2009年06月24日
ナダルのあらたな試練
バルセロナの新聞、 La Vanguardiaの記事のサブタイトルが世界のナダルファンに新たなショックを与えています。
Tiene una lesi〓n, pero la separaci〓n de sus padres tambi〓nle ha afectado
「怪我を負ったナダルに両親の別居も影響か」
6月21日付けの記事,La realidad de Nadal「ナダルの現実」の記事のサブタイトルで、両親の別居が明らかになったからです。このたったの一行が与えた影響は大きく、イギリスのタイムズやニューヨークタイムズなどの名門紙がとりあげて報道をしたため、世界にこの噂が広がってしまいました。それでなくても辛い日々を送っているラファがどんなに傷ついているかと思えば、本当に悲しくなります。
今のところは、ナダルのプライヴァーシーを尊重して、どのメディアも興味半分に掘り下げるようなことはしていませんが、タブロイドのゴシップ雑誌に掲載されるのも時間の問題。書店やキオスクに両親の別居が書きたてられたラファの気持ちを考えると胸が痛みます。
いろんな情報をまとめてみると、ナダルの両親の別居の話はすでに、スペイン人の Marta Cibelinaがブログで5月に掲載。また Peter Bodoが Tennis.comでもとりあげています。
またESPNは今日の記事で、そういえば4月のマイアミのトーナメントも変だったと書いています。マイアミではナダルはそれほど調子のよいとは思えないデルポトロに敗北。試合後の記者会見で、「今日の自分は普段のレベルではなかった。負けにはいつも原因があるんだ。でもそれはプライヴェートなことだから。」と微妙なナダルの発言をあげて、この頃からすでに彼を悩ましていたのではないかと憶測しています。
このようにいろいろ調べてみた結果、やはりラファの両親の別居の話は本当のようです。
彼が全仏前のインターヴューで「コートでの最大のヴィクトリーは? コート外の最大のヴィクトリーは?」の質問に、「コートではウィンブルドンの優勝。コートの外では僕のファミリーがヴィクトリーだ。」とけなげに答えています。
このときすでに彼の両親は別居していたかもしれないと思うと、「僕の勝利は家族なんだ」と答えた彼の心境はどんなに複雑ものだったでしょう。あれほど「ファミリーが一番」と自慢にしていたファミリーはもう存在しないのです。
トニー・ナダルの言葉を思い出します。
「ラファは小さいときからとても素直ないい子だった。反抗期なんてこれっぽっちもなくてね。ラファはまだ子供みたいな幼いところがあるんだよ。」
これはマヨルカのナダル城(同じビルに親族が同居)の中で、幼友達と結束の固い血縁関係の中で育てられたラファの特長を語っていると思います。
いわゆる両家のおぼっちゃまで、世間の荒波に揉まれることもなく、好きなテニスやサッカーに没頭できたこと。
おじさん(トニーナダル)の言うことを疑わずに従ってきたこと。
23歳で家族とまだ同居していること。
幼友達がガールフレンドであること。
もし私たちがこの青年がナダルであることを知らなければ、このプロフィールから即座に「精神的に自立ができていない青年」というイメージを抱くでしょう。
一方では数十億円も稼ぐラファ。一方では両親と住むことを望んでいるラファ。
これはやはりアンバランスだと言わざるを得ません。ひたすらテニスの向上に、人生のすべてを賭けてきたラファにとっては、テニス以外の人生に対して免疫がなかったといえます。家族のガードが余りにも固くて、ある意味で大人になる機会がなかった。
幸せだと信じてきたことが意外ともろく崩れることを知ったラファ。
自分の大切な宝物が永久的なものでないことを知ったラファ。
トーナメントで優勝してトロフィーを持ち帰っても、一緒に祝ってくれたあの家族はもう存在しないのです。
なんの為に戦うのか?
自分は一体なんのためにテニスをしているのか?
これから何をしていきたのか?
人生について根本的な問い直しの時間が持てたことは、ラファの人間成長にとって必要なプロセスだったような気がします。
マレーは新しく家を買って、3年間付き合ってきたガールフレンドと住み始めました。マレーも両親がティーンネージャーのときに離婚をして、悲しい思いを経験しています。しかしマレーは母の巣から独立して、自分の巣を作り始めています。「今の僕があるのは彼女のおかげ」この彼女とはガールフレンドのキムのことです。
フェデラーは9年間の長い春に終止符をうち結婚、もうすぐ赤ちゃん誕生です。
膝のケガ。両親の別居。この辛い時期をきっとガールフレンドのジスカが癒してくれるはずです。「僕のヴィクトリーはファミリーなんだ」と語ったラファ。試合でヴィクトリーを勝ち得たように、コート外でも立派にヴィクトリーを勝ち得てくれると信じます。
ラファはやっぱりヴィクトリーが一番似合うのです。
Tiene una lesi〓n, pero la separaci〓n de sus padres tambi〓nle ha afectado
「怪我を負ったナダルに両親の別居も影響か」
6月21日付けの記事,La realidad de Nadal「ナダルの現実」の記事のサブタイトルで、両親の別居が明らかになったからです。このたったの一行が与えた影響は大きく、イギリスのタイムズやニューヨークタイムズなどの名門紙がとりあげて報道をしたため、世界にこの噂が広がってしまいました。それでなくても辛い日々を送っているラファがどんなに傷ついているかと思えば、本当に悲しくなります。
今のところは、ナダルのプライヴァーシーを尊重して、どのメディアも興味半分に掘り下げるようなことはしていませんが、タブロイドのゴシップ雑誌に掲載されるのも時間の問題。書店やキオスクに両親の別居が書きたてられたラファの気持ちを考えると胸が痛みます。
いろんな情報をまとめてみると、ナダルの両親の別居の話はすでに、スペイン人の Marta Cibelinaがブログで5月に掲載。また Peter Bodoが Tennis.comでもとりあげています。
またESPNは今日の記事で、そういえば4月のマイアミのトーナメントも変だったと書いています。マイアミではナダルはそれほど調子のよいとは思えないデルポトロに敗北。試合後の記者会見で、「今日の自分は普段のレベルではなかった。負けにはいつも原因があるんだ。でもそれはプライヴェートなことだから。」と微妙なナダルの発言をあげて、この頃からすでに彼を悩ましていたのではないかと憶測しています。
このようにいろいろ調べてみた結果、やはりラファの両親の別居の話は本当のようです。
彼が全仏前のインターヴューで「コートでの最大のヴィクトリーは? コート外の最大のヴィクトリーは?」の質問に、「コートではウィンブルドンの優勝。コートの外では僕のファミリーがヴィクトリーだ。」とけなげに答えています。
このときすでに彼の両親は別居していたかもしれないと思うと、「僕の勝利は家族なんだ」と答えた彼の心境はどんなに複雑ものだったでしょう。あれほど「ファミリーが一番」と自慢にしていたファミリーはもう存在しないのです。
トニー・ナダルの言葉を思い出します。
「ラファは小さいときからとても素直ないい子だった。反抗期なんてこれっぽっちもなくてね。ラファはまだ子供みたいな幼いところがあるんだよ。」
これはマヨルカのナダル城(同じビルに親族が同居)の中で、幼友達と結束の固い血縁関係の中で育てられたラファの特長を語っていると思います。
いわゆる両家のおぼっちゃまで、世間の荒波に揉まれることもなく、好きなテニスやサッカーに没頭できたこと。
おじさん(トニーナダル)の言うことを疑わずに従ってきたこと。
23歳で家族とまだ同居していること。
幼友達がガールフレンドであること。
もし私たちがこの青年がナダルであることを知らなければ、このプロフィールから即座に「精神的に自立ができていない青年」というイメージを抱くでしょう。
一方では数十億円も稼ぐラファ。一方では両親と住むことを望んでいるラファ。
これはやはりアンバランスだと言わざるを得ません。ひたすらテニスの向上に、人生のすべてを賭けてきたラファにとっては、テニス以外の人生に対して免疫がなかったといえます。家族のガードが余りにも固くて、ある意味で大人になる機会がなかった。
幸せだと信じてきたことが意外ともろく崩れることを知ったラファ。
自分の大切な宝物が永久的なものでないことを知ったラファ。
トーナメントで優勝してトロフィーを持ち帰っても、一緒に祝ってくれたあの家族はもう存在しないのです。
なんの為に戦うのか?
自分は一体なんのためにテニスをしているのか?
これから何をしていきたのか?
人生について根本的な問い直しの時間が持てたことは、ラファの人間成長にとって必要なプロセスだったような気がします。
マレーは新しく家を買って、3年間付き合ってきたガールフレンドと住み始めました。マレーも両親がティーンネージャーのときに離婚をして、悲しい思いを経験しています。しかしマレーは母の巣から独立して、自分の巣を作り始めています。「今の僕があるのは彼女のおかげ」この彼女とはガールフレンドのキムのことです。
フェデラーは9年間の長い春に終止符をうち結婚、もうすぐ赤ちゃん誕生です。
膝のケガ。両親の別居。この辛い時期をきっとガールフレンドのジスカが癒してくれるはずです。「僕のヴィクトリーはファミリーなんだ」と語ったラファ。試合でヴィクトリーを勝ち得たように、コート外でも立派にヴィクトリーを勝ち得てくれると信じます。
ラファはやっぱりヴィクトリーが一番似合うのです。
投稿者 Tennisnakama 14:04 | コメント(10)| トラックバック(0)
いつも正確で・公平な情報をありがとうございます☆
それにしても辛いですね・・・親としてこんな時に傍に居てあげないなんて、信じられません!
親ならなんとしても☆全仏5連覇達成☆させてあげたいと願い、その手助けをするものだと思うのに!
でも現実は受け入れなければ、そして真の王者を目指して強く成長してくれるといいですね!
本当に心から彼の復活を待ち望みます☆
別居も離婚もよくある話しですけど、ナダルの両親がそうだなんて疑ってもみませんでした。故郷が大好きで、ファミリーを大切にしているナダルには、辛いできごとですね。。。ショックです。
だけど、ある意味、今まで恵まれていて幸せ過ぎたかもしれないナダルが、少年青年大人へと成長する過程を見守れるなんてしあわせです。人間ですもの弱い部分があって当然!誰しも何かしら問題を抱えているものだと思います。メディアに流されないように、今は、また一段と進化したナダルを早く見たい!そんな気持ちでいっぱいです。
しかも、膝で挫折を味わっているであろうこの時期に、それが記事になっているとは、ラファの気持ちを考えると胸が痛くなります。そしてラファファンの方達の気持ちも察するに余りあります・・・。
しかし、人生はいろんなことが起こって、(現にウイリアムズ姉妹など両親が離婚していても応援はそれぞれ来てますしね) テニス選手でなくても それを乗り越えなくてはならない事が必ず起こります。勿論、こんなに過酷なスポーツのNo.1ですから、私たちのそれとは比べ物にならない事は承知の上で・・・。
精神的自立、身体の克服、何が起こっても それを乗り越えるのはラファ本人で、私たちはそれを見守って、応援していくしかないんですよね。
ラファは今 本当に傷心・・・心身共に疲れきっているのでしょうね。恋人がいることは幸いでした。
ラファの笑顔が早く戻ってくれる事を祈ります。あまり、マスコミで騒がれませんように・・・。
VAMOS RAFA!!
どうかラファも彼のようにはならないで!と思わずにはいられませんでした。
それなのに追いうちをかけるように、家族の問題が浮上するなんて・・・。
現在のラファの心中を思うと、やりきれないですね。
いったんツアーのことは忘れて心身共にじっくり休んでほしいものです。
メンタルの強いラファのことだから、
きっとひと回りもふた回りも成長してツアーに戻ってくることでしょう。
心からそう願っています。
Tennisnakamaさん、
いつも日本では知ることのできない、貴重な情報を取り上げて下さってありがとうございます。
ラファの続報のみならず、他のプレーヤーたちのこともぜひお願いしますね。
特に昨日、今日のブログは涙なくしては読めませんでしたよ(涙)
この二日間は厳しい話題となりましたが、選手たちが想像以上の困難な環境の中で戦っていることをお伝えしたくて記事にしました。好意的なコメントをいろいろいただきありがとうございました。結構資料集めに時間がかかりましたが、喜んでいただけて嬉しいです。
Twitterではお知らせしましたが、ラファの膝は34週間で治るという医者の診断を受けました。でもケイヒルが言っていたように完治してなければ元の木阿弥。焦らないでじっくりと治してほしいですね。時間に勝つことは誰もできないのですから。
ラッキーなことにラファは若くまだまだ時間が許されています。ゆっくりと膝と家庭の不幸の傷を癒してほしいですね。
ツアーの連続によって酷使される肉体と精神、ドラッグテスト問題、コートではたった一人で戦わなければならない孤独。プロテニスは最も過酷な環境での戦いを強いられるスポーツだと言っても過言じゃないと思います。
エナンもドキッチもあのウィリアムズ姉妹もかつては家族の問題に悩まされていましたね。成功した子供の両親の問題はどの世界でもありがちですよね。
でももうラファは、ナダルファミリーの神童ラファではなく、世界のラファなのですから、ここを乗り越えて、もう一回り大きな選手になって欲しい、そして、1日でも長く活躍して欲しいと心から願っています。
筋肉は鍛えれば強くなるでしょうけど使うと消耗してしまう部分もあるということを改めて感じました。選手としては、自分の資産目録を洗い出して選手生活の期間に上手く配分してほしものです。
今、ウインブルドン真っ最中でtennisnakamaさんも選手同様、体力勝負ですねエ・・・^^;
今回のナダルの辞退は非常に残念ですが、ナダルに更なる成長の余地があるという事で
理解しています。丁度、今の状態は鋼を強くする”焼き入れ”の時とでも申しましょうか。
今はつらい時期でしょうが、守るべき家族を作り、更なる強靭な肉体を得た無敵のナダルが、
またメジャーで見られるのを期待したいと思います。
ところで、ふと疑問に思った事がありました。一つめは怪我についてです。ツアープレーヤー達は
多かれ少なかれ怪我に悩まされるとは思いますが、中にはほとんど怪我に無縁な選手もいます。
その差は何処にあるのでしょうか。二つめは、日本人女子と男子の違い。ウインブルドン本戦に
日本人女子プレーヤーが5人も出場してるにもかかわらず男子は1人も出ていない(出られない)
のはなぜか。tennisnakamaさんのご意見をいただければと思います。
親としての愛情がなくなるわけじゃないので、それぞれがナダルを支えて行けば良いことだし、実際そうされているのでしょう。
これからもこの問題でマスコミがうるさくなるでしょうが、そこに触れないでいることも難しいしナーバスになっていては乗り越えて行けないと思います。ゴシップに煩わされるのは大変でしょうが、踏ん張って欲しい!
p.composeさんが書いている昨年のWBの一幕もほんとにそうでしたね。フェデラーの敗北で呆然としているさなか、ナダルファミリーの幸せそうな場面を観たのを思い出します。
新しいテニスを切り開くナダルの復活を待つばかりです。