2009年10月30日
アガシのドラッグ使用の告白の真意?
アガシの爆弾発言のニュースが、嵐のように世界を駆け巡った二日間でした。ニューヨークタイムズでは関連記事を7回も掲載。イギリスのメジャーな新聞は最低4回。ドイツやフランスのメディアも数回掲載するというインテンシヴな報道ぶりからも、いかに世界が彼の発言にショックを受けているかが分かります。
11月9日に新しく発行される自伝『OPEN』のPRのために、アガシはPeople MagazineとTimesのインタービューを受け、ドラッグを使用していたことを告白しました。しかも1997年のドラッグテストにひっかかり、偽りの事情説明をしてATPの処分から逃れた事実も暴露したのですから、テニス界は大騒ぎとなってしまいました。
マッケンローも過去、自伝「You Cannot Be Serious」でコケインなどのドラッグを使用したことを告白していますが、前妻の女優テイタム・オニールはドラッグの常習者として知られていましたし、彼自身の性格からも想像できないことではないので、出版当時はほとんど問題にもなりませんでした。
しかし今のアガシには悪童から改心して、チャリティー活動に生涯を捧げ、家族を愛する聖者のようなイメージがありますので、まさか!あのアガシが!なのです。
有名人の自伝には、成功物語と暴露物語の二つに分かれるようですが、昨年のサンプラスの『 A Champion's Mind』はスタンダードな成功物語で、苦難な道をへて勝ち得たチャンピオンの栄光の話となっています。
しかしあと10日間で発売されるアガシの自伝は、a tell-all book で、危険なドラッグとして知られるクリスタル・メタンフェタミン Crystal Methamphetamineを使用していたことや、嘘の説明で出場停止処分を免れたことなどが告白されているため、アガシはローモデルとして最も尊敬されるアスリートの一人だけに、コケインよりも中毒性の強い興奮剤を使用していたという告白は世界に大きな動揺を与えました。
アガシに関するいろんな記事を読みましたが、自伝をまだ読んでいないので多くの疑問が残ります。
最も大きな疑問は彼の告白の理由です。「なぜ12年も経った今になって過去の秘密を告白しなければならないのか?」
この告白によって、アガシは計り知れない大きなダメージや損失を受ける危険性があるのに、なぜ?
まず最初に考えられる理由は金銭的な動機です。
本を売るため?
彼は確かにミリオネアーですが、Andre Agassi College Preparatory Academy (幼稚園から高校まであり生徒数は約600名)のために資金が必要なことは確かです。恵まれない子供たちを大学に送ることを目的にアガシが創設したこの学校は、チャータースクールと呼ばれた半公立学校で、資金の半分は州から援助を受けていますが、残りの半分はアガシの責任で経営していかなければなりません。
年間生徒一人にかかる費用は約130万円で、アガシの個人負担は年間4億円にものぼり、引退してしまった彼は、ファンドレイジングやコマーシャルなどの収益から捻出しなければならず、経済的な負担は相当なものであると想像されます。
しかし「今だから話そう・・・」の激告白は、センセーショナルなインパクトはありますが、アガシのイメージを傷つけ、寄付をしてくれるサポーターやスポンサーを失ってしまう可能性もあります。ですから金銭だけの目的で、この自伝を書くにはリスクがあまりにも大きすぎるような気がします。
伝説のアスリート、栄光のヒーロー、ヒューマニタリアンのリーダーとして今まで築き上げてきたアガシの名声が、大きく傷つくかもしれない危険を敢えて侵してまで自伝の出版に踏み切ったアガシには、アガシがそうしなければ前進していけない理由があったのだと思います。
次回は醜い過去の汚点も含めて、すべて洗いざらい告白しなければならなかったアガシの真意に迫ってみたいと思います。
11月9日に新しく発行される自伝『OPEN』のPRのために、アガシはPeople MagazineとTimesのインタービューを受け、ドラッグを使用していたことを告白しました。しかも1997年のドラッグテストにひっかかり、偽りの事情説明をしてATPの処分から逃れた事実も暴露したのですから、テニス界は大騒ぎとなってしまいました。
マッケンローも過去、自伝「You Cannot Be Serious」でコケインなどのドラッグを使用したことを告白していますが、前妻の女優テイタム・オニールはドラッグの常習者として知られていましたし、彼自身の性格からも想像できないことではないので、出版当時はほとんど問題にもなりませんでした。
しかし今のアガシには悪童から改心して、チャリティー活動に生涯を捧げ、家族を愛する聖者のようなイメージがありますので、まさか!あのアガシが!なのです。
有名人の自伝には、成功物語と暴露物語の二つに分かれるようですが、昨年のサンプラスの『 A Champion's Mind』はスタンダードな成功物語で、苦難な道をへて勝ち得たチャンピオンの栄光の話となっています。
しかしあと10日間で発売されるアガシの自伝は、a tell-all book で、危険なドラッグとして知られるクリスタル・メタンフェタミン Crystal Methamphetamineを使用していたことや、嘘の説明で出場停止処分を免れたことなどが告白されているため、アガシはローモデルとして最も尊敬されるアスリートの一人だけに、コケインよりも中毒性の強い興奮剤を使用していたという告白は世界に大きな動揺を与えました。
アガシに関するいろんな記事を読みましたが、自伝をまだ読んでいないので多くの疑問が残ります。
最も大きな疑問は彼の告白の理由です。「なぜ12年も経った今になって過去の秘密を告白しなければならないのか?」
この告白によって、アガシは計り知れない大きなダメージや損失を受ける危険性があるのに、なぜ?
まず最初に考えられる理由は金銭的な動機です。
本を売るため?
彼は確かにミリオネアーですが、Andre Agassi College Preparatory Academy (幼稚園から高校まであり生徒数は約600名)のために資金が必要なことは確かです。恵まれない子供たちを大学に送ることを目的にアガシが創設したこの学校は、チャータースクールと呼ばれた半公立学校で、資金の半分は州から援助を受けていますが、残りの半分はアガシの責任で経営していかなければなりません。
年間生徒一人にかかる費用は約130万円で、アガシの個人負担は年間4億円にものぼり、引退してしまった彼は、ファンドレイジングやコマーシャルなどの収益から捻出しなければならず、経済的な負担は相当なものであると想像されます。
しかし「今だから話そう・・・」の激告白は、センセーショナルなインパクトはありますが、アガシのイメージを傷つけ、寄付をしてくれるサポーターやスポンサーを失ってしまう可能性もあります。ですから金銭だけの目的で、この自伝を書くにはリスクがあまりにも大きすぎるような気がします。
伝説のアスリート、栄光のヒーロー、ヒューマニタリアンのリーダーとして今まで築き上げてきたアガシの名声が、大きく傷つくかもしれない危険を敢えて侵してまで自伝の出版に踏み切ったアガシには、アガシがそうしなければ前進していけない理由があったのだと思います。
次回は醜い過去の汚点も含めて、すべて洗いざらい告白しなければならなかったアガシの真意に迫ってみたいと思います。
投稿者 Tennisnakama 05:49 | コメント(0)| トラックバック(0)
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