2008年11月11日
ジョコが準決勝へ
Masters Cup 2008
ジョコヴィッチ def ダヴィデンコ 7-6(3), 0-6, 7-5
興味のある方のために、できるだけ英語の表現で書くことにしました。
( )内は日本で使われている表現です。
二人のND (Novak DjokovicとNikolay Davydenko)の戦いは、二人のNGをもろに露見させてしまった試合となりました。
快調にみえたダヴィデンコ
まず第1セットの初っ端、第1ゲームからジョコ(ジョコヴィッチ)はダヴィー(ダヴィデンコ)の攻撃に押されてブレークされるというピンチに陥りました。勢いを得たダヴィーは、2ゲームからフォアハンドのインサイドアウト(逆クロス)でウィナー、ネットダッシュでウィナーと、完全にダヴィーのペースで展開。このままジョコは押し切られる感じでしたが、彼を救ったのは、ジョコのサーヴです。
0-2の3ゲーム目は、ジョコはサーヴィスウィナー(タッチエース)2本、サーヴィスエース1本、最後はお得意の左右にゆさぶりをかけてラヴゲームでサーヴィスゲームをとりました。また全く同じ展開で、5ゲーム目もラヴゲームでサーヴィスゲームを勝ち取りましたが、ジョコはどうしてもダヴィーのサーヴを破れません。スコアは5-4、このままダヴィーがサーヴィスゲームをホールド(キープ)して逃げ切るかと思われたのですが・・・あと2ポイントでダヴィーの第1セット勝利が決まる30-30。
ダブルフォルトに呪われたダヴィデンコ
あと数ポイントでセット勝ちとなると、チョーキング(固くなる)するのは勝っている方です。どうしても勝ち急いだり、ムリをして勝とうと意気込んでしまいます。ダヴィーが今までよく試合に負けるパターンがこの肝心なときのダブルフォルトなのです。「こんな大切なときになぜ1stサーヴのようなきわどい2ndサーヴをするのか?」このダブルフォルトでブレークポイントに。しかも次のショットも焦ってエラーで、ダヴィーはゲームを落としてしまいました。
このDF(ダブルフォルト)は痛かった。しかしなぜかそのあともDFの繰り返しをつづけるダヴィー。怒りと苛立と焦りですべてネガティヴなテニスとなり、タイブレークでまたDF。しかもおまけに最後のポイントもまでもDFで、ついに第1セットを落としてしまいました。理解に苦しむダヴィーのテニスです。
今度はジョコのダブルフォルト
不思議な試合が続きます。今度はジョコが最初のサーヴィスゲームで、彼のDFによってブレークされてしまいました。それからというもの、ジョコのエラーの連続です。ジョコはイライラしてラケットをコートに投げつけますが、ますますエラーがふえるばかり。今度はDFに呪われたのはジョコです。あがけばあがくほど、思い通りのテニスができず自爆して0-6の無惨な結果となってしまいました。何だか訳のわからないテニスになってきました。
ITO(インジャリータイムアウト)の効果は?
いよいよ第3セットです。3ゲーム目にダヴィーが左足首を捻ったようで、タイムアウトです。しかしタイムアウト後の彼のフットワークには異常が見られなかったので、これは念のための ITO だったのか、作戦上のタイムアウトだったのかは分かりませんが、このタイムアウトで有利になったのは、ダヴィーではなく、しばらく頭を冷やすことができたジョコだったと思います。ジョコのイライラもおさまり、二人のハイクウォリティなテニスが始まりました。
お互いブレークされることなく、サーヴィスゲームが続きます。しかし、またもやダヴィーが肝心なポイントをミスってしまいました。スコアは5-5でダヴィーのサーヴです。今度はDFではありませんがヴォレーのミスです。簡単なヴォレーでも勝てたチャンスボールをきわどくサイドライン上を狙ったためにサイドアウトしてしまいました。そしてベースラインを超えるロングのエラーでブレークポイント。続いてワイドのエラーを出してしまったダヴィーはついにゲームを落としてしまいます。ダヴィーのテニスは、ラインぎりぎりを狙ったローパーセンテージのテニスです。そして当然のごとくジョコにブレークされ、勝負はここで決まりました。
かつて「やる気がない」として受けた罰金2000ドル
デヴィデンコのダブルフォルトは有名で、2007年のSt. Petersburgでシリッチと戦ったときのことです。10回もダブルフォルトをやって、審判は「やる気がない」としてダヴィーに2000ドルの罰金を言い渡しました。こういう罰金もあるのかと当時は驚きましたが、ダヴィーのサーヴはときどき全く入らなくなることがあるのです。彼のサーヴは、あの小柄な体をエビのようにまげ、ハイジャンプして前方にすべてのパワーを伝達する、物理学から言えば理想のサーヴですが、それだけにハイリスクもあるサーヴです。セカンドサーヴにもっとスピンをかけないと、ますますDFが続いていくでしょう。こういうもったいない試合を続けていると、ダヴィーはベスト5の地位もあぶなくなるかもしれません。
ジョコヴィッチ準決勝へ
この勝利で2勝したジョコヴィッチは、次のツォンガとの試合の結果に関係なく、準決勝進出が決定しました。
「第2セットは不思議なセットだった。ちょっとしたつまずきがふくれあがってコントロールできなくなってしまった。」
「準決勝にいけることになりこれでホッとした。自分でもよくやったと思う。」
「コートに入ったら、どんな試合でも大切だといつも自分に言い聞かせているので、ツォンガとの試合も勝ちたい。」
ジョコヴィッチは今までのようにすっきりとした勝ち方ができなくなってきています。メンタルの不安定さがショットに影響しているかもしれません。最近はあのひょうきん者のハッピーなジョコの姿はなく、テニスをやりたくないような感じもします。プレッシャーに負けているように見えます。セルビアの国民のプレーッシャーだけでなく、スタジアムとホテル建設の企画に燃え、オランダのトーナメントのライセンスを競り落とした、あの野心に溢れる両親のプレッシャーもあるのでしょう。ぶつぶつ文句の言う姿もみかけます。一日もはやくあの明るいくったくのないジョコがかえってきて私たちを楽しませてほしいものです。
ジョコヴィッチ def ダヴィデンコ 7-6(3), 0-6, 7-5
興味のある方のために、できるだけ英語の表現で書くことにしました。
( )内は日本で使われている表現です。
二人のND (Novak DjokovicとNikolay Davydenko)の戦いは、二人のNGをもろに露見させてしまった試合となりました。
快調にみえたダヴィデンコ
まず第1セットの初っ端、第1ゲームからジョコ(ジョコヴィッチ)はダヴィー(ダヴィデンコ)の攻撃に押されてブレークされるというピンチに陥りました。勢いを得たダヴィーは、2ゲームからフォアハンドのインサイドアウト(逆クロス)でウィナー、ネットダッシュでウィナーと、完全にダヴィーのペースで展開。このままジョコは押し切られる感じでしたが、彼を救ったのは、ジョコのサーヴです。
0-2の3ゲーム目は、ジョコはサーヴィスウィナー(タッチエース)2本、サーヴィスエース1本、最後はお得意の左右にゆさぶりをかけてラヴゲームでサーヴィスゲームをとりました。また全く同じ展開で、5ゲーム目もラヴゲームでサーヴィスゲームを勝ち取りましたが、ジョコはどうしてもダヴィーのサーヴを破れません。スコアは5-4、このままダヴィーがサーヴィスゲームをホールド(キープ)して逃げ切るかと思われたのですが・・・あと2ポイントでダヴィーの第1セット勝利が決まる30-30。
ダブルフォルトに呪われたダヴィデンコ
あと数ポイントでセット勝ちとなると、チョーキング(固くなる)するのは勝っている方です。どうしても勝ち急いだり、ムリをして勝とうと意気込んでしまいます。ダヴィーが今までよく試合に負けるパターンがこの肝心なときのダブルフォルトなのです。「こんな大切なときになぜ1stサーヴのようなきわどい2ndサーヴをするのか?」このダブルフォルトでブレークポイントに。しかも次のショットも焦ってエラーで、ダヴィーはゲームを落としてしまいました。
このDF(ダブルフォルト)は痛かった。しかしなぜかそのあともDFの繰り返しをつづけるダヴィー。怒りと苛立と焦りですべてネガティヴなテニスとなり、タイブレークでまたDF。しかもおまけに最後のポイントもまでもDFで、ついに第1セットを落としてしまいました。理解に苦しむダヴィーのテニスです。
今度はジョコのダブルフォルト
不思議な試合が続きます。今度はジョコが最初のサーヴィスゲームで、彼のDFによってブレークされてしまいました。それからというもの、ジョコのエラーの連続です。ジョコはイライラしてラケットをコートに投げつけますが、ますますエラーがふえるばかり。今度はDFに呪われたのはジョコです。あがけばあがくほど、思い通りのテニスができず自爆して0-6の無惨な結果となってしまいました。何だか訳のわからないテニスになってきました。
ITO(インジャリータイムアウト)の効果は?
いよいよ第3セットです。3ゲーム目にダヴィーが左足首を捻ったようで、タイムアウトです。しかしタイムアウト後の彼のフットワークには異常が見られなかったので、これは念のための ITO だったのか、作戦上のタイムアウトだったのかは分かりませんが、このタイムアウトで有利になったのは、ダヴィーではなく、しばらく頭を冷やすことができたジョコだったと思います。ジョコのイライラもおさまり、二人のハイクウォリティなテニスが始まりました。
お互いブレークされることなく、サーヴィスゲームが続きます。しかし、またもやダヴィーが肝心なポイントをミスってしまいました。スコアは5-5でダヴィーのサーヴです。今度はDFではありませんがヴォレーのミスです。簡単なヴォレーでも勝てたチャンスボールをきわどくサイドライン上を狙ったためにサイドアウトしてしまいました。そしてベースラインを超えるロングのエラーでブレークポイント。続いてワイドのエラーを出してしまったダヴィーはついにゲームを落としてしまいます。ダヴィーのテニスは、ラインぎりぎりを狙ったローパーセンテージのテニスです。そして当然のごとくジョコにブレークされ、勝負はここで決まりました。
かつて「やる気がない」として受けた罰金2000ドル
デヴィデンコのダブルフォルトは有名で、2007年のSt. Petersburgでシリッチと戦ったときのことです。10回もダブルフォルトをやって、審判は「やる気がない」としてダヴィーに2000ドルの罰金を言い渡しました。こういう罰金もあるのかと当時は驚きましたが、ダヴィーのサーヴはときどき全く入らなくなることがあるのです。彼のサーヴは、あの小柄な体をエビのようにまげ、ハイジャンプして前方にすべてのパワーを伝達する、物理学から言えば理想のサーヴですが、それだけにハイリスクもあるサーヴです。セカンドサーヴにもっとスピンをかけないと、ますますDFが続いていくでしょう。こういうもったいない試合を続けていると、ダヴィーはベスト5の地位もあぶなくなるかもしれません。
ジョコヴィッチ準決勝へ
この勝利で2勝したジョコヴィッチは、次のツォンガとの試合の結果に関係なく、準決勝進出が決定しました。
「第2セットは不思議なセットだった。ちょっとしたつまずきがふくれあがってコントロールできなくなってしまった。」
「準決勝にいけることになりこれでホッとした。自分でもよくやったと思う。」
「コートに入ったら、どんな試合でも大切だといつも自分に言い聞かせているので、ツォンガとの試合も勝ちたい。」
ジョコヴィッチは今までのようにすっきりとした勝ち方ができなくなってきています。メンタルの不安定さがショットに影響しているかもしれません。最近はあのひょうきん者のハッピーなジョコの姿はなく、テニスをやりたくないような感じもします。プレッシャーに負けているように見えます。セルビアの国民のプレーッシャーだけでなく、スタジアムとホテル建設の企画に燃え、オランダのトーナメントのライセンスを競り落とした、あの野心に溢れる両親のプレッシャーもあるのでしょう。ぶつぶつ文句の言う姿もみかけます。一日もはやくあの明るいくったくのないジョコがかえってきて私たちを楽しませてほしいものです。
投稿者 Tennisnakama 23:26 | コメント(6)| トラックバック(0)
もう疲れる(^^ゞ 熱戦につぐ熱戦なんだもの・・・。すごく疲れました。
デルポとツォンガ(米国のTVではソンガって確かに聞こえます) 明日を担う若手どうしの対戦!良かったです。2人とも強かった。もうフェデラーの家の玄関をノックしているんじゃないの?ロジャーまだ開けちゃダメだよ。
サラリーマン・デンコ どうして負けちゃったの?1セット目のも取れてよかったんじゃ・・・。強かったのに勝負に弱い。 う~ん おしい!押してたのに 準決勝は目の前だったよー!
試合と関係ないですが、ラファのデ杯欠場、とても残念です。alalaさん、ポコさん、mwさん、ファンのみなさん、お察しします。。。しっかり治して欲しいですね。
デルポvsツォンガは、ツォンガが、2セットともタイブレークまでいったのにとれなくって残念。
でも、サービスエースかなりとっていましたよね。とにかくすごい打ち合い・・・まばたき忘れることしばしば・・・でした。デルポは、今のなに~~?!というすごいショットで決めていましたけど、
どちらが勝ってもおかしくない内容でしたね。
ジョコvsデンコは、2セット目はどうしたの???っという感じでしたが、このニ人もすごかったなぁ。
デンコはあんなに上手いのに・・・最後の執念みたいなものが足りないのか・・・
去年、デンコにそんな事があったんですか。10回というのは多すぎですが、ダブルフォルトなんて、
やりたくてやってる訳じゃないのに、それに対して審判が「やる気がない」と言って、罰金2000ドルを言い渡す・・・こんなことって・・・有り・・・なんですか?でも審判によってはそうならなかったかもしれないんですよね。よっぽどその審判は、見てていらついたか、デンコがあんまり好きじゃなかったんでしょうね。(そんな事あってもいいのかなぁ?) 以前、シャラポアも確か17回位ダブルフォルトしてましたけど・・・
今回のITOは待たされたジョコにとっては冷静さを取り戻すラッキーな時間となったわけですね。
Tennisnakamaさんは、やっぱり、そういう細かい所までよく分析されてますね。
p.composeさん、ラファのデ杯の件↑で、お気遣いありがとうございます。(^-^*)
さて、ジョーは負けてしまいましたね。私の印象ですが良く耐えたのではないかな、と思います。前だったらもっとずるずる行ってしまいそうなところを、何とか2度のタイブレークまで耐えました。そういう意味で彼は強くなったな、という印象を持ちました。
試合後のツォンガのコメントです。
「身体の疲れはなかったけれど、精神的な疲れがあった。先週にはあった、ここというところでの頑張りがきかなかった。ベルシーでは自分の底力を振り絞って、気力でピンチを切り抜けることができたけれど、ここではそれが足りなかった。あともうほんの少しのものが足りなかった」。
私は、ツォンガはこの経験を得て、これからもっと強くなっていくと思っています!頑張れ、ジョー!
それでも対戦相手の日本人選手は勝てなかった。
3セット11ゲーム目のダビデンコのサーブ。40-30でのネットに出たときのバック側のチャンスボール。
打ち込んだらサイドアウト。
ジュースにもつれ込んだ。
この時、ダビデンコの奥さんが写って、それまで全く笑顔のない奥さんだな~って思ってたのに笑ってるじゃないですか。
タイミング悪い。。。カメラも意地悪とは思うけども、八百長疑惑もこういうところからきちゃうのかもよ、、とダビデンコを気の毒に思いました。(って、私が完璧野次馬!)