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Tennisnakama in New York 世界にテニスの輪を広げたいと願っています。元レポーターのTennisnakamaが、ホットな情報やめずらしい話を、ニューヨークからどんどんお届けします。自由にリンクしてください。(記事はすべて〓tennisnakama.comとなっておりますので、無断掲載はご遠慮ください)

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アメリカの反響

今、午前2時。ライヴ放送をみすごしてしまったので、錦織選手の再放送を観戦中です。もう結果がわかっているので、ビールをゆっくり飲みながら余裕の観戦です。

皆さんが試合の状況を詳しく報告されてますので、私はアメリカの解説の様子をお伝えしたいと思います。メディアはWho is Nishikori? と言う感じで慌てている様子がおもしろいですね。全く無名の選手がセミまで上がってきたのですから、解説者が興奮しています。

「日本の選手は16年ぶりです! そういえば、昔シューゾー・マツオカがおりました!」

「18才とは信じがたいプレーですね。バックハンドがすばらしい!」

「フォアハンドもすばらしいですね。あっ!すごいインサイドアウトが決まりました!」

「ニシコーリ、は少し疲れがでてきたようですが、当然ですよね。クオリファイアーですから、本大会の前に3試合しているのですから。でもよくがんばってます。」

「タイブレークですね。よくここまでがんばりました。 オオ! ニシコーリ! バックハンドです。決まりました!」

「(36でマッチポイント)ニシコーリ!踏ん張りました!センセーショナルなポイントです!」

(もうアメリカ人のクェリーの方はそっちのけ)
「(46)驚くべき動きでしたねえ。今のニシコーリは。」

「(77)テリフィック!すばらしいポイントです!ニシコーリ!」

「(97)日本から来た18才の少年が勝ちました! ケイ・ニシコーリが勝ちました!もうニシコーリは無名の選手ではありません。すばらしい若者たちの試合でした!」

試合後のTVのインタービューに流暢な英語でニシコリ君は答えました。

Q:マッチポイントが4回もありましたが、そのときどんな気持ちでしたか?

N:何も考えていなかったです。一つ一つポイントをとっていくことしか頭になかったです。

Q:危なかったですが、そのときの特別な作戦は?

N:僕の武器はフォアハンドなので、できるだけフォアにまわるようにしました。

Q:でもバックハンドもすばらしかったですよ。ともかくおめでとう。決勝がんばってください。

N:ありがとうございます。がんばります。

本当に鼻が高いです! スイス人の夫も、ガンバレ!ニシコーリ!とそばで叫んでおりました。明日の試合は残念ながら二人とも見ることはできません。私はテニスキャンプ、夫はメキシコで登山です。Good luck、Nishikori!!

投稿者 Tennisnakama  16:08 | コメント(4) | トラックバック(0)

ジョコヴィッチの秘密(最終回)

「女性コーチからトレーニングを受けた選手はどこが違うのか?」
「コーチ・エレナゲンチッチは、何をジョコヴィッチに教えたのか?」


ジョコヴィッチが、「今の僕があるのは、エレナのおかげ」と公言しているように、彼女が彼に与えた影響は、計り知れないものがあります。厳しい自己コントロールのもとで、精密に組み立てられたテニス。硬軟、長短、遅速のあらゆるヴァリエーションを自由自在に駆使されたテニス。ジミー・コナーズがインタービューで自分のテニスについて興味深いことを語っています。

「母親が長い間コーチだったけど、シンプルなテニスをまずたたきこまれたね。コンパクトなスウィングで、確実にプレースメントを決める。そしてオープンコートをつくり、ポイントをとる。つまり男の体で女の試合をするってことかな。"It's a women's game inside a man's body."」

このコナーズのコメントこそ、ジョコヴィッチのテニスの秘密が隠されているのではないかと思うのです。どんなに振られても、まずは無理のない返球でつなぎ、チャンスがくるのを待つ。受け身のテニスもできるが、攻撃のテニスも展開できる。パワーテニスもできるが、それだけに頼らない。フェデラーの華麗テニスでもなければ、ナダルの熱血テニスでもない。どんなに点を離され窮地に陥っていても、相手がファインプレーをすれば拍手を惜しまないクールなマナー。シャラポヴァやナダルの真似をしてファンを湧かせるジョーカー。さまざまなピースから成り立ったジョコヴィッチのテニスは限りなく広がっていくモザイクのような不思議な魅力があります。

ナダルとジョコヴィチのどちらが手強い相手ですか?」という質問に、フェデラーが次のように答えています。
「それはナダルだよ。ジョコヴィッチはそれほど手強い相手だと思わない。彼の作戦はかなり予想できるからね。」
これは昨年の8月ジョコヴィッチが、ロディックナダルを倒し、決勝でフェデラーを下してタイトルを勝ちとったときのコメントです。全豪オープンで再び破れてしまった今のフェデラーに、同じ質問をすればどういう答えが返ってくるか、興味津々です。

「この調子でいけば、今シーズン中にもナンバーワンになりえる」
ジョコヴィッチの現在のコーチ、マリアン・ヴァーダは、チェコの新聞に豪語しました。

「僕は世界でナンバーワンのテニスプレーヤーになるんだ!」4才から抱き続けた夢は、あともう少しで手の届くところにきているのです。

投稿者 Tennisnakama  15:13 | コメント(2) | トラックバック(0)

ジョコヴィチの秘密(6)

ジョコヴィチの秘密(6)

アンディ・マレー;ジミー・コナーズ;ノヴァク・ジョコヴィッチの三人に、共通するものは何でしょう?

1。外国にテニス留学をした
2。サッカー選手になるつもりだった
3。女性のコーチからテニスを教わった

答えは3です。個人別にいうと、コナーズの答えは3のみ。マレーは1(スペイン)と3。ノヴァックは、1、2、3のすべてが正解と言うことになります。12才でドイツへテニス留学したことは、前編でも書きましたが,元スキーチャンピオンだった父は、またサッカー選手でもありましたし、本当はノヴァクにサッカー選手になってくれることを期待していたのです。

ジョコヴィッチが生まれた4年後に、弟マルコスが生まれました。スキーのインストラクターとして、二人の幼子を養っていくのはむずかしく、ノヴァクが5才、マルコスが1才のときに、両親は子供たちの将来のために、一大決心をします。新しいビジネスのピッツァリアの経営は(ピッツァなど簡単なイタリア料理を出す店)、レストラン業を経験したことない両親にとっては、苦労の連続でした。

「ノヴァクのアスリートとしての才能は、小さいときから明らかだった。ただ、自分としては、サッカー選手になってほしかったのだが、テニスにめきめきと才能をしめすようになって、テニスを選ぶことにしたのです。」と当時を振り返って父は語っています。

「父子でサッカーをする」ことは、ヨーロッパの父親ならだれもが描くファミリー図。アメリカでは「父子で野球をする」にあたるのでしょうが、これは父親と息子の関係を形成していく上で、欠かせない儀式なのです。私の夫も、学生時代はサッカー選手で、息子が生まれたときは、最初に買ったシャツが、バーゼル(スイス)チームのユニフォームだったのですから。

それはさておき、父親の予想を上回り、モニカ・セレスの再来とまで呼ばれるようになったノヴァクのテニスの才能は、誰の目にも明らかでした。セレナを育てたコーチ・ゲンチッチは、自分の胸に誓ったのです。「この子に私のテニスのすべてを与え、彼を偉大な選手に育てあげよう!」と。

(いよいよ次は最終回です。 )

投稿者 Tennisnakama  01:37 | コメント(0) | トラックバック(0)