテニスをしていましたので、早く調整しないと危ない。
Who is Peter Polansky?
この試合で大活躍をしたのは、ブロンドのカナダ人、ピーター・ポランスキー。地元の応援にこたえて、固くなることもなく冷静な試合運びはとても200番台の選手にはみえない落ち着きで驚きました。それにかなりのイケメン。スポーツ界にはめずらしい女性的な美しさに、思わず解説者は「彼はハンサムですね。」
これから絶対伸びる選手。以下のトップになる選手の条件を満たしたポランスキーは将来が楽しみです。
(1)サーヴがよい。とくに2ndサーヴでエースがとれる。
(2)フォアもバックもパワーがあり深く打つことができる。(これは小さいときからやっておかないとなかなか身につけられないショット)
(3)両手バックハンドのスピンはナダルのフォアのようにベースラインぎりぎりに高くバウンド。
(4)バックハンドのダウンザラインがサイドラインにきめることができる。
(5)エラーをおかしても表情をかえず冷静。
フェデラー def ニーメヤー: 7-6(3), 6-4
パパロジャーが会場に現れたときは、陽にかなり焼けていたせいもありますが、10ポンド(4.5kg)減量したせいか、予測した以上に体型がほっそりしていて、まさにスーパフィットの感じです。ロディックは15ポンド(6.8kg)減量して、フォットワークが軽快になりましたから、もともと軽快なフェデラーのフットワークはますます軽快でした。
対戦相手は地元の33歳のニーメヤー。ランキングは487位ですが、WCをもらって大健闘。サーヴがよくて、第1セットはタイブレークにもちこみましたが、第2セットには息切れ。フェデラーはときどきスーパーショットを披露して余裕しゃくしゃく。マレーやジョコヴィッチよりもシャープで自信にあふれていました。
これからビデオを観ながら試合の感想を述べていきたいと思います。ビデオでは翻訳するほどの内容ではないので、これからは翻訳を省くことにします。
フェレーロ def ヒューイット: 6-1, 6-4
フェレーロ29歳、ヒューイット28歳。 元No.1同士の懐かしい戦いです。二人の過去の対戦成績はフェレーロ3勝ヒューイット6勝。最後の対戦は2年前の同じモントリオール。この試合はヒューイットが勝っていますので、フェレーロとしては、何としても打ち負かしたい旧来のライヴァルのヒューイット戦です。
テニスファンならぜひ観てみたいのがこの二人の戦い。観客もエピックの戦いとして相当期待していたと思います。しかしここ5年間怪我の連続のヒューイットは、先週のワシントン大会でも、デルポトロとの対戦時に足を痛めてしまい、完全に回復しないままの対戦でしたので、6-1, 6-4でフェレーロの楽勝となりました。それにしても最近のフェレーロはすごい。サフィンもバーンアウトにならないで彼くらいのタフさで、もう少し長く戦ってほしかったです。
予選のメリット
ヒューイットは大会主催者にWCをリクエストしていましたが、大量の欠場者が出たためオータネイトの最後の選手としてエントリーすることができました。しかしフェレーロはもっとランキングが下でしたので、彼は予選からの参加となったわけですが、「予選から出る」というのは、シーズン始めでは利点と考えてよいと思います。
今回は特にハードコートのシーズン開けですので、サーフェスになれ、しかも大会のコートに慣れる(ハードコートは会場によっていろいろ違いますので)という点で予選から出るというのは、それほど不利ではないのです。コートに慣れるため、ナダル、ジョコヴィッチ、マレーはダブルスに出ています。
ダブルスが危ない
一体何人のシングルス・エントリー選手がダブルスに出場しているのでしょうか?
ざっと数えただけでも約18人です。ダブルスには32人のエントリーですので、ダブルス専門の選手は、半数以下の14人しか出場できないことになります。最近はシングルス選手のウォームアップに使われてしまっていて、ますます狭き門となってしまっているのが現状。もしこのような現象が続けば、多くのダブルス選手は生活ができなくなっていくでしょう。
ラケットとストリングの進歩と、シングルス選手のダブルス試合への参加によって、ダブルスゲームは大きく変わりつつあります。昔の平行陣は姿を消しつつあり、最近はほとんどが雁行陣です。アングルヴォレーやロブの妙技もすたれつつあり、単純なパワーゲームに変化してきています。ですからダブルス愛好者の私の嘆きは大きいのです。
マレー def シャルディ: 6-4, 6-2
イギリスの新聞、タイムズではMasterful Andy Murrayとベタぼめでした。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/tennis/article6792654.ece
しかし1stサーヴは64%でシャルディの75%に劣り、セーヴはしましたが、10回もブレークポイントに直面しています。それほどマスターなテニスにはみえませんでしたが、やはりトップ3だけあって、マレーはシャルディにプレッシャーを与え続け、第2セットはシャルディはエラーが続いて自滅でした。
「僕の今日の試合には満足している。シャルディのサーヴは第1セットと第2セットの前半まではすばらしかった。しかし後半はビッグなショットを狙いすぎた。今日の試合は僕にとってはよいテストだった。どんなストロークが打てるかみてみたかったから。よいスタートをきれて嬉しいよ。」
べルダスコ def Fロペス: 6-1, 6-7(5), 6-1
二人のイケメン・サウスポーのマタドールの戦いで、観客席の女性はどちらを応援してよいのか。結局黄色い声をあげて両方を応援していました。べルダスコはやはり強いですね。最初からガンガン飛ばしてロペスを圧倒。しかし第2セットではロペスが切り返しましたが、べルダスコはお得意のフォアのクロスだけでなく、ダウンザラインがサイドラインぎりぎりに決まって勝利をあげました。
ジョコヴィッチ def ポランスキー: 6-4, 7-6(6)
ジョコヴィッチは、ダブルスではちょこっとクロアチアのUmagに弟のマルコとダブルスに出ましたが、シングルスでは久々のウィンブルドン以来。そのせいか錆がテニスに出ていました。まずショットが安定せず、ロング、ワイド、ネットにかけるなどエラーが多く、225位の21歳に対等なテニスをしていましたので、早く調整しないと危ない。
Who is Peter Polansky?
この試合で大活躍をしたのは、ブロンドのカナダ人、ピーター・ポランスキー。地元の応援にこたえて、固くなることもなく冷静な試合運びはとても200番台の選手にはみえない落ち着きで驚きました。それにかなりのイケメン。スポーツ界にはめずらしい女性的な美しさに、思わず解説者は「彼はハンサムですね。」
これから絶対伸びる選手。以下のトップになる選手の条件を満たしたポランスキーは将来が楽しみです。
(1)サーヴがよい。とくに2ndサーヴでエースがとれる。
(2)フォアもバックもパワーがあり深く打つことができる。(これは小さいときからやっておかないとなかなか身につけられないショット)
(3)両手バックハンドのスピンはナダルのフォアのようにベースラインぎりぎりに高くバウンド。
(4)バックハンドのダウンザラインがサイドラインにきめることができる。
(5)エラーをおかしても表情をかえず冷静。
フェデラー def ニーメヤー: 7-6(3), 6-4
パパロジャーが会場に現れたときは、陽にかなり焼けていたせいもありますが、10ポンド(4.5kg)減量したせいか、予測した以上に体型がほっそりしていて、まさにスーパフィットの感じです。ロディックは15ポンド(6.8kg)減量して、フォットワークが軽快になりましたから、もともと軽快なフェデラーのフットワークはますます軽快でした。
対戦相手は地元の33歳のニーメヤー。ランキングは487位ですが、WCをもらって大健闘。サーヴがよくて、第1セットはタイブレークにもちこみましたが、第2セットには息切れ。フェデラーはときどきスーパーショットを披露して余裕しゃくしゃく。マレーやジョコヴィッチよりもシャープで自信にあふれていました。
2009年08月12日
錦織圭が肘の滑膜切除
錦織選手のマネージャーのオリヴァーからメールをもらい、圭のウェブサイトを読んでくれとのことでしたので、読んでみるとびっくり。とんでもないことになっていたのですね。
私は5度もスポーツで怪我をして手術をしていますので、もう怪我のことなら任しておいて、という感じですが、とにかく医者が当てにならないことは経験から百も承知。NYの権威のある医者でも見逃すことは大いにあり、というのは納得です。
6ー8週間はリハビリ。ということは今年一杯はトーナメント出場は不可能になりましたね。これだけの長い期間、ブランクをつくってしまうと危ないのは精神状態。ここはしっかり割り切って、人間として成長する時期として、今までできなかったことをトライしてほしいですね。特に日本のジュニアとの交流をはかって、彼らに夢を与えてやってほしいと思います。
私たちにできることは一つ。圭くんを励ますことです。どんなことが起きても、私たちは圭くんを応援しつづけますよ、というエールを送りましょう。ファンの激励がどれだけ選手にとって励ましとなるか、計り知れないのです。ですから錦織ファンの皆さんは、これからが私たちの出番です。
メッセージはこちらまで:http://blog.keinishikori.com/index.html
以下は公式サイトに掲載された報告です。
【from IMG】錦織圭選手の現状報告
錦織圭は、全仏オープンの欠場後、ニューヨークのアルチェック医師のもとで行ったMRI検査の結果、「右肘の疲労骨折」との診断を受け、右肘の完治に向けてリハビリを続けておりました。しかし、どうしても右肘の痛みが取れなかったため、その痛みの原因を特定すべく、日大病院において、8月7日に内視鏡検査を実施いたしました。
その結果、MRI検査では発見できなかった小さな間接軟骨の損傷(右肘後方関節軟骨損傷)とそれに伴う滑膜の炎症(慢性滑膜炎)が認められ、即座に炎症を起こしている滑膜の切除と軟骨の損傷部分の処置を行いました。そのため、軟骨の損傷部分に繊維軟骨が新しく作られ、痛みなくラケットを振ることができるようになるには、さらに6-8週間程度のリハビリ期間が必要になります。
したがって、現時点で全米オープンへの出場は断念せざるを得なくなりましたので、ご報告させていただきます。今後は、右肘の回復具合を見ながら、できる限り早い復帰に向けて、日本においてリハビリを継続していく予定です。
私は5度もスポーツで怪我をして手術をしていますので、もう怪我のことなら任しておいて、という感じですが、とにかく医者が当てにならないことは経験から百も承知。NYの権威のある医者でも見逃すことは大いにあり、というのは納得です。
6ー8週間はリハビリ。ということは今年一杯はトーナメント出場は不可能になりましたね。これだけの長い期間、ブランクをつくってしまうと危ないのは精神状態。ここはしっかり割り切って、人間として成長する時期として、今までできなかったことをトライしてほしいですね。特に日本のジュニアとの交流をはかって、彼らに夢を与えてやってほしいと思います。
私たちにできることは一つ。圭くんを励ますことです。どんなことが起きても、私たちは圭くんを応援しつづけますよ、というエールを送りましょう。ファンの激励がどれだけ選手にとって励ましとなるか、計り知れないのです。ですから錦織ファンの皆さんは、これからが私たちの出番です。
メッセージはこちらまで:http://blog.keinishikori.com/index.html
以下は公式サイトに掲載された報告です。
【from IMG】錦織圭選手の現状報告
錦織圭は、全仏オープンの欠場後、ニューヨークのアルチェック医師のもとで行ったMRI検査の結果、「右肘の疲労骨折」との診断を受け、右肘の完治に向けてリハビリを続けておりました。しかし、どうしても右肘の痛みが取れなかったため、その痛みの原因を特定すべく、日大病院において、8月7日に内視鏡検査を実施いたしました。
その結果、MRI検査では発見できなかった小さな間接軟骨の損傷(右肘後方関節軟骨損傷)とそれに伴う滑膜の炎症(慢性滑膜炎)が認められ、即座に炎症を起こしている滑膜の切除と軟骨の損傷部分の処置を行いました。そのため、軟骨の損傷部分に繊維軟骨が新しく作られ、痛みなくラケットを振ることができるようになるには、さらに6-8週間程度のリハビリ期間が必要になります。
したがって、現時点で全米オープンへの出場は断念せざるを得なくなりましたので、ご報告させていただきます。今後は、右肘の回復具合を見ながら、できる限り早い復帰に向けて、日本においてリハビリを継続していく予定です。