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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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フェデラー、優勝のプレゼント

まずはフェデラーのUS Open5連勝おめでとう! US Openは,4GSの中で競争レベルにおいて、最も難しい大会とされていますので、本当に嬉しく思います。彼の優勝は、テニス界へのフェデラーから大きなプレゼントとなりました。

幾度も述べてきましたが、アメリカがくしゃみをすると、全世界が風邪をひいてしまうテニス界では、アメリカでのテニスの人気がカギとなります。現在アメリカ人のトップスリー選手が存在しないテニスでは、人気を確保していくには、エキサイティングなライヴァリーが必要となってきます。ウィンブルドンのナダルvsフェデラー決勝戦は、そういった意味で多くのテニス素人を魅了するすばらしい試合だっただけに、このライヴァル関係が崩れてしまえば、せっかく得た新しいテニスファンを喪失してしまうだけでなく、古いテニスファンまでテニス離れを招く可能性があります。

オリンピックで金メダルを得たフェデラーですが、やはりここでシングルスのタイトルを取っておかなければ、「フェデラー復活危なし」がいつまでも囁かれることになり、そうなるとフェデラーの自信回復をますます遠ざけるだけでなく、ナダルとのNo.1争いのシナリオが成り立たなくなってしまいます。

マリーが4位にあがることによって、ナダルフェデラー、ジョコヴィッチ、マリーの4銃士のスリリングなパワー構図ができあがりました。そのあとに、続くデルポトロ、グルビス、チーリーチ(クロアチアではこう呼ばれているそうです)の新しいビッグボーイパワー、無限の可能性を秘めている18才の錦織と、その裾がどんどん広がっていきます。これでテニスがますます面白くなったことは、テニスファンにとって、わくわくさせるグッドニュースなのです。

昨年も同じラグジェリースウィートからフェデラーの決勝戦を観戦しました。昨年はMonoの影響もなく、破竹の勢いでタイトルをとりまくっていたフェデラーでしたから、焦点は人真似で一躍人気者になった3位のジョコヴィッチが、どれだけチャンピオンと互角に戦えるかにありました。あれから一年。この一年はフェデラーの真のチャンピオンが問われた年でした。Monoとの戦い。プレスの止むことのないネガティヴなコメント。「フェデラー時代は終わった」との風潮に一人で闘っていかなければならない孤独な旅だったと思います。

私はフェデラーのファミリー席のすぐ上におりましたので、彼の両親、ミルカ、パートタイムコーチのイゲラスなどの反応が手に取るように伝わってきます。フェデラーのお父さんは、フェデラーがトロフィーを空高くかかげた時、そっと涙をぬぐいました。セレモニーも終わってスタジアムから人々が退場してしまった後も、彼は席に残ったまま去ろうとはしませんでした。息子を助けてやりたいが何もしてやれない。じーっと苦しみを耐え、戦いつづけてやっと手にいれた勝利です。どれだけ誇らしかったことか。 ファンも同じ気持ちだったと思います。

フェデラーの準決勝(対ジョコヴィッチ)の勝因はサーヴでしたが、決勝はフォアハンドだったと思います。今まで何となく自信なさげに打っていたフォアハンドが姿を消し、あの華麗なフェデラー・フォアハンドが戻ってきたのです。これはフェデラーが記者会見で言っていましたが、彼のフットワークの進歩が大きく貢献しています。マリーに大きく振られても、球に追いつきしかもその不利なポジションから攻撃を加えるには、ナダルのようにフィジカルにフィットしていなければなりません。

マリーのウィンブルドン以降の目覚ましい躍進ぶりは、フィジカルトレーニングに重点をおいた厳しいトレーニングの結果と言えます。それにウィンブルドンで5セットでガスケを破った自信が、ジョコヴィッチ(シンシナティ)、ナダル(US Open)を破った自信に輪をかけて、マリーはとてつもない可能性を秘める選手であることを世界に証明しました。

マリーの武器はフェデラー曰く、「ネットプレーができる」「ベースラインからラリーができる」「ベースラインよりも深く下がったデフェンスポジションから攻撃が出来る」、つまり何でもできてしまうプレースタイルです。カウンターパンチャーであったマリーは、アグレッシヴな攻撃を加えることによって、ナダルのように「アグレッシヴ・ディフェンス選手」に成長しました。

フェデラーは、初めてナダルと最初対戦した時は、彼は将来すごい選手になると思った、と述べています。それと同じような印象を、マリーとの初対戦でも受けたそうです。しかしフェデラーは、ジョコヴィッチには感じられなかったと言ったコメントは、ジョコファンにとっては気にかかりますが。

今までフェデラーの不調の原因について、いろいろ私なりに分析をしてきましたが、「自信を持つ」ことの重大さを今さらながら思い知らされました。「オリンピックの金メダルが与えた自信はとても大きかった」と答えています。そしてフィットネスの重要性です。フェデラーは今回は「僕の作戦勝ち」だったと言っています。「相手の作戦を見抜き、その作戦を実行させない作戦」が成功したと述べています。

記者の「ではどんな作戦だったのですか?」の質問に、フェデラーは笑顔で「それを言ってしまっては、今後彼に読まれてしまうのでそれは秘密だよ」と答えていますが、当然ですよね。でもお互いどんな作戦だったのか、興味がありますね。

(フォトストーリー)
夫がスイスから銀のメラメラの十字の入ったTシャツを買ってきてくれたのは、嬉しかったのですが、よく見れば子供用。胸がしめつけられた思いは、フェデラーの勝利が原因だけではなかったのです。スイスの帽子、スイスのTシャツで応援です!

swissshirt



アメリカ人の男の子が手作り(多分お母さんが縫ったのでしょう)のスイスの旗を持参して応援してくれる気持ちはありがたいのですが・・・これってスイスの旗じゃなんです。気がつかれましたか? 下が正しいスイスの国旗です。

wrongflag


swissflag1



アメリカの国旗の中にスイスとイギリスの旗が中央に含まれています。そして戦闘機が飛んでいよいよ決勝戦が始まりました。

openceremony



マリーとフェデラーが記念撮影。フェデラーはリラックスしてにっこり。マリーは少し緊張しているようです。

beforematch



フェデラーのダイナミックでリズミカルなフットワークはいつ観ても美しいですね。

federerfh10



それに比べて、マリーは少しflat-footedで重い感じです。

murrayfh



勝利の瞬間です。不調といわれた長い闘いが終わりました。これでやっと世界に証明することができました。「僕はまだ終わっていないのだ」と。肩の荷が降りました。

federelieved



ミルカもこの歴史的瞬間をとるためにカメラを向けていますが、こんなカメラで大丈夫かな?

mirka



お疲れさまでした。本当によかったですね。

Congratulations, Roger!


fedvictory


投稿者 Tennisnakama  01:10 | コメント(13)| トラックバック(0)
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コメント
Tennisnakamaさん
記事のアップをとても楽しみにしていました。華麗なフェデラーのプレイがほとんど完璧に展開されて「王者フェデラー」を今後も満喫できることを何よりうれしく思いました。

自信を取り戻したフェデラーとナンバー1 ナダルの直接対決も今後益々楽しみです。全仏や全英で気がかりだったバックのスピン系ストロークも全米の決勝ではほぼ完璧なショットに蘇っていました。ナダルの徹底したバック攻めに耐えられるほどに戻っているのか・・・それともナダルの強力にキックするトップスピンではやはり高い打点で打たされ本来の当りは得られないのか。またまたフェデラーの新たなナダル対策でナダルのパワーを封じ込めるまったく別の展開もあるのか。。。 トップ2強の直接対決が近く実現することを心待ちにしたいと思います。

それからやはり圭君にも自ら強く望んでいるフェデラーとの対戦が楽しみです。彼にはUSオープンの活躍で今後はすべての大会で本戦ストレートインできるランキングになれたことはとても大きいと思います。まずはAIGオープンで雄姿を見られることをとても楽しみです。
投稿者 hiroshi 2008/09/10 02:26
Tennisnakamaさん、お疲れさまです。
本当にフェデラー嬉しかったでしょうね・・・ウィンブルドン5連覇,US Open5連覇というのは、
男子では史上初なんですか?すごい事ですよね!!
ウィンブルドンの決勝戦からナダルのファンになったのですが、ナダルのおかげで今まで触れる
のも苦手だったパソコンをやってみよう(色々な情報を得るため)と思い、家族に教えてもらいながら
少しづつ勉強しています。Tennisnakamaさんのブログに出会えたり、テニスを観戦する楽しみを
覚えたり・・・((私にとってはすごい事なのです。恥ずかしいですが・・・))
今回は、ラファ負けちゃいましたが、これからも応援して行きます!
そしてTennisnakamaさんのブログに時々おじゃまさせていただきます。
PS . ラファの情報もよろしくお願いします。
投稿者 ポコ 2008/09/10 02:33
おかえりなさい Tennisnakamaさん!  待ってましたよ この記事のアップを(嬉)!
しかも 何と言う位置で観戦してらしたんですか!! すごいですね。うらやましい。
フェデラーのお父さんの様子は胸にしみますね。涙がでちゃいます。
確かにファンも同じ気持ちかと。
本当にあのオリンピックの金メダルがなかったらどうなっていたんだろう・・と思います。
ダブルスでメダルを取ったとき 「フェデラーはテニスに愛されてるのだなぁ・・・テニスの方が引きとめてる・・・」と思いましたからね。
ダブルスの時のフェデラーを観て一段とファン度が増してしまい困っていましたが、(そういう人は多いと思いますが) ほんとに嬉しかった。昨日は1日ハッピーでした。
常勝でなくても、ときどき はっとするような強さを魅せてくれるフェデラーであってくれたらと思います。  もちろん優勝してくれれば最高ですが・・。
自分の強みを忘れないで、そしてできるだけ長くテニスをしてくれることが今の私の願いですね。
投稿者 p.compose 2008/09/10 08:46
これでもうGSが終わってしまったと思うと寂しいですね。錦織選手の活躍、フェデラーの優勝、まるで夢のようです。今回はもう私が説明するまでもなく、フェデラーの圧倒的な強さでトロフィーを獲得しました。マリーはグランドスラムの決勝の経験がありませんので、それだけでもフェデラーが精神的に有利に立ってましたし、この気持ちの余裕がフェデラーをリラックスさせ、勝利を生んだ最大の原因だったと思います。でも余裕を生むには勝っている事実が必要です。フェデラーはロシアのアンドレーヴに勝ったことが決定要因となったといっているように、肝心な試合に勝てたことで、自分のショットに自信が出て来たようですね。

この決勝戦のフェデラーを観て、久しぶりにテニスを楽しんでいる彼の姿を見たような気がします。TVは観ていないので、顔のアップの表情はみえませんでしたが、ボディーラングエージから伝わってきます。しかも実物のフェデラーは、TVなどよりは、はるかにセクシーでした!
投稿者 Tennisnakama 2008/09/10 09:46
フェデラーのお父さんが、そっと目頭を押さえる姿、TVにも映りました。
私もなんだか感動しました。
常勝と言われる選手が負けると、マスコミは天地がひっくり返るような大騒ぎをします。
フェデラーの復活、すばらしい光景でした。
圧倒的強さとしてではなく、若手の台頭に今度は頭脳戦でどのように戦っていくのか、
そういう試合がこれから楽しみです。
ミルカ嬢、フェデラー復活を確信し、喜びの瞬間をカメラに収めようとしていたのでしょうか?
それとも新しいカメラを買ってつい使ってみたくなったのでしょうか?
愛する人の素晴らしい瞬間、自分の目でしかと見た方がよかったのに。
でもこの態度も勝利を確信する愛情故の余裕の表れかな。
投稿者 mw 2008/09/10 12:22
ミルカを目の前で見て、夫が叫びました。「She is too fat!」
私は「そんなこと言うとかわいそうよ」と夫を諌めたものの、彼女があんまりまん丸くなっているのを見て心配になりました。フェデラーは世界の女性の憧れの独身男性です。彼はどんな美女でも手に入れることができるポジションにあります。いくら愛は外見ではないことが分かっているフェデラーファンでも、今の彼女はちょっと・・・なのです。フェデラーとダブルスで組んだ頃のビデオを見るとびっくりするくらいほっそりしていましたので。世界のチャンピオンには、ガールフレンドに対しても、要求するレベルがとても高いのです。
           頑張れ、ミルカ!
投稿者 Tennisnakama 2008/09/10 12:51
私もミルカが日増しにふくよかになっていゆくのが気になります・・・今回のファッションセンスも「え?」と思うほど浮いてたし。
心身のバランス崩してるのかな?
推測ですが、フェデラーの過去の不調とミルカさんの体型はどこか少しはつながってるかもしれないですね。
投稿者 sky 2008/09/10 19:27
Tennisnakamaさんの精力的なレポートに魅せられているファンの一人です。おかげで違った視点からUS Openが観戦でき、僕のテニスの世界が広がりました。貴女のブログの魅力は、国際的視野に立った客観的な観察力です。日本やアメリカ贔屓になることなく、果敢にも非難されると分かりながら、問題提議をする勇気と信念です。お疲れでしょうが、貴女を応援する多くのファンのためにも、精力的なブログ活動を楽しみにしています。
投稿者 banban 2008/09/10 22:53
banban さん、そのとーりですね。
自分は参加しませんでしたが、この前のディスカッションでコメント入れた方は日頃から
良くTennさんとトコにいらっしゃっている方々でしょう。
見てるだけではおられず思わず参戦された方も多いのでは?ww
Tennさんは疲れちゃったかもしれないけど、自分は他の観点で「おお~wまた大勢引き込みましたなぁ~wwTennさん舌なめずりしてるかもネww」(違ってたらごめんなさい)見て愉しみました。
いずれにしろ注目度の高いブログであることには変わりないので、これからも色々とあることでしょう。
またそーであって欲しいです。何が起きても「テニス仲間」が増殖してるワケですからねw
Tennisnakama in New York は 永遠に不滅ですっ!! ww
投稿者 種丸 2008/09/11 00:57
あんがと! 皆さんの応援があるから書き続けられるのです。でもライフルで打つと、原子爆弾が返ってくるので戦々恐々です。強気なことをいっているようで、実はとてもデリケートな面もあり、とても疲れました。 でも真面目に問題をとらえ、議論に参加してくださった方々に感謝しています。次回は調査に時間がかかっていますが、「アンディマリー戦争」のタイトルで、マリーをめぐるイギリスの反応を取り上げながら、スポーツとチャンピオンについて述べてみたいと思います。ご期待ください。(このように前宣伝をしないと、途中でコケてしまいそうになるので、皆さんに約束です。)
投稿者 Tennisnakama 2008/09/11 01:21
マリーのファンです。以前「コートでの態度がグニャグニャ」と書かれていたのを読んで、「うっ」と一瞬息が詰まりました。鋭い指摘…。そんな処も含めて応援しています。
イギリスでの報道も自分なりにチェックしているのですが、能力的に限界があり欲求不満気味でした。
そこに Tennisnakamaさんの予告が!! (気持ちが伝わったよう!)
「アンディーマリー戦争」(なぜ戦争??) 楽しみにお待ちしております。


投稿者 jujun114 2008/09/11 04:32
フェデラーにUSオープン絶対に勝って欲しいと願っていたので嬉しいです。
鹿の様に華麗に飛びながら弾丸ショット炸裂、ロジャ最高!ああ、そうだよフェデラーはこうでなくちゃと思わせるゲームでした。マリーも頑張ったと思います。2セット目でマリーはブレイクポイントのチャンス。アドヴァンテージ/マリーの場面でフェデラーの打ったボールはアウトでしたが、ラインジャッジはその判定を出さす、マリーも途中でストップしてチャレンジせず。後でHawk-Eyeを見るとボールはアウトでした。もし、マリーがブレイクしていたら又違った試合の流れになっていたかもしれません。
Tennisnakama さんが指摘するように、NO1争いのシナリオ成立にはフェデラー復活が重要であったため、今回ホっとしました。ナダルはフェデラー同様好きな選手ですが、完全独走されるとオモシロ味に欠ける。そして続々現れてきた若手プレーヤー成長ぶりといい、ウウ来年のオーストラリアまで待てない。。今年のGSが終わってしまったのはちょっと寂しい今日この頃です。
投稿者 panz 2008/09/11 06:52
今回の大会でフェデラーの又違った一面を見れた事で個人的にボーナスポイントです。オリンピックでダブルス優勝した時に魅せたワウリンカとの儀式?!も印象深いものがありましたが、フェデラーってこんなにお茶目な人だったけ?と思わせるノリノリなリアクションがたくさん見られて、ますますファンになりました。(脇をワキワキ2回してワオーと吠えながら、その後ニコと笑う場面、テレビカメラに向かって「ダチョウ倶楽部」を彷彿?!させるような手のリアクション)
クールなフェデラー、お茶目なフェデラー、全て絵になる所さすがです。
フェデラー父が涙している場面、見ていてこちらもウルウルきました。ウィンブルドンでナダルがファミリーボックスへ登った時、フェデ父は優勝したナダル&ファミリーにたくさん拍手をしていました。あんな大接戦の長いゲーム後、そしてフェデラーのテリトリーといわれたウィンブルドンでの事でしたから、フェデ父きっと精神的には放心状態なはずです。それでも笑顔でたくさん拍手するフェデ父見て、「いい親父さんだな」という印象があったので、そういう事を含めて今回ウルウルしてしまいました。(フェデラーのスポーツマンシップ精神は親父さんからきているのかも)
実物ミルカはそんなに太っていましたか。。テレビ映りは実際よりも太く見える事を考慮していたのですが(それでも前より一回り成長していた感が)私はミルカの谷間にオオーと目がいってしまいました。美女よりどりみどりの中、内面重視をするフェデラーに好感度アップです。
次回の「マリー戦争」楽しみにしています。
投稿者 panz 2008/09/11 06:58
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