2009年06月07日
決勝:ソダリングを知る
「僕はこんなすごい準決勝は長い間みたことがない!」解説者のマッケンローが叫びました! ソダリング Soderlingのパワフルでかつ狂いのないフォアハンド。実に74のウィナーの嵐です。しかし対戦相手のゴンザレスGonzalezもフォアハンドでは負けてはいません。59のウィナーに22のエース。信じられない緊迫したゲーム展開がつづきます。
攻撃一本のテニス。すべてライン上を狙うスーパフォアハンド。193cmの長身から落雷するサーヴで、クレー王者ナダルを粉砕した24歳のスウェーデン選手とは 一体何者なのか?
準決勝で5セット目を1-4から驚異のカムバックを成し遂げ、ゴンザレスから準決勝を奪ったソダリングは、果たしてフェデラーをも砕くことができるのか?
「もしこのレベルでソダリングがプレーしたら、誰も勝つことができない」マッケンローは断言しました。
I always knew before that when I play well, when I play my best tennis, I can beat anybody.
記者会見で「調子がよければ誰でも倒すことができる」と言い切ったソダリングとは?
(以下は彼の記者会見を要約したものです。)
「ゴンザレスのサーヴはほとんどミスがなく、リターンすらできないくらいすごいサーヴだった。だからなかなかリズムが得られなくて苦労したよ。」
tennisnakama: Gonzo(ゴンザレスのニックネーム)のサーヴを賞賛するソダリングですが、彼のサーヴもなかなか見捨てたものではありません。特にソダリングのサーヴは最高226kmを記録し、ワイドにキックするサーヴはほとんどリターン不可能でした。
1stサーヴ確率: ソダリング66% ゴンゾ68%
エース:ソダリング16、ゴンゾ22
1stサーヴ平均速度:ソダリング201km、ゴンゾ189km
「5セットで1-4になったときは、僕は疲れていた。でも敗北を目前にしたとき、このままでコートを去っていくことはできない!どんなことをしてもベストを尽くさなければ!と自分にいいきかせたんだ。そして全力を振り絞ってがんばった。そうしたら突然ショットがまた決まるようになってきた。
ゴンザレスのサーヴがよくて最初はなかなかとれなかったので、後ろに下がってしまっていた。でも最後は思い切って前にでて、早めにリターンをとることにしたんだ。するとリターンができるようになって、後はすべてがうまくいきだしたんだ。」
tennisnakama: この第5セットのカムバックの状況を具体的に説明してみたいと思います。モメンタムのシフトがどこで起こり、完了したかがよくわかります。
1-4 Soderling’s serve
第2ゲームでブレークされてしまったソダリングは、ダブルフォルトをしたりエラーが続くが何とかサーヴィスゲームをホールド。
2-4 Gonzalez’s serve
ソダリングが突然、アグレッシヴにリターンダッシュ。ゴンゾの不意をついてネットで決める。ガッツのあるリターンウィナーでブレークポイント。今度はリターンエースでゴンゾをブレーク。モメンタムのシフトがソダリングへ。
3-4 Soderling’s serve
勢いのついたソダリングはオフェンスの手をゆるめず、サーヴ&ヴォレーで決めたあとは、モメンタムを維持するために、ウィナー狙いはやらずプレースメント重視でゴンゾのエラーをさそって40-0でサーヴィスゲームをホールド。
4-4 Gonzalez’s serve
ゴンゾはプレッシャーに負けてエラー。ラインジャッジに文句をつけるが成功せず。完全にモメンタムがシフトして、再びブレークを許してしまう。
5-4 Soderling’s serve
リズムと自信を取り戻したソダリングの攻撃はもはやとどまるところ知らず、最後は武器のフォアのダウンザラインでマッチポイントをとって勝利。
「この2週間は自分でも驚いているくらいなんだ。昔と違うのはconsistency。自分のテニスが安定してきること。」
tennisnakama: consistencyとはエラーが少ないこと。今回は45もありましたがこれは5セットまでの合計ですから、3セットの試合だとすれば27くらいになり、74ものウィナーをとってる割には、エラーは少ないような気がします。またマッケンローで申し訳ないのですが、風の強い日にこれだけ正確なウィナー(ほとんどラインに近い)を打てること自体が信じられないと言っておりました。
「ナダルと対戦したとき、彼を倒すのは不可能な存在だった。でも倒せないと思って戦うことは意味がないからね。クレーの記録を更新している彼を破れたことは、僕にとって一生忘れられない重要な出来事なんだ。」
tennisnakama: 「でもあまり喜びに浸っていたくないんだ。僕には優勝するという大きな目的があるからね。それを達したら十分喜びを味わいたい。」 感情を押さえることに関しては、任しておいてとでもいいたげな彼はやっぱり北欧スカンディナビア人。
「フェデラーにはずーっと負けているけれど(0勝9敗)、勝てそうなときもあったよ。ナダルと試合したときはナダルが本命だったけれど僕は勝ったしね。この決勝もフェデラーが本命だけれど、分からないよ。ナダルのときみたいにね。」
tennisnakama: あっさり言ってのける神経が怖い。
「僕はこの試合はどんなことがあっても勝ちたい。僕にはチャンスがあると思う。」
準決勝ではゴンゾの応援のほうが多かったことについて、「ああそうなの?僕気がつかなかった。すごく集中していたからね。」とサラリと言ってのけたソダリングはただ者ではない気がします。
ゴンゾがソダリングを逆なでするような仕草をやっても平気。
会場がこぞってフェデラーを応援しても平気。
チェンジオーヴァーのときに、頭にすっぽりタオルをかぶってフォーカスが途切れないように集中したソダリング。
ゴンゾにあやうく負けそうになっても、大胆なショットでモメンタムを自分のものにシフトさせ、最後は自分の得意なフォアのウィナーでゴンゾの首をとった不敵なソダリング。
ボルグに続いてウィランダーが全仏で最後の優勝を飾ったのが1988年。ソダリングには21年ぶりのスウェーデンの全仏優勝の悲願ががかかっています。
一方フェデラーは全仏のタイトルと同時にサンプラスに追いつく14個のGSタイトルという世界の期待を背負っています。
いよいよ2009年の全仏決勝があと4時間後に始まります。(そろそろ朝の5時。今日も徹夜です。試合のときに居眠りをしないかとちょっと心配ですが、頑張るぞ!)
攻撃一本のテニス。すべてライン上を狙うスーパフォアハンド。193cmの長身から落雷するサーヴで、クレー王者ナダルを粉砕した24歳のスウェーデン選手とは 一体何者なのか?
準決勝で5セット目を1-4から驚異のカムバックを成し遂げ、ゴンザレスから準決勝を奪ったソダリングは、果たしてフェデラーをも砕くことができるのか?
「もしこのレベルでソダリングがプレーしたら、誰も勝つことができない」マッケンローは断言しました。
I always knew before that when I play well, when I play my best tennis, I can beat anybody.
記者会見で「調子がよければ誰でも倒すことができる」と言い切ったソダリングとは?
(以下は彼の記者会見を要約したものです。)
「ゴンザレスのサーヴはほとんどミスがなく、リターンすらできないくらいすごいサーヴだった。だからなかなかリズムが得られなくて苦労したよ。」
tennisnakama: Gonzo(ゴンザレスのニックネーム)のサーヴを賞賛するソダリングですが、彼のサーヴもなかなか見捨てたものではありません。特にソダリングのサーヴは最高226kmを記録し、ワイドにキックするサーヴはほとんどリターン不可能でした。
1stサーヴ確率: ソダリング66% ゴンゾ68%
エース:ソダリング16、ゴンゾ22
1stサーヴ平均速度:ソダリング201km、ゴンゾ189km
「5セットで1-4になったときは、僕は疲れていた。でも敗北を目前にしたとき、このままでコートを去っていくことはできない!どんなことをしてもベストを尽くさなければ!と自分にいいきかせたんだ。そして全力を振り絞ってがんばった。そうしたら突然ショットがまた決まるようになってきた。
ゴンザレスのサーヴがよくて最初はなかなかとれなかったので、後ろに下がってしまっていた。でも最後は思い切って前にでて、早めにリターンをとることにしたんだ。するとリターンができるようになって、後はすべてがうまくいきだしたんだ。」
tennisnakama: この第5セットのカムバックの状況を具体的に説明してみたいと思います。モメンタムのシフトがどこで起こり、完了したかがよくわかります。
1-4 Soderling’s serve
第2ゲームでブレークされてしまったソダリングは、ダブルフォルトをしたりエラーが続くが何とかサーヴィスゲームをホールド。
2-4 Gonzalez’s serve
ソダリングが突然、アグレッシヴにリターンダッシュ。ゴンゾの不意をついてネットで決める。ガッツのあるリターンウィナーでブレークポイント。今度はリターンエースでゴンゾをブレーク。モメンタムのシフトがソダリングへ。
3-4 Soderling’s serve
勢いのついたソダリングはオフェンスの手をゆるめず、サーヴ&ヴォレーで決めたあとは、モメンタムを維持するために、ウィナー狙いはやらずプレースメント重視でゴンゾのエラーをさそって40-0でサーヴィスゲームをホールド。
4-4 Gonzalez’s serve
ゴンゾはプレッシャーに負けてエラー。ラインジャッジに文句をつけるが成功せず。完全にモメンタムがシフトして、再びブレークを許してしまう。
5-4 Soderling’s serve
リズムと自信を取り戻したソダリングの攻撃はもはやとどまるところ知らず、最後は武器のフォアのダウンザラインでマッチポイントをとって勝利。
「この2週間は自分でも驚いているくらいなんだ。昔と違うのはconsistency。自分のテニスが安定してきること。」
tennisnakama: consistencyとはエラーが少ないこと。今回は45もありましたがこれは5セットまでの合計ですから、3セットの試合だとすれば27くらいになり、74ものウィナーをとってる割には、エラーは少ないような気がします。またマッケンローで申し訳ないのですが、風の強い日にこれだけ正確なウィナー(ほとんどラインに近い)を打てること自体が信じられないと言っておりました。
「ナダルと対戦したとき、彼を倒すのは不可能な存在だった。でも倒せないと思って戦うことは意味がないからね。クレーの記録を更新している彼を破れたことは、僕にとって一生忘れられない重要な出来事なんだ。」
tennisnakama: 「でもあまり喜びに浸っていたくないんだ。僕には優勝するという大きな目的があるからね。それを達したら十分喜びを味わいたい。」 感情を押さえることに関しては、任しておいてとでもいいたげな彼はやっぱり北欧スカンディナビア人。
「フェデラーにはずーっと負けているけれど(0勝9敗)、勝てそうなときもあったよ。ナダルと試合したときはナダルが本命だったけれど僕は勝ったしね。この決勝もフェデラーが本命だけれど、分からないよ。ナダルのときみたいにね。」
tennisnakama: あっさり言ってのける神経が怖い。
「僕はこの試合はどんなことがあっても勝ちたい。僕にはチャンスがあると思う。」
準決勝ではゴンゾの応援のほうが多かったことについて、「ああそうなの?僕気がつかなかった。すごく集中していたからね。」とサラリと言ってのけたソダリングはただ者ではない気がします。
ゴンゾがソダリングを逆なでするような仕草をやっても平気。
会場がこぞってフェデラーを応援しても平気。
チェンジオーヴァーのときに、頭にすっぽりタオルをかぶってフォーカスが途切れないように集中したソダリング。
ゴンゾにあやうく負けそうになっても、大胆なショットでモメンタムを自分のものにシフトさせ、最後は自分の得意なフォアのウィナーでゴンゾの首をとった不敵なソダリング。
ボルグに続いてウィランダーが全仏で最後の優勝を飾ったのが1988年。ソダリングには21年ぶりのスウェーデンの全仏優勝の悲願ががかかっています。
一方フェデラーは全仏のタイトルと同時にサンプラスに追いつく14個のGSタイトルという世界の期待を背負っています。
いよいよ2009年の全仏決勝があと4時間後に始まります。(そろそろ朝の5時。今日も徹夜です。試合のときに居眠りをしないかとちょっと心配ですが、頑張るぞ!)
投稿者 Tennisnakama 17:56 | コメント(3)| トラックバック(0)
今日はどうしてもフェデラーに勝って欲しい!!
二人の過去の対戦スタッツを見て、勝敗は勿論、サービスエースの数も1試合を除いてはロジャーが優っているし「ロジャー優勝」と自分に言い聞かせていましたが...勢いのあるソダーリング怖いですね。ドキドキです。杞憂でありますように!
2セットを終えてフェデラーの2-0。
今日のフェデラーは、バックハンドのエラーはありますが、安心して見ていられるフェデラーのプレイができている感じです。サーブがよく決まっていますね。やりたいことがやれています。
しかし、2セット目からはソダーリングもサービスゲームでは自分のやりたいことができるようになってきました。