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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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Day 5 ロジャーズカップQF

Day 5  モントリオール・ハイライト 8月14日 

『記事にできない選手たち』の執筆で、記事のアップが一日送れとなってしまいました。

ランキングが紹介された1973年以来、初めてトップシードの8人がそろった歴史的なQFでしたが、シード1とシード2の両選手が同時に敗退してしまう劇的な一日でもありました。

フェデラー28歳を倒したツォンガは24歳。ナダル23歳を破ったのはまだ20歳のデルポトロです。まさに私たちは、城主交替のハプニングがいつ起こっても不思議でない戦国時代の真っただ中にいるような気がします。しかも今日、15日の準決勝でマレーがツォンガに勝てば、ナダルの2位を剥奪する大異変が生まれることになります。

Day 5 モントリオール・ハイライトのビデオ



Murray def Davydenko: 6-2, 6-4
この試合のときに、私はテニスをしておりましたので、観ることができませんでした。今回はストリーミングを見逃してしまったので、試合のコメントはできませんが、マレーが圧倒的に強かったようですね。

このマレーの準決勝への進出でナダルとマレーのランキングの交替の可能性が強くなってきました。もしマレーがツォンガに勝って決勝進出が決まれば、 8850ポイントを獲得し、ナダルの8665ポイントを上回って2位になります。

その意味でも、マレーにとっては絶対勝ちたい試合であることは間違いなく、どんな作戦でツォンガに対抗するのか楽しみです。

「やらなくちゃいけないことを僕はすべてやった。」とダヴィデンコを破ったマレーは作戦を実践できたことが勝利の原因だったと述べています。モントリオール大会では26ゲームのうち、落としたゲームはただ一つ。ダヴィデンコとの試合のサーヴィスゲームだけだったというのは驚異的な強さです。

「ダヴィデンコと戦うときは、 彼がボールを早く打ち返してくるので、いつも自分のベストのゲームができないような気がしてしまう。気持ちが焦ってくるんだ。今回は僕のゲームプランが的中したため、よいテニスができたと思う。」
このゲームプランとは公開されませんでしたが、観れなくて残念でした。

Tsonga def Federer: 7-6(5), 1-6, 7-6(3)
調子にのったら手をつけられないことで有名なツォンガが, 第3セット目に1-5から奇跡のカムバックでフェデラーを倒してしまいました。これは実況中の解説者が全員、唖然とした感じでろくに解説もできず、What’s going on?を連発するばかり。これは実に興味深い試合でしたので、少し分析をしてみたいと思います。

まずツォンガという選手がいかに才能と実力があるのか、元アガシのコーチで現在ESPNの解説をしているダレン・ケイヒルは、確実にGSのタイトルがとれる選手と太鼓判を押していることからも、テニス界では評価が大変高い選手の一人です。

しかし怪我が多すぎるために、なかなかランキングが上がらない。またメンタル的にも上下の差があってなかなか実力を発揮できなかった選手でもあります。

彼のアスレチックな才能はプロ選手の中では右に出る者はいないほど、動物的な爆発力とバランス感覚に恵まれています。ビデオでみれますが、一回横転してコートに倒れた状態でヴォレーを返し、フェデラーからポイントを奪ってしまったのは、歴史に残るアクロバットテニスでした。

前日のシモンを圧倒したツォンガのプレーぶりをみて、フェデラーが危ないと直感しました。フェデラーはヴァヴリンカに勝ったものの、まだショットに不安定が残るテニスだったからです。まだ調整中のフェデラーとツォンガの調整済みとの差が出たような気がします。残るはメンタルの問題。

第1セットフェデラーの1stサーヴの確率は42%と低いですが、100%ポイントをとっていますので、それほど影響はなく、二人ともサーヴ力でneck and neckのサーヴィスゲームの展開でした。

そしてタイブレークです。どちらが勝ってもおかしくない、一時も気の許せないゲームが続きます。6-5のセットポイントがツォンガに。そのときに出たのが、前述したあのツォンガの横転のスーパーパーフォーマンスです。観客も、解説者ももう大喜び! これこそスポーツ観戦の醍醐味! このポイントを勝ち得たツォンガは、7-6でタイブレークを取って第1セットの勝利となりました。

なぜ私がしつこくこのスーパパーフォーマンスにこだわるのか?

この横転でツォンガは右腕を痛みを訴え、第2セットの第4ゲーム(0-3 フェデラーのリード)のときにメディカルタイムアウトをとったのです。

これは転んだときに痛めたような素振りでしたので、(しかし突いたのは左手ですが)右手のマッサージを受けたのですが、この時からツォンガの頭からどうも怪我のことが離れなくなってしまったようです。打つショットははずれるは、急にフットワークは悪くなるはで、簡単にフェデラーに1-6で敗北してしまいました。

そして第3セットを迎えます。もうだれの目にもツォンガは負けたと映りした。多分ツォンガ自身も駄目だと思ったに違いありません。しかしツォンガは第3セットで蘇ったのです。

「ツォンガとの試合でむずかしいのは、いつ彼のスウィッチがオンになるか予測がつかないことだ。」つまりツォンガがオンになってしまったら、いくらフェデラーであろうとも勝つのはむずかしい。しかしフェデラーの恐れていたことがまさかの1-5で起きてしまったのです。

これはどういうことかというと、私が思うに、1-5の絶対絶命に陥ったとき、ツォンガは初めてリラックスできたのだと思います。体の動きが軽くなりました。ベースラインから思いきって打つフォアとバックが入りだしたのです。今まで無理をしてネットダッシュして、リスクの多い攻撃型テニスから、ベースラインからのテニスへツォンガは作戦を変更しました。

フェデラーは壁のように厚く、どんなに打ち返しても勝てない。だからベースラインに戻ってボールをコートに返すことだけに集中した。」

それから奇跡が起こったのです。それからのツォンガは、瞬く間に1ゲームも落とす事なく、連続5ゲームを勝ち続けたのです。これはまさにフェデラーが恐れていたことでした。

一方フェデラーは、1-5で気のゆるみがあったと思います。あっという間に、ブレークされたフェデラーは焦りました。そして例のバカ打ち。第10ゲーム(5-4)ではバックハンドが空高く飛んでいく大きなエラーでブレークされてしまい5-5のイーヴンスコアに戻ってしまいました。

第11ゲーム(5-5)ツォンガのサーヴです。
自信をえたツォンガは、まず片手バックスライスをディープにアプローチショットでネットプレーでポイント。
次は弾丸フォアクロスでウィナー。
最後にエースでフェデラーをブレーク。

ここから完全にモメンタムがシフトしたかに見えました。ツォンガはベースにとどまることなく、ネットプレーも開始。アグレッシヴな攻撃を始めました。

第12ゲーム(6-5) フェデラーのサーヴです。
ツォンガは今までの両手バックハンドをやめてすべて片手スライスを使い始めました。フェデラーもバックハンドスライス。長いスライスの応酬で、フェデラーがネットにかけてしまいます。

この不思議なツォンガのショットセレクションで調子が少し狂ったフェデラーはフォアのロング。そしてツォンガにパッシングショットのウィナーにとられスコアは0-40のマッチポイントを迎えてしまいます。

しかし辛うじて3ポイントを取り返しサーヴィスゲームをホールドしましたが、この3ポイントはすべてツォンガのエラーによるもので、フェデラーのリズムは取り戻すことができずにタイブレークをむかえます。

第3セットはまさにモメンタムのシフトを絵に描いたゲーム展開となりました。モメンタムを変える力はメンタルしかないのです。フェデラーのメンタルは0-40からマッチポイントを逃れた時点で途切れてしまったように思います。あれが彼のクライマックスでした。

「試合は終わってしまうまで結果が分からないという典型的な試合だった。彼が第2セットを失い、第3セットの後半までほとんど失っていた状態で負けてしまったのは残念だった。シンシナティではがんばるよ。僕はトーナメントに出るからには勝ちたい。今日はでもよくがんばったと自分では思っている。」

ミルカがお産で病院に入院してから退院するまで(帝王切開)10日間、ミルカの側をはなれることなく、彼女の側で寝泊まりをしたそうです。フェデラーとミルカは何と3年間一日も離れることがなかったとTVの解説者は言っていました。

ずーっと睡眠不足だったとNYタイムズの記事のインターヴューで答えていますが、そんな不規則な生活の中でトーナメントの準備も大変だったと思います。しかも24時間スクープを狙うパパラッチの目もあります。

そんな状態から家族大移動をしてモントリオールまでやってきたフェデラーにしては、QFの結果は上出来だったのではないでしょうか。あまり勝ち進んでも、US Openまでに息切れがしてしまうでしょうし。ですから今回のフェデラーの敗北はあまり気にしなくてもよいのではないでしょうか。

すみません。以下の試合も観戦してメモはとってありますが、明日から旅行にでかけます。その準備が何もできていない!ただ今夜の11時。これは相当ヤバイので、ここで終わりにします。

Roddick def Djokovic: 6-4, 7-6(4)
Del Potro def Nadal: 7-6(5), 6-1

マレーが決勝進出を決めましたので、ナダルを抜いて2位が決定しました。ナダルにとっては残念だったと思いますが、膝の具合は悪くないようですね。ただまだ試合の勘がもどっていないような感じでしたが、気長に膝を治しながら調整していってほしいと思います。

Welcome back, Rafa!


(追記)
沢山の励ましのコメントをありがとうございました。明け方までに用事を済ませ、多分一睡もせずに飛行機にのります。ですからせっかくいただいた皆様にはお返事できませんが、お許しください。

温かい皆様のお気持ちをいただいてモヤモヤしているものが消えました。

いくら頭で覚えていても正確をきすため、全部しらべなおしてから書いておりますので、記事には異常な時間がかかっていることをご理解していただいて嬉しいです。

明日のマレーvsデルポトロ戦は私は機上の人となってますので、残念ですが観戦できません。ブラッド・ギルバートが「今ハードで一番強いのはマレー」と断言しました。マレーが例の調子でデルポにリズムを与えなければマレーの勝ち。しかしマレーのペースのないショットをデルポがウィナーにして、試合の展開を早めればデルポの勝ち。本当はTVの遠隔地操作ができコンピューターに録画できるスリングボックスをもっているのですが、今いち調子が悪いのであきらめました。

飛行機の行き先は? 明日着けば現地から更新したいとおもいます。ちょっとおもしろいところに行きますので。

では一週間NYともお別れです。Adieu!



投稿者 Tennisnakama  11:57 | コメント(10) | トラックバック(0)

記事に出来ない選手たち

Day 5のレポート前にどうしても書きたいことがありますので、この記事をまずアップすることにしました。

スポーツナビに寄せられた死神ニコレイ氏からのコメントで、「ダヴィデンコについて書かないのは不公平である」とのご批判を受け、ここで重要なことに気づきましたので、記事にしてご説明させていただくことにしました。

以下が前号にも紹介させていただいたコメントの原文です。

「おいダビデンコのことは一切スルーか!?お前テニスについて散々語るくせにダビデンコの素晴らしさわかんないの?腐ってんなあ。何?「ジョコビッチがメディアにスルーされている。なげかわしい」だあ?ダビデンコなんかそれよりよっぽどひどいぞ。わかるだろ?お前なんか選手の気持ちなんか一切気にしないクソマスコミと同じだ。」

掲載が自動的に拒否されるコメント
この死神ニコレイ氏のコメントはスポーツナビではspamとみなし、自動的に削除されてしまいました。

スポーツナビの説明:
「従来のスパムフィルターの前にNGワードのチェックを行い、該当ワードが含まれたコメントはブロックします。ブロガー様のコメント管理画面にも残らず消える設定としました。」

これはどういうことかといいますと、いくら私が努力しても、スポーツナビの方でブロックされてコメントを掲載することができないのです。

でもひょっとして 死神ニコレイ氏自身のIPが禁止されているのかも知れないと思い、私のコンピューターから、彼のコメントを書き込もうとしましたが、これも拒絶され、コメント欄には掲載されませんでした。ですから彼の使った言葉がブロックの対象となったことがわかりました。

以前、私の記事で、ジョコヴィッチのヘッドのCMについて書いたことがあります。あの傑作なCMの中に、ジョコが乳首に房をつけて登場する場面を説明した記事は、スポーツナビでは拒絶されてしまったのです。さっそく当局に問い合わせてみますと、この「乳首」という言葉が赤信号だったようで、使ってはいけないリストに入っていることがわかりました。しかし私の意図は卑猥なものでないことを分かっていただき、晴れて更新することができたといういきさつがあります。

死神ニコレイ氏のコメントのどの言葉に赤信号がでたのか分かりませんが、このように掲載できない事情があることを、まずご理解いただきたいと思います。

「ダヴィデンコを取り上げないのは不公平である」との死神ニコレイ氏のコメントや、それに関する他の方たちのコメントを読んで、「書けない事情」のあることが案外知られていないような気がしましたので、この機会にtennisnakamaのブログの基本姿勢を説明させていただきたいと思います。

ブログとは何か?
「他人を傷つけたり、嘘デタラメを書いて社会を混乱させたり、悪意をもって他人を陥れようとする意図でない限り、つまり世の中に迷惑をかけなければ、原則的には何を書こうが書き手の自由である。」これがブログの基本だと思います。

tennisnakamaのブログとは
試合の結果報告のブログではありません。
テニスの技術的な分析だけを行うブログでもありません。
また選手のゴシップ欄でもありません。
そして海外の記事をただ単に翻訳する情報屋でもありません。

選手のあらゆるデータを収集し、選手のパーソナルな面を紹介しながら、tennisnakamaとしての意見、分析を行っていくことが私のブログの基本姿勢です。

「試合を観て、あの選手のことをもっと知りたい」と思うのは、私だけでないはずです。しかし選手の個人的なストーリーは、雑誌が特集を組まない限り情報が手に入らない。雑誌のカヴァーストーリーになっても、インターネットに記事が掲載されなければサーチに出てこないのです。ですから最近はファンサイトにも努めてでかけるようにしていますが。

もし私のブログがフェデラーナダルに絞ったファン的なブログであれば、それも問題はないのですが、あらゆる選手をカヴァーするとなると、一人でスポーツ新聞を背負っているようなブログ漬けの生活を強いられることになります。(今はすでにそうなっていて、他のことができずに危険な状態にあります。)

データの収集が困難を極める事情
ダヴィデンコが書けない
私はダヴィデンコのテニスを高く買っているファンの一人で、日本人の体型に近いダヴィデンコのテニスは、これから大いに研究されるべきで、ジュニアのプログラムにも取り入れてはどうか?と再三ブログで提案してきました。

先週、オーストリアのブログ、tennisassist.comの管理者である、マイケル・メイデンズ氏から、「トニー・ローチ(フェデラーの元コーチ)に会うが、何か質問したいことがあったら聞いてあげる」と言っていただき、そこで私は「日本人のテニス選手の歩むべき道はダヴィデンコであると思うが、彼の意見を聞いてほしい。」とお願いしました。また同じ質問を、伝説の選手、ジョン・ニューコム氏にもしてあります。彼らの回答は来週にでも、tennisassist.comで発表される予定です。

ダヴィデンコは散々ギャンブルの疑惑でメディアに取り上げられましたが、個人的な情報は皆無に等しいのです。英字だけでは不十分ですので、ロシアのメディアにまででかけてサーチしていますが出てきません。出てくるのは試合の結果だけなのです。

デルポトロもまだ書けない
例えば、ワシントンで優勝したデルポトロのことを書きたいのですが、優勝した彼でさえ資料があつまらない。この1週間アルジェンチンのメディアを探しまくっていますが、彼の生い立ちが見つからないのです。彼の昨年のフランスのインターヴューで語った「le Jopoのヘアをトライしている」の le Jopoの言葉に引っかかってしまいました。どういうヘアスタイルなのだろうか?

この le Jopoはインターネットでもつかめない。でもどうしても知りたくて、メキシコ人、コロンビア人、プエルトリコ人、ヴェネズエラ人、ありとあらゆるスペイン語話す人たちに聞きまくりましたが、誰一人として知らない!

最近やっと分かったのですが(これはデルポの記事で紹介します)、この一つの情報を得るためにも時には1週間を費やすことがあるという背景をご理解していただきたくお願いいたします。

(追記)
いろいろ愚痴を聞いていただいてありがとうございました。毎日長時間コンピューターの前に座っていますので、ときどきこのようにストレスを発散しないとtennisnakama号はストライキを起こしてしまいます。お許しください。




投稿者 Tennisnakama  02:30 | コメント(14) | トラックバック(0)