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ロディックが変わった!コナーズ時代

ウィンブルドン決勝で5セットの死闘のバトルを展開、フェデラーに最後までブレークを取らせなかったロディックは世界のテニスファンに感動を与えました。

ロディックが強くなった!

軽いフットワーク、過激なオフェンス、華麗なネットプレー、前後左右をフルに使った立体的テニス、相手に予測させない意外なショットメイキング・・・そして最も驚いたのは、ミスをしてもパニックに陥らない冷静な態度。この新しいロディックに世界は新鮮なショックを受けました。今回はロディックがどのように進化していったのか? 前コーチのコナーズと現コーチのステファンキの二編にわけて、ロディックについて迫ってみたいと思います。

コナーズ時代のRoddick
2年前のUS Openで、ロディックのコーチであったジミー・コナーズのとなりにすわって観戦したことがありましたが、このときのロディックと今年の決勝で見たロディックは全くの別人でした。

ロディックのテニスは、サーヴを基本にした一面的なゲームが弱点とされていました。彼の武器である爆発的なサーヴも、最近は選手が慣れてきたせいもあって威力が薄れ、サーヴィスゲームだけでは勝てなくなってきていました。
重いフットワーク、予期されやすいショットメイキング、貧しいネットプレー・・・ロディクのテニスには改善される余地が山積していたのです。

今まで両手バックのトップスピンしか打てなかったロディックに、コナーズが片手バックハンドを徹底的に叩き込みました。しかしフェデラーのように、このバックハンドスライスをアプローチショットまで使いこなすことはできず、ネットプレーは未完全のまま。ネットダッシュのタイミングや立つポジションが悪くパッシングショットで抜かれてしまう。宿題を多く残しながら、コナーズはスケジュールの関係でロディックのコーチを辞任してしまいました。

2年前の試合で観たロディックは、ポイントごとにコナーズを見上げて、彼の承認を得てるようなところがありました。絶えずコーチボックスを気にしてプレーしていますので、勝っていても自信がないような印象を受けます。しかもうまくいかなかったときは怒鳴り散らしたり、アンパイアに食いついたり、あまり紳士的とはいえない態度で正直言って、コート内のロディックは私は好きではありませんでした。

コートの外では、現役の選手の中では最も慈善事業に積極的に参加した一人として、彼の貢献度は高く評価されてきました。エルトン・ジョンがロディックの結婚式になぜパーフォーマンスをやってくれたか? それは長年エルトンジョンのファンドレイジングのイヴェントに参加して協力してきたからです。ロディックの独特のスパイスのきいたジョークは面白く、テニス界にカラーを与える貴重な存在で、私はコート外のロディックには好感を抱いていました。

コナーズがロディックに与えた影響は、バックハンドスライスの他に観客を取り込む技術です。コナーズのテニスの面白さの一つに、観客に向かってけしかけるショーマンシップがあります。会場を自分の味方にする。この技ではコナーズの右に出る者がおりません。ときどき調子にのったツォンガが客席に向かって、呼びかけていますが、ツォンガはコナーズに比べれば子供のレベルです。

観客に話かけるのはよいのですが、集中力が途切れます。しかもアンパイアにケチをつけることが多くなりました。錦織選手が初めてロディックと対戦した時のロディックの態度は最たるものでした。子供のような年齢の錦織選手に対して、脅す、ケチをつける、そしてアンパイアにくってかかる。あの試合を観て私は煮え返るように腹が立ちました。ロディックは元No.1の選手です。元チャンピオンの醜態をみて、テニスファンはロディックに痛く失望しまた怒りを覚え、ロディックバッシングがブログで行われたことは言うまでもありません。

コートの外では明るい好青年のロディックが、コートの中ではなぜバッドボーイに豹変するのか? バッドボーイと呼ばれたコナーズのコーチのもとで、ロディックはミニコナーズになってしまったような印象を受けたのです。

あの錦織選手とのサンホゼの試合から一年5ヶ月が経ちました。

(次回はステファンキをコーチに迎えて、ロディックがどのように変化していったか? ロディックの進化について述べてみたいと思います。)


投稿者 Tennisnakama  01:12 | コメント(6)| トラックバック(0)
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コメント
tennisnakamaさんこんにちは。いつも貴重な情報が満載な楽しいHPありがとうございます。
ロディックがいかにも典型的で率直なアメリカンボーイな姿に好感を抱いていましたが、私も錦織選手との試合以来、いくら勝ちが欲しいにしても他に方法はないのか、、と好きではなくなっていました。
でもフェデラーとの試合は本当に素晴らしかった。
ナダルが居てくれたら・・とも、フェデラーはやっぱり王者でいてほしい・・とか、ロディックの心打たれる熱い戦いっぷりを前に、ロディック勝ってほしい・・とも思うウィンブルドンでhした。
本当に一人に絞れない程、魅力あふれる選手が多い 今の男子テニス会に目が離せません!
投稿者 ERI 2009/07/08 02:36
ERIさん、
今年のウィンブルドンはナダルの欠場で寂しい思いをしましたが、その分ニューボールズたちの活躍で古いテニスファンには堪えられない大会となりましたね。

特に面白かったのは、ロディックvsヒューイットの5セットのバトルでした。あのときのヒューイットはすばらしかった。あの生意気なヒューイットが結婚をし、父となってから、人が変わりました。テニスにも彼の成長がみられ、腰の手術後のカムバックにみる彼の健闘ぶりに、真のアスリートたるやを見る思いで、嫌いだった私も彼のファンになってしまいました。こうしてどんどん嫌いだった選手を応援するようになって、ますますいそがしくなり嬉しい悲鳴です。
投稿者 tennisnakama 2009/07/08 05:04
こんにちは
コーチによって、ここまで、プレイや態度が変わるものなのか!とロディックを見て
正直、驚きました。
もちろん、本人の潜在能力、才能、素直に聞く心、自分を信じる気持ち、そして何より努力がロディックにはあったと言うことですね。
ゴンザレスのコーチだったステファンキ(そういえば、ゴンちゃんも変わりましたよね!)がロディックからオファーを受けてることをゴンちゃんに相談したとき、ゴンちゃんは快く「それは、君にとってもいいチャンスだから是非、受けるべきだ。」と背中を押してくれたということです。
ロディックは、心の広いゴンちゃんにも感謝ですね!
投稿者 sara 2009/07/08 08:49
tennisnakamaさん、いつも楽しく拝見しています。
今回、大好きなジミー・コナーズの話題でしたので初めて投稿します。
コナーズが観客を味方に付ける、「ショーマンシップ」は、もう30年近く前になりますが、ボルグ vs コナーズの試合で初めて見て魅了されました。テニスという形でのエンターテイメントを知った瞬間でした。元祖(?)悪童のコナーズは、審判へのアピールも笑いを誘い、対戦相手への敬意もすばらしく、多彩なパーフォーマンスで観客を味方につけていたように思います。トッププレイヤーがテニスの技、スーパーショットで楽しませてくれますが、観客を味方に付けるショーマンシップを持ったコナーズの真の後継者が新たに出てきてくれると楽しいですよね。 風土なのか環境なのか、やっぱりアメリカンの中に出てきそうで期待しちゃいますね。日本人は苦手な分野と思いますが、そんな日本人がもうそろそろ出てきてもいいかな、と思ってます。
本家(?)悪童と言われたマッケンローも好きでしたが、コートの中で審判に文句つけ過ぎでしたね。
 ボルグやマッケンローの話題は出てくるのですが、なかなかコナーズの話題が少なくって・・・。もう一度コナーズのパーフォーマンスを見たいんですが、以前のDVDってなかなか見つかりませんね。
投稿者 connorsdaisuki 2009/07/09 09:21
saraさん、
ゴンザレスとのいきさつは詳しく書きませんでしたが、ロディックから連絡を受けたときは、ステファンキはそろそろカリフォルニアに戻ってアメリカの選手、特にジュニアの育成に貢献したいと思っていたところだったのです。彼は5日間眠らず迷ったそうです。ゴンザレスもステファンキの心が動いているのを知った以上、彼を止めることはできなかったのでしょう。ステファンキはロディックのコーチとなっても、僕のアドヴァイスが必要ならいつでも声をかけてくれ、とゴンザレスに言ったそうで、この二人今でもよい関係が続いています。
connorsdaisuki さん、
嬉しいですね。古きテニスファンにお目にかかれて。コナーズに惹かれて彼のラケットを買ったくらいですが、コーチ業も合わなかったみたいですね。解説もしないし、試合にも出ないし、もったいないですね。
投稿者 tennisnakama 2009/07/09 23:13
connorsdaisuki さん、はじめまして。コナーズと言われれば出ない訳にはいくますますまいww
最近だと日本では「虫コナーズ」という防虫剤で耳にする機会が増えてますねww
話を戻して、っと。
コナーズは観客を乗せるのが本当に上手く、背中がゾクゾクするような雰囲気の中で更に凄いスーパーショットを放ち、会場全体を興奮のルツボと化してましたよねぇ♪♪ 特にUSOっっ!!
一時期ボルグに頭を押さえつけられてB4が多かったですが、マックがボルグを撃退してから引退までがあっという間でしたので、歳を取り過ぎる前に再びやってきたチャンスをしっかりモノにしてマックを破ったウインブルドン決勝での喜びの大ジャンプは新鮮でした!それまでは「跪いて喜ぶ」ばっかりでしたからねww フォアハンドを打った際、自分の顔にラケットぶつけて痛がったり(400gオーバーのスチールラケットだから効きますよw)対ルコント戦でルコントが試合中貧血で倒れたときも観客と上手くやりとりして回復するまでの時間稼ぎをしてあげたり、と逸話が絶えない選手でした。
コナーズが愛してやまなかったラケット「T-2000」を時々今も使っています。ちっちゃいスよwww

投稿者 種丸 2009/07/11 22:24
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